ファミマ「あじさい」カップ麺のクオリティが爆上がり お店の味に超近付いてた...!
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百五十三回 ファミマル「函館麺厨房あじさい 味彩塩拉麺」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百五十三回目となる今回は、ファミリーマートのプライベートブランド「ファミマル」のカップ麺、「函館麺厨房あじさい 味彩塩拉麺」を紹介します。
ファミマでは名店再現系のカップ麺が多く出ていますが、「あじさい」もそのひとつ。これまでにも東洋水産製の「あじさい」カップ麺が定期的に登場し、店頭に並んできました。
「函館麺厨房あじさい」は函館ラーメンの名店
「函館ラーメン」は「札幌ラーメン」や「旭川ラーメン」とともに北海道の三大ラーメンと称されるご当地麺。
函館はその中でも港町として長い歴史があるため、ラーメンが早くに伝来し親しまれてきた土地だと言われています。
今回レビューする「函館麺厨房あじさい」は、その函館でも人気のある名店。
札幌や新千歳空港にも支店があるため、北海道旅行の際に訪れることが比較的容易で、函館ラーメンと言えば「あじさい」という人も多いのではないでしょうか。
「あじさい」はカップ麺としてもおなじみで、サークルKサンクスの時代から恒例商品として定期的に登場しています。
これまで発売されてきた「あじさい」カップ麺の多くは油揚げ麺を使用したタテ型カップだったのに対し、今回はより本格的なノンフライ麺を使用したどんぶり型。
函館ラーメンは豚や鶏がベースの澄んだ塩味のあっさりスープが特徴ですが、「あじさい」のラーメンはお店独自の特徴もあり、どんぶり型カップで登場した今回はその特徴がどう再現されているのか気になるところです。
ファミマル「函館麺厨房あじさい 味彩塩拉麺」の内容物
「函館麺厨房あじさい 味彩塩拉麺」の内容物は、別添袋が4つ。
かやくが2袋に分かれており、メンマがレトルトなのが今回のカップ麺の売りのひとつになっています。
カップにはあらかじめ麺のみが入っていました。
別添袋4つのうち、「かやく」袋のみが先入れ。
「かやく」にはチャーシューとネギが入っています。
ファミマル「函館麺厨房あじさい 味彩塩拉麺」食べてみた
出来上がったのはポークベースの澄んだ塩味のスープ。豚脂などの油脂を浮かせた豚鶏ベースの塩味で、昆布や魚介のだしを加えています。
基本あっさり系の塩味ですが、豚の旨みが厚く油脂も多めでこってり感も併せ持ったこっさりスープとなっています。
函館ラーメンらしく豚の旨みが厚く昆布の丸みが感じられ、胡椒のパンチで輪郭が整えられていました。
「あじさい」の実店舗でスープを味わうと、ほのかな生姜の風味やネギ油のような香りが特徴的なのですが、今回のスープでも生姜やネギの風味が感じられ、お店のスープの雰囲気がしっかり再現されています。
従来の油揚げ麺を使用したタテ型カップでは、スープに油揚げ麺の雑味が溶け出すため、スープの繊細な部分を表現し切れていないところがありました。
今回は雑味の少ないノンフライ麺を使用することで、豚だしや油脂のこってり感から生姜やネギの風味といった繊細な部分まで感じ取ることができます。
明らかにスープの再現性が向上していました。
レトルトのメンマにこだわりを感じる
麺は、湯戻し時間5分の中太でストレート形状のノンフライ麺。
麺表面につるみがあり弾力強めの多加水麺食感ですが、東洋水産の看板商品「正麺カップ」でよく使われる麺より多少歯切れがよく、ゴリゴリの多加水麺に比べて上品な食感となっています。
お店の麺はひとまわり細くて多少縮れがついているので、今回の麺は必ずしもお店の麺を忠実に再現しているわけではありません。
それでもスープとの相性は良く、スープの邪魔をせず繊細な風味まできちんと感じ取ることができました。
具のチャーシューはちょっと薄めですが大きくて脂身がないタイプ。ネギは色鮮やかです。
目玉はレトルトのメンマで、量も十分。
お店でも大きくて力強いメンマが入っていて、今回チャーシューよりもメンマに力を入れてきたのはお店のこだわりを感じられる部分でした。
ノンフライ麺で「あじさい」の味を楽しめる
香ばしくてカップ麺らしい風味になる油揚げ麺を使用した商品もおいしいですが、今回のように名店再現系カップ麺でノンフライ麺を使用することで、お店の味の再現性が格段に高まります。
ノンフライ麺を使用した本格カップ麺であることの代償として税込で320円というカップ麺としては高額な設定になっているものの、お店の雰囲気を手軽に楽しめるのなら高くはない選択肢ではないでしょうか。
筆者:オサーン
カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 X(@ossern)