運動不足×認知症予防×コミュニケーション 一石三鳥のボール活用法
アクティブなシニアライフは健康から。フレイル予防に役立つ、ボール運動がいま注目されています。
楽しみながら体の衰えを防ぐには
健康寿命を延ばすためには、日常的な運動習慣の定着が欠かせません。
現在は超高齢社会の進行に伴い、フレイルが社会的な課題となっています。
フレイルとは加齢に伴う心身の活力低下のことで、健康と要介護の中間の状態(図参照)。
筋力や認知機能の低下、社会的孤立などから要介護状態へとつながっていく可能性があるため、早期の予防が重要です。
対策のための運動では散歩やランニング、フィットネスジムの利用などが一般的ですが、最近ではボールを使った運動が注目されています。
複雑な動きが脳を鍛えて活性化する
ボール運動には、投げる・取る・蹴る・打つといったさまざまな動作が含まれ、単調な運動とは違って予測や判断が求められるため、脳への刺激が大きいのが特徴です。
例えば、飛んでくるボールの軌道を予測してキャッチする動作は、空間認知能力や周辺視野を鍛える効果があり、視覚と脳の連携を活性化。
ボール運動は筋トレやランニングに比べイレギュラーな動きが多く、脳と体の連携が求められるのです。
ボールを介して人と関わり社会参加
複数人で行うことが多いボール運動では、自然な形でコミュニケーションが生まれます。
名前を呼び合いながらパスすれば、初対面でも打ち解けやすいでしょう。
運動をきっかけに地域でのつながりができ、孤独感の解消にもつながります。
ハードな運動には抵抗がある人でも、楽しんで取り組めるボール運動。健康維持・認知症予防・社会参加を同時にかなえることが期待され、今後はシニア向けの運動の選択肢の一つとなっていくでしょう。