加藤和樹、ツアーファイナルのオフィシャルレポートが到着 47都道府県公演を含む20周年公演5タイトルを発表
加藤和樹が7月9日にKT Zepp Yokohamaにて、『Kazuki Kato Live "GIG" Tour 2025 〜STILL GO !〜』ファイナル公演を開催した。本記事では、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。
加藤和樹が『Kazuki Kato Live "GIG" Tour 2025 〜STILL GO !〜』、7月9日KT Zepp Yokohama公演をもってツアーを完走し、2026年に47都道府県公演を含む20周年公演5タイトルを発表した。
今回、各地でツアーを重ねてきて、ファイナルとなる横浜公演では、夏のツアー定番「Beach」での客席に向けた水鉄砲演出がNGになったため、事前に急遽『断捨離・ダイエットコース』を用意していますというアナウンスがされていた。
普段の加藤和樹ライブはタオルでの二の腕体操やジャンプなどアグレッシブなセットリストになっており、観客が1キロから1.5キロくらい痩せた人が続出と言われており、今回さらにこの発表に体力を十分につけて臨む観客が多数いたという。
KT Zepp Yokohamaの開演前のフロアにはまだかまだかと漂う期待感の中、照明がゆっくりと落ち、まるで海の底にいるような静かで荘厳なSEが場内を包み込む。そしてステージにはThe Drasticsのメンバーに続き加藤和樹が登場し、1曲目に届けられたのは「君とずっと」。観客は早くもその歌声に引き込まれていった。
その後、静寂の中「Kazuki Kato Live "GIG" Tour 2025 STILL GO ! へようこそ!」の第一声を皮切りに「Tell Me Why」「Legend Is Born」とアッパーチューンが畳みかける。荒々しくも緻密なバンドサウンドと、加藤の圧倒的な存在感が絡み合い、まるで加藤和樹というフロントマンを擁したバンドのライブを見ているような一体感。そのバンドとしてのパフォーマンス力こそが、加藤和樹のライブの真骨頂だ。
「来たぜ横浜!ファイナルです!盛り上がる準備はできてるか!」
それに応えるように会場が湧く。
今回のツアーは、仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡、そして横浜と、全国7都市で開催。初日の仙台公演からすでに、その完成度の高さは際立っていて、ツアー初日の独特の緊張感が漂う中でも、バンドの音は回を重ねるごとに勢いを増し、とても初日とは思えない唯一無二の熱狂を生み出していたのを思い出す。
そして、MCでは各公演、冒頭のMCでは必ず、6月から続く猛暑を受けてファンに必ず水分補給を促し「少しでも具合が悪くなったら遠慮なく言ってください。」と観客への配慮を欠かさない。そこには、ステージと客席の境界を越えて“ひとつの空間”を共有しようとする真摯な姿が常にあったが、そんな姿勢はファイナルの横浜公演でも変わらない。
「今日は外の気温よりもさらに熱くなると確信しています!」
「最高のバンドを紹介させてください!The Drastics!」
加藤はそう言ってメンバー一人ひとりを丁寧に紹介し、深い信頼と絆で結ばれたバンドとのステージであることを観客に印象づける。
「今年はデビュー19年、来年迎える20周年へ向けたツアーファイナルにしたいと思います!」
そう告げた後に披露されたのは「I’ll be there」。ミュージカル『フランケンシュタイン』で怪物を演じた事での想いを綴った一曲。そして「Venom」に続いたのは「セイテンヘキレキ」。これは混乱や不安が渦巻く今の時代に、命の本質を問いかけるような力強さを持った曲で「それでも生きろ」と静かに優しく、そして確かに背中を押してくれる一曲。
その後のMCでは
「最高の景色だな!」
「今回のセットリストは勢いのあるものにしたいと思っていました!」
