警察かたる電話で1億2930万円被害 上越市70代女性 県内過去14年のオレオレ詐欺で最高額
上越警察署は2025年4月23日、新潟県上越市の70代女性が、特殊詐欺(オレオレ詐欺)被害に遭い、現金1億2930万円をだまし取られたと発表した。同署によると、オレオレ詐欺の被害額としては2011年以降県内で最も多い。
発表などによると1月28日昼頃、女性宅に「今後この電話は使用できなくなります」などという音声案内の電話があった。女性が案内された番号を押すと、「上野警察署の刑事」をかたる男などにつながり、「上野の銀行であなた名義の口座を買ったと言っている者がいる」「巻き込まれただけかもしれないが、証拠があるので重要参考人になる」などと言われた。
女性は上野署に行く旨を伝えたが、「特殊な事件で内密に捜査が行われているので、上野署に行っても誰も分からない」などと言われ、メッセージアプリのインストールと、アプリを使用して毎日決まった時間に連絡するよう指示された。
2月10日には、検察官をかたる男から電話があり、「事件解決するまでの間、口座が凍結される」、事前調査として「お金を仮想通貨にすると番号が付いて、あなたのお金が犯罪に関与しているかを判断する。何もなかったら戻す」などと言われ、女性は2月25日から3月17日までの間、インターネットバンキングで、指定された口座に22回にわたって合計1億2930万円を送金し、だまし取られた。
その後3月下旬に、検察官をかたる男から「預けたお金を返還してほしければ、保釈金として事前調査と同額を支払ってください」などと言われたことから不審に思い、家族に相談して詐欺と気付いた。
同署では「特殊詐欺に悪用される番号の多くが国際電話なので、国際電話を受け付けないようにするサービスを利用するなど、対策できる。警察がお金の振り込みを要求することはないので、詐欺を疑ってほしい」と呼び掛けている。
外国からの電話の利用休止 | 警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ( https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/international-phone/ )