<ワタシ、子連れ様!?>3歳の娘と観劇へGO!「約束守って静かに座ってようね?」【まんが】
私はカズハ(30歳)。このたび夫の転勤で、地方から都市部に引っ越しをしてきました。これまではどこへ行くにも車移動が当たり前だったため、電車やバスなど公共交通機関での移動になかなか慣れません。おまけにどこも人が多い! 出かけるのも疲れてしまいます。そんな私たち大人よりも、環境の変化に順応しているのは娘のミライ(3歳)でした。毎日元気に幼稚園に通ってくれているので、ありがたいです。
3歳の娘ミライは近頃なんにでも興味津々です。とくにドハマりしているのがプリンセスものや女の子向けの変身アクションもの。とにかくキラキラしたものが好きな様子です。ミライがテレビに映ったミュージカルに夢中になっていました。
ミライが嬉しそうに指をさしたのは、とあるミュージカルの特集番組でした。
調べたら観に行きたいミュージカルは3歳以上から観劇可能のようです。本物のミュージカルの素晴らしさを知ってもらいたい。なんだか情操教育によさそうな気もするし……! 都市部に引っ越してきたからこそいきやすいと胸が高鳴ります。
実をいうと、私もこのミュージカルを観てみたかったのです。
きっと土日は混雑しているはず。平日幼稚園をお休みして観にいくのがいいでしょう。緊急時のために通路に近い席を選ぶとして……。でもせっかくなら前のほうのいい席に座りたい! ちょっとお値段張るけれど、ココにしよう! 早速チケットを購入しました。
あえて平日を選んだにもかかわらず、思ったよりも観客は多くいました。そのなかでミライと同じくらいの年齢の子どもを連れた親子も何組か見かけました。はじめての観劇で少し緊張していましたが、仲間を発見し、少しホッとしている自分がいました。
実は私、こういった舞台を見にいくのははじめてなんです。ずっと気になっていたのですが、なんだかハードルが高いような気がして踏み込むことができませんでした。 そして当日。平日にもかかわらず、たくさんの人がいることに驚きました。好きな人は何度でも足を運ぶと言いますもんね。なかにはミライと同じくらいの子どもを連れたお母さんの姿も。さて、トイレも済ませたことだし、ミライが最後まで大人しく観ていられますように。
ウソでしょ……飽きるの早ッ!周囲から注意「お願い!静かに」
開演してしばらくは、自宅のテレビでミュージカルを観ていたときのように、目をキラキラさせていました。しかし、思ったよりも大きな音量の音楽が流れて驚いている様子です。さらに静かなシーンが続くと、だんだん「もう飽きたモード」に……。
もう……せっかくいいシーンなのに……。ミライをなだめながらなので、ちっともストーリーが入ってきません。やっぱり3歳のミライにミュージカルはまだ早すぎたのかもしれません。
前の席の女性から注意をされてしまいました。たしかに小声でしゃべってしまいましたが、周りの人が気になるほどではないはず……。
多少しゃべったり動いたりなんて子どもなんだから仕方ないじゃない! という気持ちになりました。その後私は再び、帰りたがるミライに厳しく注意しました。しかし……
とうとう劇場の人からも声をかけられてしまいました。これからクライマックスを迎えるというのに、どうしても最後まで観たいのです!
ミライがイスを蹴ってしまったのは本当に申し訳ないのですが、私たちはそこまでうるさくした覚えはありません。
劇場の人からも声をかけられ、再度前の席の人にも注意されてしまっては、もう劇場を出るしかないでしょう……。クライマックスのシーンを待たず、私たちは泣く泣く劇場をあとにしました。せっかく高い金額を払って、いい席を買ったのに。私は悔しい気持ちでいっぱいになりながら、帰路についたのでした。
【ノリコの気持ち】「カンベンしてッ」楽しみだったのに台無し
私はノリコ(30歳)。今日は学生時代の友人、カヨ(30歳)と数年ぶりに会い、ミュージカルを観る約束をしました。社会人になりたてのころ、2人でハマった時期がありましたが、私は仕事が忙しくなったり、好きな俳優さんがいなくなってしまったり、お互いにライフステージの変化もあったことから、ここ数年はミュージカルから疎遠になっていました。先日久しぶりにカヨとやり取りをする機会があり「久しぶりに会いたいね」「せっかくなら観劇したいね」と意気投合。今日は思い切って有給を取ったので、久しぶりに楽しむ予定です!
