海外移籍を夢見るサッカー少年必見!英語はどうやったらうまくなる?森保ジャパンの選手も取り組む勉強法とは
SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」に、浜松市在住でサッカー選手向けの英語の教科書を出版した竹山友陽さんをお招きしました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さん(2025年3月18日放送)
鬼頭:日本サッカー界の将来を考える上で、必要不可欠なもの。それは語学ですよね。今回のゲストは、オンラインでプロサッカー選手に英会話を指導している竹山さんです。
ヒデ:今サッカー始めてる子供たちによーく聞いてほしいなと思います。
鬼頭:竹山さんの紹介です。1985年生まれ、浜松市在住。イギリスの大学でスポーツマネジメントを学び、現地でフットボールクラブを設立。2019年に日本に帰国し、オンラインでJリーグや海外クラブの選手を対象にサッカーに必要な英会話の指導をしています。その他にも、日本語と英語でサッカーを語るポッドキャスト番組をやっています。
ヒデ:イギリスに留学したきっかけって何だったんですか?
竹山:高校までサッカーをやっていましたが、卒業して何か違う道を行こうと思って、まずイタリアのペルージャに2年間ぐらい行きました。当時はイタリアのセリエAが一番かっこよかったので、大学に行かずに向こうに行って、現地の短期大学で2年間勉強しました。その後、メキシコに行って、東京で2、3年仕事をしてたんですけど、23歳ぐらいの時に本場のイギリスに行きました。
ヒデ:その頃には結構、英語も話せるようになってたってことですか。
竹山:いやロンドンに行った頃はまだ喋るのはそんなに得意じゃなかったです。
ロンドンでは3人でサッカークラブを立ち上げて運営していました。日本人のお子さんが多かったんですけど、最終的には6歳から大人までのチームを作りました。そうなると、外国人も半々ぐらいなので、日本語も英語もやらないといけないし、うまくまとめるのが大変でしたね。
ヒデ:アカデミーをつくるのがまずすごい。
竹山:公園で始めましたね、自分たちでゴールを組み立てて。現地でコーチングライセンスみたいなのも取得して。今もクラブはまだ続いていて、現在11部。日本の天皇杯のようなFAカップという大会の優勝を目指しています。
森保ジャパンの5選手に指導
鬼頭:今海外で活躍している様々な日本人選手に英語を教えているそうですね。
竹山:最近の静岡関係でいくと、伊藤洋輝選手がドイツに移籍してから連絡をいただきました。たまたま小学校も中学校も同じで「縁があるね。頑張ろう」と。シュツットガルトでプレーしていた時に、2年ぐらい毎週1回、オンラインで授業をしていました。ドイツでは彼が昼3時過ぎに、日本にいる僕が23時ぐらいで。いつも夜中に一緒にやるって感じでした。
ヒデ:ご自身でサッカーに特化した英語の教材をつくったんですか?
竹山:イギリスで出版してる教科書をずっと使ってたんですけど、それが絶版になってしまって、じゃあ自分で作ろう、作るからには英検5級ぐらいのレベルから作ってみようと。
初めはJリーグでプレーしていて海外移籍を目指す19歳、20歳ぐらいの選手を教えたいなと思ってスタートしました。でも、やっぱり向こうに行かないと、必要性が身に沁みない。
ヒデ:綾部(お笑いコンビ・ピースの綾部祐二さん)と一緒なんですよ。まず、行こうと。行こうっていう気持ちが大事。でも行ってみて、英語やっときゃよかったってなるんですよね。
どれぐらい頑張ればいい?
