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【綾瀬市】綾北中学校 木下綾子教諭 全国規模の教育賞に選出 国語でSDGs伝える

タウンニュース

生徒の発言を板書する木下教諭

綾瀬市立綾北中学校(堺千津子校長)の木下綾子教諭(42)が10月27日、全国規模の国語教育表彰「第10回大村はま奨励賞」を受賞した。対象となったのは生徒に絵本を通じてSDGsについて考える取り組みで、海老名・座間・綾瀬からの受賞は今回が初めて。

この賞は、単元教育の実践により戦後の国語教育に大きな影響を与えた大村はま氏(1906〜2005)にちなみ、次世代の取り組みを促そうと、45歳以下の教員による優れた国語単元学習の実践を表彰するもの。「単元」とは、ねらいをもって順序だてた授業のまとまりのこと。授業内容をまとめた論文を提出し、国語教育研究者により選ばれる。

木下教諭が実践したのは中学1年生が対象の計8コマの単元。綾北中学校ではSDGsを重視し校内研究を行っていたが、国語科としてどう取り組むか課題だった。

授業の展開を考える中、県立図書館で見た共生社会の展示から着想。SDGsを「共に豊かになるための営み」だと捉え、「普段読んでいる物語の中にもSDGsが存在する」と気づいてもらうことを目標とした。

手引で導く

教材に採用したのは短時間で読める絵本。SDGsが設定する17のゴールの複数を読み取れる12冊を選び、生徒たちにSDGsについて説明した。生徒は12冊のすべてを読み、本が示すゴールについてグループ別で話し合い、一人ひとりが選んだ本について400字で文章を書いた。

単元の目標をわかりやすく伝えるため、話し合いと文章執筆についての具体的な方法を記した「手引」を作成。SDGsを切り口に、生徒たちの思考力や文章表現力の向につながった。この取り組みを所属する勉強会で報告したところ、先輩の教員から推薦を受け応募し、受賞に至った。

木下教諭は「賞をいただいたこと以上に、単元実践や論文執筆の中で学びを深められたことが嬉しい。ご協力いただいたすべての方に感謝を伝えたい」と喜びを語った。

堺校長は「勉強熱心な姿勢は普段から見ている。教員として、学び続ける姿を生徒に示してくれたことを誇りに思う」と称えた。

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