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クラブン株式会社 青井百合香さん ~ とっておきの文具とわくわくに出会える、地域に愛され続ける「うさぎや」を目指して(若手が紡ぐ倉敷仕事物語 Vol.5)

倉敷とことこ

クラブン株式会社 青井百合香さん ~ とっておきの文具とわくわくに出会える、地域に愛され続ける「うさぎや」を目指して(若手が紡ぐ倉敷仕事物語 Vol.5)

日々の暮らしに欠かせない文具

学校や職場でデジタル化が進んでいる現在でも、アナログの文具が活躍する場面はまだ多く残っています。

クラブン株式会社では、事務用品の提案を含むオフィスのトータルプロデュースや、地域最大級の品ぞろえを誇る大型文具専門店「うさぎや」を展開しています。

地域に根差し、2025年11月で開店30年を迎えるうさぎや倉敷店。そこには、「文具で誰かの人生に寄り添いたい」という想いを持つ20代の若手社員がいました。

うさぎや倉敷店で働く若手社員、青井百合香あおい ゆりかさんを紹介します。

クラブン株式会社について

クラブン新本社 2026年12月竣工予定 画像提供:クラブン株式会社

クラブン株式会社(以下、「クラブン」と記載)は、オフィスに欠かせない事務用品やIT機器、コンピュータシステム、オフィス家具の販売のほか、空間デザインやWEBデザインなどをおこなっている会社です。働きやすいオフィス空間をトータルプロデュースしています。

クラブンは1951年に個人創業により、紙製品の卸売業からスタートしました。1961年には「倉敷文具株式会社」(※前社名)が設立され、事務機器も取り扱うようになり、1978年に現在の「クラブン株式会社」に商号変更しました。

創業から70年以上、快適さを追求した職場づくりで、地域に貢献し続けています

画像提供:クラブン株式会社

現在、展開しているおもな事業は以下のとおりです。

・約30,000点のオフィス文具を供給・提案する「オフィスサプライサポート事業
・オフィスの情報化をトータルプロデュースする「OA機器プロデュース事業
・最適なオフィス・施設空間をデザインする「環境創造事業
・大型文具専門店うさぎやの運営・管理をおこなう「パーソナル事業

クラブン代表取締役の伊澤正信(いざわ まさのぶ)さんが掲げている夢は、「日本一の文房具店」になること。クラブンは、文房具を通して、地域のあらゆる人々の暮らしを充実させています。

画像提供:クラブン株式会社

地域に根差した文具専門店「うさぎや」

うさぎや倉敷店 店内 画像提供:クラブン株式会社

クラブンが運営している地域密着型の大型文具専門店うさぎや」。
うさぎやでは、「楽しさわくわく、文具でわくわく」をコンセプトに、40,000点以上のアイテムを揃えています。

基本的な事務用品・文房具はもちろん、画材や書道用品、ランドセル、地域企業とコラボレーションしたオリジナルアイテムなど、地域最大級の品数が取りそろえられています。宝物を探すようなわくわく感を楽しめるのも、うさぎやの魅力です

2025年現在、倉敷店・岡山店・岡南店・岡山東店・倉敷西店・福山南店の6店舗が展開されています。

なかでも、最初にオープンしたうさぎや倉敷店は、2025年11月で開店30年を迎えます。地域に根差し続けるうさぎやの魅力については、倉敷とことこでも紹介しているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。

「わくわく」を届けるうさぎやの仕事とは、いったいどのような内容なのでしょうか。

うさぎや倉敷店で働く青井百合香さん

青井百合香(あおい ゆりか)さん

今回取材に応じてくれたのは、うさぎや倉敷店に勤める青井百合香あおい ゆりかさん。1999年生まれ、岡山県岡山市出身です。

学生時代に飲食店でアルバイトをしていた経験から、接客ができる仕事に興味を持った青井さん。メーカーや金融系など、さまざまな企業の説明会に参加しましたが、文具を通して多くの人の人生に寄り添いたいという想いから、第一志望だったクラブンに2022年に入社しました

