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好きに撮る!風景写真 気の合う愛好家「写遊はまゆり」三人展・釜石 多様な視点で

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 自然の風景を大判プリントの写真で堪能-。アマチュア写真家の村上民男さん(77)=大槌町、阿部秀見さん(74)=釜石市、沼田義孝さん(71)=大槌町=は12月1日まで、釜石・大町の市民ホールTETTOで三人展を開いた。四季折々の風景を独自の視点で切り取った作品を迫力のサイズで見せた。

 写真歴50年超の村上さん、30年以上カメラを手にする阿部さん、本腰入れて約10年となる沼田さんの3人は趣味として撮影を楽しむ仲間。10年継続した愛好グループ・釜石写遊会で作品発表を重ねながら親交を深め、解散した今も情報交換し合う「気の置けない仲」だ。

 村上さんと阿部さんは「大型写真を目にする機会を」と5年前に二人展を開いた。撮りためた写真、見てもらいたいものが多くなってきたことから「そろそろ、やろうか」と意気投合。今は矢巾町で暮らす沼田さんにも声をかけ、もとの愛好グループの名をつなぐ「写遊はまゆり」として写真展を催した。

写遊はまゆり」として開かれた三人展


 ここ数年に撮った作品を、全倍(90センチ×60センチ)、全倍のほぼ半分の全紙サイズを中心に計約40点展示。国内外の海や山、花や木々、トンボなど、3人それぞれが「これ!」と選び抜いた豊かな自然風景を持ち寄った。

 村上さんは、ピンク色に色づき始めた木々の間から望む残雪の岩手山を写した「春・爛漫」、散歩中に見かける三陸鉄道のカラフルなラッピング列車を記録する組み写真「復興の三鉄」など10数点を並べた。モノクロの独特な風合いが魅力的なフィルム時代の作品も紹介。ユニークなタイトルも“ならでは”で、四角い建物の間からのぞく釜石港の荷役クレーンを捉えた一枚には「喜寿にして習作・遠近」と“遊び心”も加えた。

村上さんは身近な風景を切り取った作品を並べた


ソニー製カメラを愛用中。フィルム時代の作品も(右)も紹介


 阿部さんは、釜石大観音の朝焼けや朝霧に浮かぶ満開の桜(遠野市)など、早朝の絶景写真を多数見せた。何度も足を運ぶ中で撮影できた貴重な瞬間が来場者の目をくぎ付け。「何回も失敗して…でもそれも楽しい。同じ被写体でも視点を変えれば印象も違う。同じシチュエーションもない。一瞬を撮るのが面白い」と、どっぷりハマる。主役のヒガンバナを印象的に浮かび上がらせた「赤と黒」などカメラの性能を駆使した作品も紹介したり、意欲作を20点ほど出品した。

来場者に撮影場所や独自の視点を伝える阿部さん(奥)


愛機はキャノン製。色彩の対比が印象的な作品が展示された


 沼田さんは心動かされる被写体をいつも狙っているといい、「感動したことが出てくるのが写真の良いところ」と笑った。6点出品し、イチ押しの作品はライトアップされた黄葉の木々と御堂が沼に映り込む光景を捉えた「黄金の平泉御堂」。風もなく、ピタッと時が止まった瞬間と現地の感動を封じ込めた。「これだよ!こういうの」「よっしゃー」。撮影者のそんな気持ちを感じ取った多くの人が足を止め、じっくりと見入っていた。

「感動の分かち合い」を楽しむ沼田さん(右)


キャノン製カメラを相棒に狙った風景写真がずらり


 3人の撮影スタイルは、グループ活動していた頃から変わらない。「自由に、好きなように。肩肘張らずに楽しんでいこう」が合言葉。村上さんは「気心知れたメンバーだから。みんながリーダー」と、いたずらっぽい笑みを浮かべた。“生きる証し”というカメラは手放せないようで、「いいなと思ったものを撮り続けたい」と意欲は衰えない。

 また展示会を―。早くも、次の構想は動き出している。「喜寿の記念に」とつぶやく阿部さんに、「傘寿を迎える頃には見せたい写真がさらに増えているな」と返す村上さん。「展示しきれないものをプロジェクターとか使って映して見せたい。スライドショー、いいね」と、沼田さんは案を出したり。三者三様だ。

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