75歳以上のばあちゃんたちが働く喫茶店「ばあちゃん喫茶 春日ぶどうの庭店」【福岡県春日市】
いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」や「ネオ喫茶」と呼ばれるお店。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。この記事では福岡にあるそんな「レトロを感じられる喫茶店」や個性的な喫茶店・カフェをご紹介していきたいと思います。
「ばあちゃん喫茶」は春日市須玖の「ぶどうの庭」で毎週土曜のみ営業
今回ご紹介する「ばあちゃん喫茶」が営業をしているのは福岡県春日市須玖にある「春日市まちづくり支援センター ぶどうの庭」の中。
天神方面からだと、県道31号線「井尻六ツ角交差点」から県道505号線(なぎの木通り)を春日方面へ進んだ、左手の住宅地の中にあります。
少しわかりづらいので、地図アプリなどを参照してみてくださいね。
建物の壁面にはかわいいイラストが描かれており、ノボリもはためいています。
こちらが建物の外観。
ここはもともと「須玖保育所」があった場所で、保育所の移転後、空いた建物がまちづくり支援センターとして活用されているんです。
かつて保育所の庭だった一角には、テーブルが置かれたガーデンスペースもあります。
こちらが営業日の毎週土曜だけ出現する「ばあちゃん喫茶」の看板です。
さて、靴を脱いでシェアルームの中へと入ってみましょう!
保育所だったころの名残が残る店内空間
こちらが店内。板張りのフロアには2人掛けのテーブル席が5台置かれています。
通園バッグを置いていたであろう大きな棚や、網戸が入った木の窓枠など、所々に保育所の幼児クラスだったころの名残が残っています。
椅子やテーブルからはちょっぴりクラシカルな雰囲気も漂っています。
ベビーチェアも完備されているので、小さなお子さん連れでも安心ですね。
奥の壁面は、手作り作家さんの作品などを販売する「はるくり」と名付けられたチャレンジショップとして使用されています。
「ばあちゃん喫茶」について
画像出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000148865.html
「ばあちゃん喫茶」は、週替わり店長&週替わりランチが特徴の地域のばあちゃんたちの手料理が楽しめるお店。
「週替りランチ(950円)」などの手作りメニューを提供し、ばあちゃん喫茶で働く地域のばあちゃんたちを通じて先人たちの知恵や知見、経験や人生をお客さんの子ども、孫世代に伝えていくことを目指しています。
そんな「ばあちゃん喫茶」の特徴として、4つのポイントがあります。
■地域でじいちゃんばあちゃんたちが活躍する場!
地域のじいちゃんばあちゃんたちが近くの地域内のばあちゃん喫茶で働き活動する、活躍する。
じいちゃんばあちゃんたち高齢者の可能性を示したい。
教育と教養が大事。
きょういくとは、今日行く場があること。
きょうようとは、今日の用事があること。
■今までに無かった新たな接点の場を創る!
若者もファミリーも子どもから高齢者までビジネスマンも企業もお客さんとして集う場。
ばあちゃん喫茶で働く地域のじいちゃんばあちゃんを通じて先人たちの知恵や知見、経験や人生をお客さんの子供、孫世代に伝えていきたい。高齢者と多世代との架け橋に。
■介護を受けていても認知症になっても役割がある場!
高齢だから、介護を受けているから、認知症だから、だからといって何もやれないわけじゃない。役割をつくること。相手を喜ばせること、お客さんを喜ばせることができればビジネスになる。
■空き家の利活用!
空き家問題の課題解決の一つとしてのばあちゃん喫茶。地域に眠っている空家やスペースを有効活用していく。
「ばあちゃん喫茶」を運営する「うきはの宝株式会社」とは?
「ばあちゃん喫茶」を運営するのは「うきはの宝株式会社」。
2019年10月に設立され、超高齢化の進む日本でおばあちゃんたちが働くことで「生きがい」と「収入」を得ることができる、75歳以上のおばあちゃんたちが働く会社です。
ばあちゃんたちの働く仕事と働く場創りを提供しており、ばあちゃんたちが経済活動をしながら健康寿命を伸ばし、高齢者が楽しく適度に働くことで医療費や社会保障費の削減になるような取り組みを目指し、この活動を全国に広めていらっしゃいます。
※「ばあちゃん喫茶」の情報は、うきはの宝株式会社のホームページをご確認ください。
https://ukihanotakara.com/
■なお、「うきはの宝」については、過去のフクリパ記事でもご覧いただけます。
「ばあちゃん食堂」を運営するうきはの宝代表・大熊充さんに聞く!高齢者と地域でビジネスを成功させるコツと秘訣
https://fukuoka-leapup.jp/biz/202111.372
店内の一角では「うきはの宝」が発行する自社メディアの月刊紙「ばあちゃん新聞」も販売されています。
■「ばあちゃん新聞」については、こちらのフクリパ記事をチェック!
75歳以上のばあちゃんが働く会社「うきはの宝」が、ばあちゃんたちの知恵とパワーがつまった “ばあちゃん新聞”を2023年11月に創刊!
https://fukuoka-leapup.jp/tour/202309.13966
そのほか、ばあちゃんたちが製造するヒット商品「密な干し芋」やばあちゃんビジネス本も販売されていました。
「ばあちゃん喫茶」で味わえるのは、マニュアルのない「本物の家庭料理」
メニューは「週替り定食」(950円)がメイン。
そのほかコーヒーや紅茶(各400円)もありますよ。
この日の「週替り定食」は週替り店長「みぃばあ」さんの、お母さん直伝のオムレツとニンジンピラフ、蒸した春キャベツのオリーブオイルあえ、新たまねぎとほうれん草のソテー、水菜とツナの和え物、そしてレタスとベーコンのスープといった構成。
みぃばあ店長おすすめの「お母さん直伝のオムレツ」は、コロッケの具材を薄焼き卵で巻いたもの。昔のオムレツはこんな感じだったそうです。
味付けも一般的な飲食店より薄味の体にやさしい味付けで、まさにこれぞ「家庭の味」!
また、特定のマニュアルやレシピなどは存在しておらず、メニューは「店長が作りたいもの」を提供しているんだとか。
時にはお客さんのリクエストにも応えたりするそうで、そんなゆるさも「ばあちゃん喫茶」の魅力なのです!
ランチを食べながら、スタッフやお客さん同士で交流するなど、なんともなごやかな雰囲気に包まれていましたよ。
最後に写真を一枚。左から「うきはの宝」代表の大熊充さん、週替り店長の「みぃばあ」さん、そして新たな店長となる「ようこばあちゃん」。みなさん素敵な笑顔です!
ばあちゃん喫茶に行く前には予約を忘れずに
ばあちゃん喫茶は15食限定のランチを予約のみで提供しています。
行かれる際には、上記の公式LINEのQRコードより予約してくださいね。
「ばあちゃん喫茶」は、今回ご紹介した「春日ぶどうの庭店」を皮切りに、「福岡市城南区梅林店」、5月頃には介護事業所 なごみの家と連携した「福岡市早良区URしかた団地店」がオープン予定など、今後も福岡県内で続々とオープンしていくそうですよ。
この素敵な取り組みが、福岡から全国に広がっていけば良いですね♪
ばあちゃん喫茶 春日ぶどうの庭店
■住所:福岡県春日市須玖北5-155
■TEL:092-589-3388
営業日:土曜
■営業時間:11:30~15:00
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