日本の近海にレアメタル 中国との関係も変化?「経済安全保障にメリット」
6月21日(金) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティーを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。金曜コメンテーターでMCPアセット・マネジメント チーフストラテジストの嶋津洋樹さんと、南鳥島沖の「マンガン団塊」について意見を交わした。
日本のEEZ(排他的経済水域)の中の小笠原諸島・南鳥島沖にある深海の鉱床に、レアメタル(希少金属)を豊富に含む「マンガン団塊」が2億トン以上密集していることが、東京大学や日本財団などの探査で判明した。マンガン団塊は、鉄やマンガンの酸化物を主成分とする海底の鉱物資源のこと。こぶし大の球形で、コバルトとニッケルはそれぞれ1%以下の割合で含まれている。海底に沈んだ魚の骨などを核に、数百万~数千万年かけて金属が断続的に付着したとみられる。南鳥島沖に密集していると判明したマンガン団塊は、世界的に供給不足が心配されるコバルトは国内消費量の約75年分、ニッケルは約11年分と推計された。日本財団などは2026年にもマンガン団塊の大規模な採取を始め、商業化に乗り出す方針だ。
寺島アナ「嶋津さん、このニュースは明るいですね」
嶋津「ずいぶん前から「ある」と言われていたんですけど、確か深すぎるために技術が追いついておらず、コストに見合っていないんじゃないかと最初は言われていたはずです。しかし最近は技術開発が進んでコストに見合う、あるいはいろんな鉱物価格が上がっているので、バランスが取れてきたということだと思います」
寺島「嶋津さんから深いという言葉が出ましたが、水深5500mです。この領域にマンガン団塊が2億3000万トンあることが確認できたということなんですが、電気自動車の電池に必要なコバルト、ニッケルなどのレアメタルは、産出や製錬がアフリカや中国など一部の国に偏っているといいます。ということはコバルト、ニッケルを国内で調達できるようになれば、経済安全保障の面でも、大きなメリットになりますね」
嶋津「日本は都市鉱山があると言われてはいますけども、やはり資源が少ない国としていろんな国に依存しています。特にこの手の鉱物は中国に偏っていて、どうしても日本と中国の関係を考えると、これだけ依存するのはリスクがあると言われていたので、そういう意味では本当に経済安全保障の面で独立して行くという意味では追い風だと思います」