佐藤優がイスラエルの現地で感じたこと「皆、ネタニヤフ首相に批判的」
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)7月10日の放送は、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が出演し、イスラエルに行って現地の人に話を聞いて感じたことを伝えた。
野村邦丸(パーソナリティ)「佐藤さんは7月4日からイスラエルに行ってこられました。どんな方々にお会いされたのですか?」
佐藤優「かつてイスラエル諜報特務庁(モサド)にいて、今はリタイアした長年の友人に会ってきました。日本では中東の話が大きく扱われてないですよね。でも、ちょっとハンドリングを間違えると第三次世界大戦になりかねない緊張があるんですよ。それが、日本やアメリカ、ドイツなどの新聞を読んでもよくわからない。それで現地に行きました。去年の10月7日にハマスのテロ攻撃によって拉致されて、戻っていない人質の家族や友人たちがブースを作っていてそこに行ってきました」
邦丸「どんな話をされたのですか?」
佐藤「集団農場をやっていて、7人連れて行かれて、5人は人質返還交渉で帰ってきたけど、成人2人が帰ってきていないという人に話を聞きました。その方は“私たちは政治の大きなことはわからない。とにかく返して欲しい”と言っていました。イスラエルの人たちにとってこの問題というのが、非常に深刻だと思いました」
邦丸「ネタニヤフ首相についてはどう思われていましたか?」
佐藤「私の知り合いはみんな批判的で、“なんで妥協できないんだ”と言うんですよ。“ハマスに拉致された人質を取り返すことが目的だろ。ハマスの条件を飲まないとダメじゃないか。ハマスの望みはイスラエルに捕まってるテロリストの釈放で、何人釈放してもよい。数百人でも数千人でもよい。それで人質を奪還するんだ”と」
邦丸「人質を奪還して、命の安全を確保すると?」
佐藤「そうです。その上で、復讐する。絶対復讐しないといけないというのは、市民を含めて全員言ってました。ですから、ネタニヤフのやり方だと人質も奪還できないし、ハマスも潰せない。もっと効率的に徹底的にやるためにネタニヤフじゃダメなんだ。こう言ってるわけです」