カヨには娘が1人いるのですが、まだまだ小さいため近くの託児所に預けて来てくれたそうです。あまり長く一緒に過ごせないので、カヨとの時間を楽しみたいと思っていました。しかし……
後ろに座っていた子が観劇中「飽きた」「帰りたい」と連呼し、前の座席を蹴ってきました……。私たちの不安は見事的中……観劇に集中できない状況に、とうとうキレてしまいました。
母親は見当違いなことを言っているし、話になりません。
これまでも観劇中、静かに座っていられる子どももなかにはいました。しかし飽きてしまう子だって、もちろんいました。子どもですから、ずっと座り続けることが難しいことくらい、子どものいない私にだって想像できます。そんなときは人の迷惑にならないよう、率先して退席するなど、親がきちんと行動してほしかったのです。
係の人から声を掛けられたのも効果的だったのか、後ろの親子は途中から退席してくれたし、ミュージカルはラストでかなり感動したため、イヤな気持ちは多少和らいだように感じます。 しかし、私だってできれば他人に注意なんてしたくありませんし、観劇中は他のことなんて考えたくないのです。久しぶりのミュージカルは少し残念な結果となりました。それでも、やっぱり観劇が好きという気持ちを再認識した私たちは、また一緒に観にいく約束をし、この日は別れたのでした。
【私の気持ち】想像力の欠如「騒ぐのは仕方ない?」間違っていたのはダレ?
娘のミライは現在3歳。なんにでも興味津々なお年頃です。家でテレビを観ているときに興味をもった、あるミュージカルの特集番組。目をキラキラさせながら観ています。そこで娘を連れて観劇することにしましたが、ミライは観劇中に飽きてしまいました。グズるミライをなだめていると、前の席の女性に怒られ、さらに係の人からも劇場から出るよう促されてしまいました。もうこれ以上ここにはいられない。私たちは帰宅することにしたのです。
このまま帰宅すれば、きっと私はミライに冷たくあたってしまう……。そう思った私は、少し足を延ばして実家に立ち寄ることにしました。実母に今日の出来事を聞いてもらうと……。
実母は観劇に訪れた人たちそれぞれの背景を想像して、話しはじめました。
実母に「『小声で話していたし』っていうけれど、小声だって静かな場所では“騒音”だからね?」と、諭されました。さらに私の思いあがった考えに釘をさすように話をつづけました。
ミライのためににミュージカルを観に行くことにしたのは建前で、実母の言葉は当たっていました……。
実母はため息をつきながら、「私も昔ね……仕事が休みの日にアニメ映画の話題作を観にいって、そのとき隣が3人の子連れだったのよ」と、昔話を始めました。何か思い当たるところがあったのでしょう。
母は前に座っていた女性2人組と同じ気持ちを味わったことがあったようです。
実家で今日の愚痴を吐き出してスッキリしたかったのですが、実母からは逆に叱られてしまいました。 最初は「どうして私やミライが悪いの?」と思って聞いていたのですが、一つひとつ説明されるとぐうの音も出なくなりました。自分の考えがいかに身勝手なものだったか思い知ったのです。 いまとなってはもう遅いのですが、時間が戻せるのなら、前の席の女性に謝罪がしたい。けれどそれは叶わないことです。 今後子どもとのお出かけは周囲への配慮を第一に考えようと思います。