竹山:海外で活躍する選手って、大阪とか九州とか西の選手が多いですよね。コミュニケーション能力の高い選手がやっぱり馴染んでますよね。向こうにうまく馴染める選手を僕は「カメレオン」って呼んでます。環境に馴染んで、自分のキャラを変えて、なおかつ自分の長所を生かせるみたいな。「自分の長所を生かすために、とりあえず頑張ろう」って言って、1年ぐらいを目処に指導しています。
今の日本代表では伊藤選手のほかに、旗手怜音選手(静岡学園高出身)、関根大輝選手(静岡学園高出身)、谷晃生選手、町野修斗選手の5人。
ヒデ:選手間で口コミで広まってるんですね。いいビジネスを見つけましたねえ(笑)この教科書、いいとこ突いてるのが、オランダとかスペインとかナイジェリアとか、いかにも携わるであろう人たちの出身地を出してくれてるとこ。中学の英語で「彼女はナイジェリアの監督です」とか、そういうのを習うわけないじゃないですか。直結感があるんですよ。
竹山:これ3人で作っていますが、1人はしっかり真面目な人をメンバーに入れようと思って、私立の中学や高校で英語を教えてる先生に入ってもらっています。すごいきっちりした文章を書いてくれてるんですが、あんまり面白くないので、いつも僕がミーティングで「ここ変えてほしい」って(笑)みんなもうちょっと汚い言葉も使うんですけど、そのギリギリを突いた教材を作りたいなと思いつつも、まずは小中学生向けに作るからちょっと抑え気味で…。
ヒデ:ピッチ外でもコミュニケーションを取っていかないといけないからね。でも「彼女はユースの選手ですか」とか、日本の学校で習うわけがないですよ(笑)「選手に「これ必要な英語だろうな」と思わせてるところがすごい。
鬼頭:例文を見ると「私はサッカーがとても好きです」とか「彼らはボックス付近でファウルをしない」とか。
ヒデ:あとはスラングみたいなものも覚えて。長友佑都も言ってましたよ。「やっぱり最初はそこだ」ってね。でも、きっちりとしたことも教えるから、バランスがいいんだよな。
鬼頭:どのくらい頑張ったら喋ることができるようになりますか。
竹山:一応「ここまで頑張ろう」っていうラインがあります。「Amazonプライム」のドキュメンタリー番組で、マンチェスターシティやアーセナルなどプレミアリーグのシーズンを追った映像があるんですけど、それを字幕なしで見られるようになったらOKと。
ヒデ:僕が聞いたのは、英語で夢を見たら本物だって。
竹山:そうですね。選手も「夢で英語を喋ってました」って言ってきますよ。日記みたいなものを英語で一緒につけるようにしていて、それを日常的に言えるようになってくると「いい感じだね」となります。
日本語でも自分の考えてることを言葉に上手にできるタイプの選手は、やっぱりヨーロッパで生き残っていきます。J2、J3の選手を教えることがあるんですが、代表選手はやっぱり日本語でも考えてることを言葉にするのが、早いしうまい。
ヨーロッパのクラブは通訳を入れたがらない。選手は「最初は通訳がいてくれますよね」と思っているけれど、初めから入れないクラブが多い。クラブは最初に「その選手はどんな人間性か」を気にします。次に「いくら欲しいのか」と給料を聞いてきます。三つ目が「英語はできるか」と。やっぱり初めから言語は必要になりますね。
ヒデ:乾貴士も言ってましたけど、野球はベタ付きで通訳がいるじゃないですか。あれはやっぱりサッカーの世界では考えられないと。
プレー中の「任せろ」。英語で言うと…
ヒデ:今後は英語だけではなく、イタリア語も?
竹山:そうですね。イタリアはやっぱりどっかに好きな気持ちがあるので。イタリアは今はあんまり人気はないんですけど、選手に行ってほしいなっていう思いはありますね。
ヒデ:この教科書を見ていると「生きた勉強をしてるな」って思ってくれると思うんですよね。
鬼頭:意味がある1行ですもん、全部。
ヒデ:「これは机ですか」「いいえ、それは椅子です」そんなこと絶対言わないもん。「あれはマイクですか」「いいえ、トムです」とか。友達同士でそんな会話はしない。生きた英語を勉強してほしいな。あらためて大人になって勉強することも恥ずかしいことじゃない。海外サッカー好きの一般のサポーターの方も。
鬼頭:この教科書、去年販売になりましたけど、一般の方の購入方法は?
竹山:オンラインで購入できます。
ヒデ:今後のビジョンは?
竹山:この教科書、今「1」「2」があるんですが、「5」までつくる予定です。
鬼頭:英語嫌いな小中学生、高校生もめちゃくちゃ多いと思うんですよ。親御さんもぜひ息子さん、娘さんにお渡ししてみたら。
ヒデ:サッカー選手にならなかったとしても、英語は無駄にならないですもんね。プレー中の「任せろ」って英語でなんて言うと思います?これによると「マイン」ですって。