青井さんは、子どもの頃から家族でうさぎやに出かけていたこともあり、うさぎやには親しみがあったそうです。当時は両親の車でしか行けなかったことから、「少し特別なお出かけのようで、行くときは毎回楽しみでした」と振り返ります。

青井さんの仕事内容について

レジ打ちや接客対応など、店頭に立つイメージが強い小売業の仕事。しかし、青井さんの業務はそれだけではありません。

新商品の発注や仕入れから、店内の売り場づくりまで、お客様に商品を届ける一連の流れに携わっています。

ときには出張もあり、県外の展示会や見本市で、お客さんが喜びそうな商品を選んで、仕入れることもあるそうです。もちろん、うさぎやには専門のバイヤーも在籍していますが、店員目線の仕入れもあることで、より多くのお客様がわくわくと出会える商品展開となっているのです。

青井さんに「仕入れる商品を選ぶのは難しいですか?」と尋ねると、「今までにない商品を仕入れるときは少しどきどきします。自分で仕入れたら頑張って売らないといけないので、プレッシャーも感じますが、新商品をお客様にお届けするのが楽しいです」と話してくれました。

青井さんが作った売り場 画像提供:クラブン株式会社

また、青井さんが特に好きだと話す業務は、売り場づくりです。

うさぎや倉敷店に入ると、入口付近にはシーズンごとに品ぞろえが変わる期間限定のコーナーがあります。「敬老の日」や「クリスマス」など、季節ごとのテーマにちなんだ文具が並んでおり、思わず足が止まるような華やかな売り場です。

ハロウィンがテーマの売り場 画像提供:クラブン株式会社

売り場を作る際、副店長からパートの人まで、みんなでアイデアを出し合って作り上げるため、青井さんは多くの交流が生まれるこの仕事が一番好きだそうです。

うさぎやでは、お客さんが飽きることなく文具との出会いを楽しめるように、店員が一致団結してさまざまな工夫を凝らしています

クラブンとの出会い

学生時代の飲食アルバイト経験から、「お客様と関わる仕事がしたい」と考え、就職活動に臨んだ青井さん。当時は小売業だけでなく、金融業やメーカーなど、さまざまな業界の企業説明会に参加していました。

そのなかで出会ったのがクラブンでした。青井さんは、うさぎやの存在は知っていましたが、企業説明会に参加した当時、クラブンがうさぎやを運営している会社とは知らなかったそうです。

地域企業とコラボレーションしたうさぎやオリジナル商品

説明会に登壇したのは、クラブンの代表取締役 伊澤正信さん。
伊澤社長の人柄に魅せられて、「面白そうな会社だな」という第一印象が強く残ります。さらに、伊澤社長の「人生のターニングポイントには、必ず文具が出てくる」という言葉が、青井さんに引っかかりました。

たとえば、出生届や婚姻届といった人生の大きな出来事を記す書類には、必ず筆記具やハンコといった文具が必要になります。

うさぎやのテーマである「人生とともに文具は生きる」に共感した青井さん。せっかくなら誰かの人生に寄り添える文具を取り扱いたいという想いから、クラブンへの入社を決めました。

青井さんから見た、「職場」としてのうさぎやの魅力とは?

うさぎや倉敷店外観

青井さんが考える、社員から見たうさぎやの一番の魅力は」です。

企業説明会で魅せられた伊澤社長の人柄が入社のきっかけとなり、入社後も多くの社員に助けられてきたと振り返っています。

うさぎや倉敷店では、社員が一人ずつ店長と面談をおこない、「どう成長していきたいか」を話し合って年間の個人目標を決めているそうです。その目標に向けて各々が努力しながらも、お互いにフォローし合う思いやりがあふれているためモチベーション高く働けていると話します

