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シャネルが循環型ハブ「Nevold」始動 ラグジュアリー業界の持続可能性を再構築

ELEMINIST

シャネルは、ファッションとラグジュアリー業界の責任ある変革へのコミットメントを強化するべく、リサイクル素材を用いた新しいB2B向けのプラットフォーム「Nevold(ネヴォルド)」を発表した。

再生繊維を活用 「決して古くならない」のネーミング

シャネルは、B2B向けの循環型プラットフォーム「Nevold(ネヴォルド)」を立ち上げた。同組織の目標は、リサイクル繊維を活用しながら、ラグジュアリーにおける卓越性の基準を満たす、未来の素材を発明、生産、構築すること。

ネーミングには「never old(決して古くならない)」の意味が込められ、素材の再資源化と品質維持を両立させる新たな試みだ。

ネヴォルドは、シャネル本体からは完全に独立した機関であり、企業、スタートアップ企業、学術機関のパートナーが、エコシステムを共通の目標に結集する。

現在、シャネルが立ち上げた循環型サービスの「ラトリエ・デ・マティエール(L'Atelier des Matieres)」、フランスの糸メーカー「フィラチュール・デュ・パルク(FILATURES DU PARC)」、素材開発を行う「オーセンティック・マテリアル(Authentic Material)」、ケンブリッジ大学が参画している。

業界の連携で循環型社会へ

ラグジュアリー業界では近年、レザー、毛皮、カシミアなどの素材は、アニマルウェルフェアなどの観点から使用しない方針を打ち出すブランドが増えている。そのような背景のなか、ラグジュアリーブランドとしての持続的な素材調達戦略の必要性があるという。

シャネル ファッション部門プレジデントのブルーノ・パブロフスキー氏は、「単独ではこの規模の構想は実現できない」と言い、循環素材の開発は業界全体の協業が不可欠であると強調した。

シャネルではすでに生地にリサイクル糸を使用し、靴ではプラスチックパーツをアップサイクルレザーに置き換えるなどの取り組みを行っているが、ネヴォルドではこれらの取り組みを体系化し、拡大していく方針だという。

国連貿易開発会議(UNCTAD)に、世界第2位の汚染産業であると表現されたファッション業界。大きな変革が求められるなか、今回の組織によってどのような影響をもたらすか、多くの人が注目していくだろう。

※参考
Chanel launches Nevold B2B circularity hub|Fashion Network
Chanel Steps Into Circular Fashion with Nevold|reflawn

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