生後11か月で誘拐された2歳児 1年2か月後、母を認識できず誘拐犯にしがみつく(印)
生後11か月の時に誘拐されたインドの男児(2)が先月末、1年2か月ぶりに警察に保護された。男児は母親に引き渡される前、誘拐犯の男にしがみつき泣いて離れようとしなかったそうで、当時の動画がSNSに投稿されて注目されている。印ネットメディア『The Indian Express』などが伝えた。
【動画】誘拐犯にしがみつき離れようとしない男児、母親に引き渡されるも…
昨年6月14日、インド北西部ラジャスタン州の州都ジャイプールで、当時生後11か月だったプリトヴィ君(Prithvi)が自宅前で遊んでいたところ、男ら数人に連れ去られた。
主犯はインド北部ウッタル・プラデーシュ州警察の巡査長だったタヌジ・チャハール(Tanuj Chahar、33)で、仲間4、5人とともにプリトヴィ君を誘拐した。そうしてタヌジはプリトヴィ君と一緒に各地を転々とし、最後は、プリトヴィ君の自宅から約200キロ離れたウッタル・プラデーシュ州ブリンダーバンのヤムナー川近くで、ヒンドゥー今日の行者(サドゥー)に扮し隠れるように暮らしていた。
当局は先月27日、タヌジの居所を突き止め、同州アリーガルで身柄を拘束し、誘拐から1年2か月ぶりにプリトヴィ君を保護した。
印ネットメディア『News18』によると、実はタヌジはプリトヴィ君の母親Aさんのいとこで、2人とも結婚していたにもかかわらずタヌジが思いを寄せ、ジャイプールで一緒に住んでいたことがあったという。しかしながら親戚の強い反対にあったことで2人の関係は終わりを迎え、その間にプリトヴィ君が誕生したそうだ。
ところがタヌジはAさんのことをどうしても忘れることができず、「プリトヴィは自分の子に違いない。彼を誘拐すれば、Aさんが戻って来るのではないか」と考えて犯行に及んだ。
一方でAさんは、タヌジとよりを戻す気は全くなく、ジャイプール警察に誘拐事件として届けを出し、州警察はタヌジを停職処分としていた。そこでタヌジは電話番号を変えたり居場所を転々として行方をくらませていた。
タヌジを逮捕する際、警察官数人はサドゥーに扮して近づいたそうで、拘束されたタヌジにはその後、警察署でプリトヴィ君との最後の面会が許可された。
そして当時の様子は、ジャーナリストのリシャブ・ラージプート氏(Rishabh Rajput)がXに投稿し、大きな反響を呼んだ。
動画では、プリトヴィ君が安心した様子でタヌジに抱っこされているのが見て取れる。ところが警察官がタヌジから引き離そうとすると、プリトヴィ君はタヌジにしがみついて背中を向け、声を上げて泣き始める。
それを見たタヌジはグッと涙をこらえているように見えたが、警察官はプリトヴィ君を無理やりタヌジから引き離し、外で待つAさんのもとに連れていく。プリトヴィ君は外に向かう間、体をよじり大声で泣いており、1年2か月ぶりに対面したAさんに抱っこされても全く認識できていないようだった。それどころか、Aさんの体を手で押すようにして拒絶し、ラージプート氏は「非常に複雑な状況である」と指摘していた。
ちなみに親子関係を複雑にする誘拐事件は1998年、米フロリダ州でも起きていた。病院から赤ちゃんを誘拐した女が逮捕されたのは2017年のことで、小さかった女の子はすでに18歳になっていた。
画像は『ABP Live「Jaipur Toddler Refuses To Leave Kidnapper Cries Uncontrollably After Police Rescue In Viral Video」(X/@_RishabhRajput)』『The Indian Express 「Jaipur toddler clings to abductor after 14 months of captivity both cry during separation post arrest」(@_RishabhRajput/X)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)