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松尾諭「すごく不思議な話」 筒井康隆原作の映画『敵』、主演の長塚京三を語る

文化放送

大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、1月22日の放送に俳優の松尾諭(まつお さとる)が登場。公開中の出演映画『敵』について語った。

大竹まこと「出演している映画の話です。『敵』というタイトルで、長塚京三さんが主演していて、原作が筒井康隆さん。吉田大八監督で、そうそうたるメンバーの中に松尾諭さんの名前があります」

松尾諭「そうですね。松尾貴史さんもいらっしゃいますけど(笑)。ダブル松尾で、はい」

大竹「まぎらわしいね」

松尾「助監督に松尾崇という方もいて、松尾にあふれる映画になっています」

水谷加奈「大好きなタイプの映画でした! 途中から、え、こうなるんだ、って。あまり言えないかもしれないけど」

松尾「すごく雑に説明すると『すごく不思議な話』。原作が筒井先生の本なので、(イメージは)SFじゃないですか。でもSFとも捉えられない、ジャンルレスな映画だと思います」

大竹「主演のフランス文学者の人が、それまでしていた連載を、出版社の諸事情で断られる。松尾さんの役は井戸を……?」

松尾「井戸を掘る役ではないんですけど(笑)。役どころとしては長塚京三さん演じる渡辺儀助という元・大学教授の教え子の役です。だからいろいろ御用聞きというか、たまに様子を見にくるとか」

大竹「使っていない井戸を直そうとするんだよね。直せば使えますよ、みたいな」

松尾「虚実入り混じった話なので、どこまでがそうで、どこまでがそうじゃないのか、というのが、見る人によってはすごく分かれます」

大竹「原作が筒井康隆だから」

松尾「一筋縄ではいかない」

大竹「映画化不可、みたいな作品を何本か書いているからね」

松尾「原作を僕も読んだんですけど、(映画化は)無理じゃないかと思いました。でもそれを吉田大八監督が、自ら脚本として書き起こして映像化した。全部モノクロ映画なんです」

大竹「はい」

松尾「モノクロというのも効いていて。白と黒しかないんですけど、その割にはカラフルですし。僕がモノクロの良さだな、と思ったのは、長塚京三さんの体全体にあるシワみたいなものが、角度によってすごくギラギラしていたことで。それがこの映画の肝じゃないかな、って。ストーリーはもちろんおもしろいですけど、そんなに難しく考える映画じゃなくて、長塚さん演じる儀助のありようを見る映画、といってもいいんじゃないかな、って」

大竹「長塚京三さんは現在79歳。共演なさって、いかがでしたか?」

松尾「僕の親とほとんど同じ年で。もともと格好いい、立ち姿もすごく紳士というイメージでした。でも今回の作品では77歳、もうトシじゃないですか」

大竹「ヨボヨボな感じがする人もいらっしゃる」

松尾「しっかりとお年を召されていて、しっかり召されている感じを余すところなくカメラの前で出していらっしゃる感じを尊敬しました。こうありたい、と。まったくタイプは違うんですけど、年をとったらこうなれればいいな、と思いましたね」

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