それ、実は美術の担当ではありません・・・映画装飾部の愚痴!
6月7日の放送は、映画装飾部の愚痴!
Eさん
今回メールをくださったリスナーの方。
61歳。業界に入ったのは1984年。
これまでに手がけた作品は……「映画 平成ゴジラvsシリーズ」「日本テレビドラマ 警視庁鑑識班シリーズ」「テレビ神奈川Etc ドラマ おいしい給食season1」「AMAZON ORIGINAL GOS」「NHKドラマ ふたりのウルトラマン」「映画 カオルの葬式」「映画 先生の白い嘘」などなど
Mさん
現在46歳。キャリアは18年。
これまでに手がけた作品は……「テレビ朝日ドラマ 東京タワー」「wowowドラマ ゴールドサンセット」「映画、ドラマ ゴールデンカムイ」「NHKドラマ 17歳の帝国」「映画 グッパイクルエルワールド」「映画 バイプレイヤーズ」「Huluドラマ マイルノビッチ」「NHKドラマ 伝説のお母さん」「映画 エキストロ」「映画 his」「NHKドラマ 透明なゆりかご」「NHKドラマ 夏目漱石の妻」「映画 殿利息でござる」などなど
E:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、映画装飾の仕事が全く知られておらず、美術と混同されがちなんです。
宮藤:そうなんですよね!これ、現場に行って見てると、美術さんと装飾部って違うんだなってのはよくわかるんですけど、改めて説明してもらっていいですか?
E:例えば、レストランのシーンがあるとしてテーブル、メニュー、貼紙、電飾、食べ物、靴、アクセサリーとか。衣裳・役者・壁・床・天井以外は、ほぼほぼうちです。
宮藤:そうなんですよね。
M:引っ越しで持っていくものは「装飾部」、持っていかないものは違う。
宮藤:ああ!なるほど!すごいわかりやすい!
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宮藤:いつも思うんですけど、なんで靴と時計は装飾部なんだろうって。持ち道具っていう言い方もしますけど。
E:海外は全部衣装部ですよね。
宮藤:そうですね。だって衣装トータルでコーディネートするじゃないですか。
E:最近、スタイリストさんによってはやるんですけど、多いのは、メインはやるけどその他大勢はうちになるっていう。これはこれで腹立つんですけどね笑
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E:食べ物もうちですからね。
宮藤:「消えもの」「フードコーディネーター」とか入りますけど、基本はそうですよね。
E:最近、フードさん入ってきてすごく助かるんですけど、結局フードさんも予算が限られているので、フードさんを使うほどでもないものがうちになるんですよ。コーヒーだけだとか、お酒やちょっとツマミぐらいだとうちになるんです。
宮藤:Eさん、「最近は衣装合わせが遅く、持道具担当者はほとんど寝ることができない状態で準備期間になっている」って、これ一般の人はわからないと思うんでわかりやすく教えてもらっていいですか?
E:昔は映画だと、1ヶ月前ぐらいには、ほぼメインキャストは決まって、衣装合わせをやって。それで、メインキャストは衣装合わせを2回ぐらいやったと思うんです。1回目はイメージ。2回目で決めて。ところが最近、俳優さんのスケジュールもあって、酷いのだと1週間前とか。衣装合わせがうまくいかないと、撮影中にも衣装合わせをして。そうすると寝る暇ないです。撮影しながらだと特に。
宮藤:もう1回ですよね、今基本ね。
E:キャスティングを早くするっていうのを当たり前にしないと。今、偉い人が現場経験していない人が多いからわかんないんですよね。用意できると思ってるんです。用意はできるけど、それは作品の質が落ちますよね。
宮藤:そうですよね・・・これみなさん!今、クッキリとした愚痴を聞いているっていう!
E:ヤバいですかね?
宮藤:大丈夫です!これはなかなか無いです!ラジオでこんな話が聞けるなんて!
E:あと、僕ら装飾部も、本当は衣装合わせに出たいわけですよ!だってそこで役者のキャラクターが決まっていく。でも、今ほとんど無理ですね。
宮藤:居ないですよね。
E:時間がないからです。すごい出たいんです。だけど写真だけ見るんだけど、本当はその場のみんなの会話とかが意外に大事なんです。雑談が。実は、映適の人にも言ってるんだけど、役者のスケジュールをおさえるというのを、項目に入れてくれと。
宮藤:ああ・・・役者のスケジュールが、撮影以外でおさえられていないって事だ。
E:結局ね、掛け持ちしている人が多いじゃないですか?
宮藤:役者でしょ?・・・はい笑
E:それは、俳優さんもかわいそうなんだけどね。せめて、メインキャストは掛け持ち禁止にしてって言ってるんですけどね。ちゃんとレポートも書いて渡していますから笑
宮藤:へえ!それ多分みんなの心の声だと思いますよ。
E:ただ、そのためには結局その俳優のギャラ上げなきゃいけないとか、予算なんですよね・・・