中央線グリーン車、東海道新幹線に営業車検測、万博アクセス列車でパレード気分 観光立国推進協で聞くJR本州3社2025年の針路
2025年がスタートして約3週間。3月期決算の折り返し点に当たる第2四半期までの業績をみれば、JR東日本、JR東海、JR西日本の本州3社はそろって4年連続で増収増益。コロナ禍によるマイナスを脱却して、成長軌道に復帰しつつあるようだ。
JRグループや主な私鉄の経営トップが一堂に顔をそろえたのが、2025年1月15日に東京都港区の東京プリンスホテルで開かれた11回目の「観光立国推進協議会」と「2025年観光関係者新春交流会」。推進協では、4月13日の開幕まで3カ月を切った大阪・関西万博を主催する2025年日本国際博覧会協会による万博イベントの説明などがあった。
会場などで聞いたJR本州3社の2025年の針路ワンポイントでは、JR東日本は3月27日にまちびらきを迎える「高輪ゲートウェイシティ」が最注力のプロジェクト。沿線開発では、東海道線(京浜東北線)大井町駅西側の「大井町トラックス」も2026年3月のまちびらきに向けて準備を急ぐ。
鉄道関係では、3月15日のダイヤ改正で中央快速線・青梅線でグリーン車サービスが始まる。グリーン車を組み込んだ列車が走るのは、中央快速線東京~大月間と青梅線立川~青梅間。グリーン車を連結するE233系電車は、1編成10両から12両に増結される。
JR東海は、東海道新幹線で新鋭・N700Sの追加投入を続ける。2024~2027年度に毎年度7編成、2028年度に6編成を新製し、全体で76編成体制とする。
26年度から投入する3次車の一部には、新規に営業車検測装置を搭載し、2027年から運用する方針だ。新しい検測システムで、引退する新幹線電気軌道総合試験車(ドクターイエロー)での検査を代替する。
JR西日本は、本社を置く大阪で開かれる万博をビジネスチャンスと位置付ける。主要アクセスルートの一つのJRゆめ咲線(桜島線)では、パビリオンのように楽しめる323系電車の車内空間演出「JRウエストパレードトレイン」が話題を呼ぶ。
客席側面の窓ガラスや運転室内に装備したカメラで撮影した、車両外の景色をLEDパネルに投影、AR(拡張現実)技術でパレード参加するオープンカーのような開放感を味わえるという。
記事:上里夏生