筆者は、取材前にクラブンのリクルートサイトを読み、社員の皆さんが「ジョージ(※伊澤社長の愛称)との距離が近い」と語っていたのが印象的でした。

なので、青井さんにも「伊澤社長と交流する機会はありますか?」と尋ねたところ、「あります。社員と社長の距離が比較的近い会社だと思います」と教えてくれました。

伊澤社長は、うさぎや併設のカフェ「ジョルジュラパン」にときどき足を運んでおり、社員に「最近はどう?」と声を掛けて、近況報告や世間話をする機会があるそうです。

取材中、青井さんから「人に恵まれている環境です」という言葉が何度か出てきました。働きやすい職場とは、きちんと誰かに頼れて、支え合いができる環境を指すのかもしれません。

クラブンに入社して、2025年で入社4年目を迎えた青井さん。地域に根差した文具専門店で働く楽しさ、そしてクラブンの「人」の魅力についてインタビューしました。

青井百合香さんにインタビュー

クラブン株式会社のうさぎや倉敷店で働く若手社員、青井百合香あおい ゆりかさんに話を聞きました。

取材を受ける青井百合香(あおい ゆりか)さん

「わくわく」を提供する文具専門店で働く楽しさとは

──現在の仕事で青井さんが「わくわく」する瞬間はなんでしょうか?

青井(敬称略)──

一番わくわくするのは、仕入れた新商品をお客様へ届けるときです。

展示会などの仕入れの際に、今までにない新しい商品と出会えたときは、私自身もわくわくしますし、その気持ちをお客様にお伝えできるように売り場を作っています。

この文具が、お客様の人生に今後どうやって関わっていくのかな」と想像すると胸がときめきますね。

──「地域に根差した文具店で働いているな」と実感することはありますか?

青井──

はい、あります。
地元の企業様とコラボレーションした文具を取り扱うのは、やはり地元に密着しているうさぎやならではだと思います。

あとは、文化祭の買い出しなどで来られる地元の学生さんも多いので、文化祭用のTシャツや制服を着た学生さんたちで店内が賑わうと、「ああ、地域に根差した文具店なんだな」と改めて実感しますね。

うさぎやは品ぞろえが豊富なので、わいわい選べる楽しさもご提供できているのかなと思います。

青井さんが設置したシール売り場

──うさぎやには、ご家族で来店されるお客様も多いと思います。微笑ましさを感じられる瞬間はありますか?

青井──

12月から春先にかけて、新学期の準備のために家族連れのお客様が多く来店されます。小さなお子様が、筆箱やノートなどを自分で選んでいる姿を見ると、胸が温かくなりますね

あとは、お正月シーズンになると、お年玉袋(ポチ袋)を持ってレジに並ぶお子様もいらっしゃるので、「お年玉をもらえて良かったね」と微笑ましくなります。

最近では、お年玉ならぬお盆玉もあるんですよ。私が子どもの頃にはなかった文化なので、少しうらやましく思いながらも、うれしそうなお子様を見るとつい笑顔になります。

豊富な文具の知識を身につける研修制度

──入社後、どのような研修がありましたか?

青井──

入社して1か月間は、本社で研修があり、基本的なマナーや規律などを学びました。

本社研修の後は、約2か月間、店舗へ仮配属されました。
店舗の業務は、実際にやってみないとわからないことが多いので、実践を繰り返して覚えていきます。まずは、商品の発注方法やお取り寄せのやり方などを先輩から教えていただいて、先輩がそばで見守ってくださるなかで業務をこなしていきました。

うさぎやで働く職員は、本社で商材研修を受ける機会も多かったです。たとえば、ランドセルひとつとっても、各メーカーで細かい特徴があります。覚えることは数えきれないほどありましたね。

──お店で取り扱っている商品を覚えるだけでも、膨大な量がありますよね

青井──

入社後はとにかく覚えることが多く、苦労しました。

商品そのものの知識を学ぶことはもちろん、商品が置いてある売り場を把握したり、発注や問い合わせ対応などの店舗運営の業務を覚えたり、1年目はとにかくついていくことに必死だった記憶があります。

身近な文具はまだ覚えやすいですが、画材のように自分にとってあまり縁のなかった文具についても一から学びました。

──どのように乗り越えたのですか?

