いよいよ滝見台までの遊歩道が開通【落差日本一の滝・称名滝】見るなら最大水量の今!落差500mの幻の滝にも注目
落差は東京タワーよりも高い350m!
日本一の滝・称名滝を見るなら夏前の今がオススメ
日本一の落差350mを誇る富山県立山町の称名滝。
滝つぼの近くの滝見台まで行ける遊歩道は例年4月下旬から散策が楽しめますが、2025年シーズンは積雪が多かったため、安全確保の理由から開通したのは車で行ける称名平駐車場まで。遊歩道部分は安全確保の理由から約1か月遅れて5月29日(木)の開通となりました。
四季折々の渓谷美を楽しむことができる称名滝ですが、雪解け水が多い5月から7に月ごろにかけては水量が多く、特に迫力満点。岩をも砕く荒々しい流れと新緑を楽しみたい方はこの季節をお見逃しなく。
日本一の落差は4段構成!?
今でも岩を削り、変化し続けている巨大な滝
世界でも有数の豪雪地帯に降り積もった雪解け水が岩盤を削り、切り立った峡谷から一気に350m流れ落ちる姿は大迫力。
日本3名瀑として名を馳せる日光の「華厳の滝(落差97m)」、和歌山の「那智の滝(落差133m)」をはるかに超える落差350m。東京タワー(333m)よりも高いところから流れ落ちています。
下から見上げると1本に見える称名滝は、実は4段構成。
1段目が70m、2段目が58m、3段目が96m、一番下の4段目が126mと、折り重なるようになっています。
最近では4段目の途中で水が跳ね上がる様子が確認できるようになっています。
まだ滝つぼが確認できるなどの明確な段差ではないですが、今後、岩が削り取られるなど、地形が変化すると5段と評価される可能性も十分。
ちなみに、滝を流れ落ちる水量は毎秒およそ2t。大雨の時は毎秒100tを超えるとも言われています。
落差が大きい分、それだけの水量が流れ落ちることで地形に与えるパワーも膨大。刻一刻とその姿は変わっていて、上から3段目に新たな滝壺ができつつあるという最新の調査もあります。
長い時間をかけて変化している大自然の躍動を体感してください。
水量が多い時だけ出現! 落差500mの“幻の滝”
さて、さんざん「落差が日本一の称名滝」と言ってきましたが、実は称名滝を超える落差500mの滝があるんです。
それが、称名滝の右隣に水量が多い時だけ出現する「ハンノキ滝」。
雪解け水が多く流れ込む5月から7月ごろのシーズンや大雨で水量が増えた時だけ見ることができるため、「幻の滝」とも言われています。
ただし、そんな理由から正式な「滝」としては認められておらず、落差500mでも「日本一の滝」ではありません。
とは言っても、称名滝とハンノキ滝が作り上げるV字の絶景は、間違いなく日本一のスケール。
称名滝を見にいくなら、絶対にこのシーズンがオススメです。
遊歩道をラクに移動できる「折り畳み電動カート」も
駐車場のあるレストハウスから滝見台までは約1km。壮大な自然の絶景に圧倒されながら遊歩道を散策するのも楽しみのうち、ではありますが…勾配もあり、なかなか気軽に行けるスポットではありません。
歩くのはちょっと…という人にオススメなのが、「折り畳み電動カート」。
免許不要で、誰でも気軽に利用できます。
レンタル場所は、立山観光案内所。折り畳み式で持ち手を引いて転がすこともできるので、マイカーやタクシー、称名滝までのバスに積み、称名滝の駐車場まで持ち運んで利用することができます。
折り畳み電動カートレンタル/JOY cart ジョイカート〈MOBILE-Xplus〉
期 間:2025年4月15日(火)~2025年11月中旬
時 間:9:00~12:00 または 12:30~15:30(2部制)
場 所:立山町観光協会立山観光案内所(立山駅/立山町芦峅寺字ブナ坂42)
料 金:3000円 デポジット1000円(返却後に返金されます)
予 約:専用ページもしくは電話で事前予約 ※当日空きがある場合のみ当日申込可
電 話:076-462-1001(月~金曜 8:30~17:15、土・日・祝 9:00~15:30)
立山観光案内所では、電動キックボードや電動アシスト付きマウンテンバイクのレンタルも行っています。こちらは、遊歩道の手前までの利用が可能です。
▽折り畳み電動カートレンタルの詳細はこちら
称名滝まで…約1kmの遊歩道の楽しみ方
滝が作り上げた500mの岩壁も圧巻
称名滝があるのは、3000m級の山々が連なる北アルプスの立山を源流とする称名川です。
称名滝が「4段から5段に変わりつつある」と書きましたが、同じように岩を削り取るパワーによって滝自体が1年に約10cmほど上流方向に後退していると考えられています。
つまり、100年前には10m、1万年前には今より1kmも下流に称名滝があったというわけ。現在の称名渓谷は、称名川が10万年の歳月をかけて10kmもの大地を削って形作られたと言われています。
そんな長年の地形の変化を観察、体感できるのが、称名滝展望台へと向かう道の途中にある「悪城の壁」。
高さ500mもの垂直に切り立った岩壁が、およそ2kmにもわたって続いています。人を寄せ付けない断崖絶壁は、称名滝が渓谷を削ってきた痕跡。
人間の想像をはるかに超えるようなダイナミックなスケール感には圧倒されます。
晴れていてもレインコートを忘れずに!
また、称名滝を見に行く際に注意したいのが服装。
最寄りの駐車場やバス停から称名滝展望台までは約1kmのゆるい上り坂を歩いて行く必要があるため、歩きやすい服装と運動靴がオススメです。
さらに、晴れた日でも見る場所や風向きによっては滝の水しぶきを全身で浴びることになるため、レインコートがあると安心です。
滝つぼから風が吹き付けるため、傘が役に立たない場合もしばしばです。ご注意くださいね。
立山町観光協会:076-462-1001
立山町商工観光課:076-462-9971