そして横浜がファイナルになった想いを語り、全国から来てくれたファンへの感謝を述べ、6月にリリースされたニューシングル「Chocolate」を披露。曲としてはその“スイートさ”に焦点が当たる一曲だが、ライブで体感するとまた印象が変わり、リズミカルでグルーヴが心地よくダンサブルな楽曲である事が際立つ。自然と身体が揺れ、思わずリズムを刻んでしまうような楽曲だ。
その後も「Faith」「東京ダイヤモンド」と続き、加藤が一度ステージから姿を消したかと思えば、新たな装いで再登場し、シングル「Chocolate」に収録され、ツアーのタイトルにも冠されている「Still Go!」を披露。振り付けも相まってステージと客席の垣根がなくなり一つになる。このツアーで初披露された楽曲であるにも関わらず、今後のライブでも欠かせないライブチューンになっていくことは間違いないだろう。
続いてイントロが始まった瞬間に歓声が上がり会場の熱気が一層ヒートアップした「Fleming Ice」。さらに「DRIVE ME WILD」では観客とのコール&レスポンスが巻き起こり、フロアが一体となって沸き立つ。そして、加藤自身が“推し”への想いを込めて作ったラーメン愛マシマシな推し活ソング「マシマシLove Call」から「灼熱フィンガーでFEVER!」へと雪崩れ込む展開に。「灼熱フィンガーでFEVER!」は横浜公演のみの披露だが、バンドメンバーであるDORAもギターを置き、登場したライブスタッフと共に熱狂と高揚感に満ちたパフォーマンスで会場を包み込んだ。
「まだまだいけますか!横浜!」
「飛ぶぞ!「Blue Monday!」」
この曲で ステージもフロアもジャンプの嵐に包まれた後は、夏に相応しいアッパーチューン「BEACH」へ。加藤が「痩せていけよ!夏が来るぞ!」と叫ぶと、会場全体が笑顔でタオルを振り回す、この曲ならではの風景が広がっていく。さらに「次は左手だ!」と煽ったその後、加藤がまさかのステージから飛び出し観客フロアの中へと突入する予想外の展開に、会場のボルテージは最高潮に。改めて『断捨離・ダイエットコース』とはこの事だったのかと実感する。
その後もまだまだアッパーチューンが続き「HERO」、「飛べ!横浜!」と「Shining Star」を立て続けに披露。歓声がフロアいっぱいに広がる中「今日はみんなありがとう!ラストはこの曲!」と加藤が告げて始まったのは、昨年行ったライブ「Count Down KK 2」でも人気上位に選ばれた「Answer」。まさにエンディングにふさわしい盛り上がりを見せてステージは終了。
しかし当然のように巻き起こるアンコール。観客の想いが会場を包む中、再びバンドメンバーとともに加藤が登場する。
「アンコールありがとう!」という言葉と共に、CS衛星劇場でこの横浜公演に加えて5夜連続の放送がある事、来年迎える20周年に、4月29日のファンクラブイベントを皮切りに、全都道府県にて1人御礼行脚を行う事など、5タイトルの公演を行う事を発表した。
その後「まだ腕は上がるか!」と「Ultra Worker」で再びタオルがフロアを席巻した後に披露するのは久しぶりとなる「夢追人」。そしてこのツアーファイナル公演の最後に届けられたのは「REbirth」。会場にいるすべて人が、ツアー終わってしまう寂しさを感じつつも笑顔でこの曲を染み込ませる。
「また全国で会いましょう!」
すべての曲を終え、バンドメンバーとともにステージ前方へと並び、ファンに向けて深く感謝を伝える。そしてメンバーが退場した後、ステージには加藤一人が残り、マイクを使わずに発せられた生の声で「20周年、一緒に楽しみましょう!ありがとうございました!」と感謝を述べ、観客席からは拍手が沸き起こり、ツアーファイナルという特別な夜は、温かな余韻とともに幕を閉じた。
加藤和樹は今回のツアーを経てまさに「Still Go!」(まだまだ行ける!)と、いよいよ20周年イヤーへと走り出す。
撮影=源 賀津己、宮川舞子