マックスマーラがファーフリーを発表 子会社でも毛皮不使用に
ファーフリーを求める人々の声を受けて
イタリアで誕生し、セレブリティも愛用することで知られるファッションブランド、マックスマーラ。世界105か国に2500以上の店舗を有する同ブランドは先日、今後のコレクションで毛皮を使用しない方針を明らかにした。MMFGグループ(マックスマーラ・ファッション・グループ)と子会社すべてで、この方針を実施する。
近年、世界の多くのファッションブランドが毛皮を使わない「ファーフリー」を明らかにしている。しかし、マックスマーラは世界規模で展開するラグジュアリーブランドで、まだファーフリーの方針を示していないブランドのひとつだった。
そのため、世界35か国以上の50以上の動物保護団体の連合である「ファー・フリー・アライアンス」は、2024年のニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリのファッションウィーク中に、マックスマーラに対してファーフリーを求める大規模なキャンペーンを行った。
「ファー・フリー・アライアンス」が行ったキャンペーンでは、「Msx Mara Go Fur-Free」と大きく書かれた気球が飛ばされた。
このキャンペーンでは、27万通を超えるメール、5000件以上の電話、さらに多数のSNSの投稿があり、大きな反響を呼んだという。それだけ世界中からファーフリーを求める声があったことから、マックスマーラは今回の方針を採用するに至ったようだ。
これまでマックスマーラでは、ミンクの手袋、袖口にキツネの毛皮をあしらったもの、タヌキの毛をキーホルダーにしたものなどを販売してきたが、2024年秋冬コレクションからそれらの毛皮アイテムは姿を消すことになる。
ファーフリーを宣言したブランドは1500以上
これまでにファーフリーの方針を明らかにしたファッションブランドは、1500以上になる。ラグジュアリーブランドでは、ドルチェ&ガッバーナ、サンローラン、ヴァレンティノ、プラダ、グッチ、ヴェルサーチ、アレキサンダー・マックイーン、バレンシアガ、アルマーニなどだ。
また、イタリアのほか、オーストリア、ベルギー、フランス、アイルランド、オランダなど、多くの国が毛皮の養殖を禁止。イスラエルや米国の一部州などでは、毛皮の販売を禁止している。
今回のマックスマーラの発表は、このようなファッション業界全体のファーフリーへの動きに沿ったものだ。
毛皮の取引のためには、動物たちが身動きのとれない狭いケージで飼育され、最終的には殺処分されるケースが多い。私たちは、華やかなファッション業界の裏側で起きているそのような事実を知り、毛皮を使わないアイテムを選んだり、ファーフリーの方針を示すブランドを支持したりするべきだろう。
※参考
Max Mara Fashion Group announces fur-free policy|Humane Society International