青井──

仮配属先が一緒だった同期と協力して、お互いに学んだことを共有する勉強会を開きました

「自分は知っているけど、もう一人は知らない」という状況を避けるためにも、お互いのメモを見せ合いながら、先輩から教えていただいたアドバイスを情報交換していたんです。その同期がいたからこそ、乗り越えられたのだと思います。本当に心強い存在でした。

うさぎやには、心強い味方がいる

──まるで戦友のようですね。今でも同期のつながりはありますか?

青井──

今でも同期とは仲が良く、休みの日には一緒に食事に行くこともあります。特に私たちの代はつながりが強いようで、他のかたから「仲が良いね」と言われたこともありました。

同期だけでなく、先輩も上司も、パートのかたも、優しいかたばかりで、人に恵まれている職場だなと実感しています。

流行中のシール売り場 画像提供:クラブン株式会社

──人に恵まれている職場とは、どのような雰囲気なのでしょうか。

青井──

たまに笑い声が上がるようなにぎやかさもありつつ、仕事にもきちんと集中できるメリハリのある職場です。

忙しいときは各自で仕事をこなしていますが、休憩室は基本的にわいわいしていて、ご飯を食べながらいろいろな話をしています。

お子さんがいるパートのかたは、子育ての話で盛り上がることもありますね。悩み相談やプライベートのことも気軽に話しやすい雰囲気です。

うさぎやが迎える30周年。地域へ恩返しをしていきたい。

──うさぎやは2025年11月に開店30年を迎えますね。記念の企画などはあるのでしょうか?

青井──

11月1日(土)から11月3日(月祝)の3日間、うさぎや全店で「うさぎや30thバースデーフェア」が開催されます。「地元の魅力再発見」をテーマに、地元企業とコラボレーションした新作文具をご用意してお待ちしています。ぜひご来店ください。

さらに、11月27日(木)から30日(日)にかけて、うさぎや30周年を記念して「文具♡缶~文具と缶に恋をするときめきがとまらない空間~」という特別イベントを開催します。こちらの会場は、イオンモール岡山です。

文具ファンのかたにはたまらない空間を作る予定ですので、気になるかたはぜひInstagramをチェックしていただけるとうれしいです。

画像提供:クラブン株式会社

──同世代の若手に向けて、メッセージをお願いします。

青井──

うさぎやは2025年11月に開店30年を迎えます。倉敷で生まれて30年、地域の皆さまをはじめ、多くのかたがたに支えられてきました。

私はまだまだ未熟ではありますが、今までうさぎやを支えてくださったかたがたに恩返しをする気持ちで、今後もわくわくするような文具を届けていきたいです

また、同世代の仲間の活躍も応援したいと思います。業界や職種が違っても、頑張る同世代が多ければ多いほど心強く、勇気をもらえます。一緒に前向きに頑張っていきましょう!

おわりに

レジ打ちや接客など、目に見える部分しか知らなかったうさぎやの仕事。

今回、青井さんの話を聞いて、わくわくする買い物の裏には店員さんのこだわりや想いがぎゅっと詰まっていることがわかりました。次回うさぎやに訪れた際には、売り場に注目して買い物をしてみたいと思います。

取材中、青井さんから「恩返し」という言葉が出てきて、感謝の想いを持つ人が働いているからこそ、うさぎやは地域に根差したお店であり続けるのだと実感しました。

うさぎや30周年の記念イベントにも、ぜひ足を運んでみてください。お宝を見つけるようなわくわくするような時間を、きっと過ごせると思います。

素敵な文房具との出会いを生み出す青井さんの活躍を、今後も見守っていきましょう。

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