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阪神・佐藤輝明の“抑え方”がデータで判明? 2ストライク後は別人になるセ二冠王

SPAIA

阪神の佐藤輝明,ⒸSPAIA

優勝争いもタイトル争いも独走中

阪神が着々と優勝マジックを減らし、栄光のゴールへ突っ走っている。チームの象徴的存在が佐藤輝明だ。ここまで28本塁打、72打点でセ・リーグ二冠王。本塁打はチームメイトの2位・森下翔太とDeNA牧秀悟が16本、打点は2位・森下が62、3位・大山悠輔が53とタイトル争いでも独走状態となっている。

近畿大からドラフト1位で入団して5年目。過去4年連続2桁本塁打を放っているとはいえ、自己最多は1年目と3年目の24本。すでにシーズン最多を更新しており、生え抜きでは1985年の掛布雅之(40本)と岡田彰布(35本)以来40年ぶりとなる30発も時間の問題だろう。

このまま独走を許したくない他球団からすれば、佐藤を封じ込むことは勝利への条件のひとつ。今季はパワーだけでなく、打率も.280と高く確実性を増しているが、虎の主砲に弱点はないのだろうか。

追い込まれると極端に弱い佐藤

下の表を見てほしい。佐藤のカウント別成績だが、0ストライクでは打率.393、10本塁打、1ストライクでは打率.481、14本塁打と結果を残しているのに対し、2ストライクでは打率.156、4本塁打と極端に数字が落ちる。


2ストライクをさらに細かく分類してみると、0-2と追い込まれた場面では30打数2安打とほとんど打てていない。1-2でも打率.169、2-2でも打率.132で、3-2でやっと打率は2割台に乗る。本塁打は2-2と3-2でしか打っていない。

以前から早打ちの傾向がある佐藤だが、裏を返せば追い込まれると極端に弱いのだ。チームメイトの近本光司は2ストライク打率.238、シーズン打率.260の森下翔太でも2ストライク打率.221だから、佐藤がいかに追い込まれると打てないか分かるだろう。

1ストライクから不用意にストライクを取りにいくと危険

さらに細かく見てみたい。カウント別のストライクゾーンの成績は下の通りとなっている。


0ストライクと1ストライクの打率は変わらず高い。本塁打も計23本打っている。

特に1ストライクからストライクゾーンに来るとスイング率78.3%と見逃さずに振っていることが分かる。14本塁打もカウント別で最多だ。相手投手からすれば1ストライクから不用意にストライクを取りにいくのが最も危険と言えるだろう。

2ストライクを取られてからも合計の成績に比べるとストライクゾーンの成績の方が少しマシ。0-2では打率.143だが、1-2、2-2、3-2では打率2割台に乗せている。

スイング率は軒並み80%以上。当たり前だが、見逃せば三振になる2ストライクからストライクゾーンに来ればほぼ振っているものの、好結果は出せていない。

2ストライク後はボール球に手を出す確率が急上昇

ここまで来ればもうお分かりだろう。続いてボールゾーンのカウント別成績を見てほしい。


0ストライクと1ストライクの打率は同様に高いが、0ストライクは18打数7安打1本塁打、1ストライクは14打数7安打と打数が少ない。つまり、若いカウントではボール球に手を出していないのだ。

この辺りが今季の佐藤の成長の跡かもしれない。確実性を増している要因のひとつだろう。

ただ、2ストライクを取られるとまるで別人のように成績が悪くなる。0-2では16打数無安打、1-2でも打率.128、2-2でも打率.077だ。3-2では唯一2割ジャストとなっているものの、それでも苦しんでいることには変わりない。

しかも、若いカウントではボール球に手を出さない佐藤が、2ストライク後はボール球のスイング率が高まる。さすがに0-2では31.7%に留まっているが、1-2、2-2、3-2では2球に1球はボール球に手を出している。

中でも3-2では73.8%と高い。投手が四球で歩かせたくないためボールを置きにいくことも影響しているかもしれないが、それを鑑みても佐藤はフルカウントではボール、ストライクに関わらず振る可能性が極めて高いわけだ。

つまり、相手バッテリーは2ストライクを取れば、あとはストライクを投げる必要はない。極論すれば満塁でない限り、歩かせることも覚悟でボールだけを投げればいいのではないだろうか。

もちろん、投手のコントロールや心理的なプレッシャーなど様々な要素が絡み合うため簡単ではないが、警戒しすぎる必要はない。佐藤は1ストライクからストレートに対して打率.548、変化球に対しても打率.440をマークしているが、2ストライク後はストレートでも打率.135、変化球は打率.167とまさに別人だ。

あとは1ストライクからいかにして2つめのストライクを取るか。追い込みさえすれば、決して怖い打者ではない。

※成績は2025年8月6日終了時点

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記事:SPAIA編集部

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