ワイルドなカカオの風味に圧倒! クラフトチョコで作ったデザートクレープ【神戸・塩屋】
本日の一品 > シオヤチョコレートの「クレープシュゼット」(神戸)
近年、センスのいい店が1軒、また1軒と誕生。映像作品のロケ地にも使われるなど注目を集めているのが、海と山が近い小さな港町、塩屋。今回は、神戸方面から海沿いを西へ走って、その塩屋エリアへ。フォトグラファーの吉村規子さんが、撮影で出合ったタブレットのおいしさが忘れられないというクラフトチョコレートショップ&カフェを取材しました。
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「クラフトならではの、ワイルドなチョコの風味に圧倒されるクレープです」(吉村規子さん)編集部の「これも食べたい!」
【水曜15時のあまいもん】とは?
関西の食に精通するライター、エディター、フォトグラファーなど“取材のプロ”たちが、ほんとは教えたくない関西の「推しおやつ」を、和洋問わずレコメンド。確かな目利きで選んだあまいもんは、どれもわざわざ足を運んで大正解の、ハズレなしのおいしさです。
「クラフトならではの、ワイルドなチョコの風味に圧倒されるクレープです」(吉村規子さん)
シオヤチョコレートの「クレープシュゼット」
チョコレート生地で作る「クレープシュゼット」1,210円。温かいグランマルニエのソースに冷たいアイスと、季節のフルーツがトッピングされます。
「取材で訪れた時に買って帰ったZAKUZAKUというチョコレートの、クラフトならではの、ちょっと荒々しい食感や風味がとても気に入って。最近、その自家製チョコを使ったクレープが登場したと聞いて、出向きました。クレープ生地そのものに練り込まれていて、力強いカカオの風味に圧倒されます」(吉村規子さん)
カカオ豆を選別、焙煎するところから作るクラフト(ビーン トゥ バー)チョコレート。その世界に惹かれ、独学で製造をマスターした福岡知宏さんが、縁あって塩屋にアトリエ併設のショップを構えたのが2019年のこと。当初はタブレットの販売が中心でしたが、近年はそのチョコレートを使ったデザートメニューにも力を注いでおり、2024年に登場して人気を集めているのが、チョコクレープです。
築60年超えの古民家を改装して誕生したアトリエ兼カフェ。まったく馴染みがなかったという場所に、福岡さんがオープンして6年目。いまや塩屋といえば、その名があがるランドマーク的存在に。
自家製のチョコレートGHANAを生地に混ぜて焼かれたクレープは、やや厚めでもちもちとした食感。クラフトチョコレートらしい力強いカカオの味わいが、しっかり感じられます。温かいグランマルニエのソースがかかるクレープシュゼットをはじめ、バターシュガーでシンプルに楽しむタイプもあります。
編集部の「これも食べたい!」
タブレット
左から、デザートメニューにも使っているガーナの豆で作る「GHANA」648円、GHANAと同じ豆を粗めに挽いて作った「ZAKUZAKU」648円、エクアドルの高橋農園から届く豆を使った「SACHA」810円。
クレープのおいしさを知ったら、こちらを買わずに帰る選択肢はありません。クラフトらしいパッケージに入った正方形のタブレット。いずれも、福岡さんはじめスタッフが、世界各地のカカオ農園から直接豆を仕入れて、店内のアトリエで選別し焙煎、カカオニブを取り出し、石臼で挽いてチョコレートに仕上げています。
加える材料は砂糖のみ。福岡さんは、豆によって焙煎や挽き方などを変え、できるだけ個性が出るように仕上げているそうです。エクアドルでカカオ農園を営む高橋力榮さんから仕入れた豆で作るSACHAは、やさしい甘さ。ガーナの豆で作るZAKUZAKUは、食べやすい味わいながら、石臼で挽く時間をあえて短くし、ザクザクとした食感を残した印象的な1枚になっています。
自家製チョコレートGHANAを使った「ホットチョコレート」660円
時のたつのを忘れてしまうかのような、静かで居心地のいい空間では、クレープのほか、テリーヌショコラやホットチョコレートなど、自家製チョコレートを使ったメニューが楽しめます。デザートに合わせたコーヒーや自家製コーラもスタンバイし、塩屋散歩には欠かせないスポットです。
教えてくれた人 吉村規子/Noriko Yoshimura
大阪生まれ、大阪育ちのフォトグラファー。主に女性誌やライフスタイルマガジンなどの撮影を手がけている。甘いもんはもちろん、おいしいものは分け隔てなくウェルカムな体質なので、フード関連の撮影の時はテンションが上がります。
DATA
シオヤチョコレート
兵庫県神戸市垂水区塩屋町4-10-14
TEL 078-797-5209
営業時間 12:00~18:00
定休日 火 ※他不定休あり
\from Editor/
近ごろ、よくその名を聞くようになった塩屋。訪れてみれば、なるほど、映像作品のロケに使いたくなるような雰囲気のある街でした。お店は海を背に、10分ほど坂を上ったところに。入口がわかりにくいにもかかわらず、平日でもお客さんが入れ代わり立ち代わり。チョコのおいしさと、そして、居心地の良さが人気のゆえんでしょうか。
※最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。
写真/吉村規子 文/齋藤優子 企画・編集/吉村セイラ