藤枝MYFC、堅守徳島を攻略へ! 須藤監督・楠本卓海・川上エドオジョン智慧・松木駿之介・浅倉廉が意気込み
J2藤枝MYFCは5日、アウェーで徳島ヴォルティスと対戦します。徳島は現在5位で、ここまで11失点とリーグ最少の堅守が光ります。藤枝は前節のFC今治戦では0-0で引き分けたものの、多くの決定機をつくるなど良い攻撃の形はつくっています。あとはいかに最終局面での精度を上げられるか。後半戦初勝利を目指す大事な一戦を前に、須藤大輔監督と選手たちが心境を語りました。
須藤監督
―今治戦は惜しい場面が多かった。
素晴らしい攻撃はできていたので、そこは評価できるし自信を持って良いという話はしました。ただゴールネットは揺らしていない。
本当に少しの回転、立ち位置の差で入ったのかもしれない。でもやはり運の部分も大きいと思います。その運を引き寄せるためには、このグラウンドでやっている人間が恩恵を受けると思います。やはり頑張っている人は最後に必ず報われますから。その頑張りを結果が出ないからやめてしまう人は「どうせ頑張ってもだめ。努力は無駄」となってしまう。
やりきれる人は必ずゴールを奪えるしアシストできるし、完封試合もできるという話はしました。自分たちにベクトルを向けて、もっとこだわっていきたいです。
―今治戦は決定機の数は多かった。
かなり良い方でした。札幌戦でできなかったビルドアップのノッキング具合も改善されていたので、すごく良い形でミドルサードからアタッキングサードにボールを有機的に運べました。1試合1試合修正してビルドアップができている。選手が真摯に対応してくれています。
楠本選手
DF楠本卓海選手J2通算150試合出場まであと1に迫っています。
―150という数字をどう感じるか。
8年目でこの数字というのは少ない方だと思うので、この数字に意識はないです。
―今は良いパフォーマンスを見せている。
札幌戦では早い時間帯で変えられています。そのミス、ビルドアップの判断の部分は自分の課題です。攻撃的なチームですし、自分の足りないと思っているところなので、そういう面で今はとても充実度が高いです。監督、コーチもいろいろ教えてくれて、引き出しが増えています。
―守備も安定感が増していると感じる。
はっきりした相手が多いので、自分のやるべきこともはっきりしてきます。強力な相手とやるのはこちらとしても楽しいので、相手も引き出してくれているという部分もあると思います。
―徳島戦もやりがいが。
はい。ここ2試合とはまたタイプの違う外国籍の選手だと思うので、今まで通りの対応とはまた変えていきながらやっていきたいです。今回は距離を置いてから背後など。出せる選手も多いと思うので駆け引きも多くなるのかなと。食いつくのか、走らせないのか、距離をとって背後の勝負をするのか。いかれた時にも焦らない対応というのも大事になると思います。対応していきながら感覚をつかんでいきたいです。
―続けてスタメンを張れている要因は。
攻撃的なチームではありますが、守備の個人的なところでまずはやられないというのが大前提だと思います。3バックの真ん中ですし、須藤さんにも守備でゼロに抑えろと言われています。個人のところでいえば、その部分が今はできているから使ってもらえているのかなと思います。
―監督はCBには他のチームでは求められない部分まで求めていると言っていたが、感じているか。
今は全員攻撃、全員守備というサッカー界になってきていると思います。だからどちらも積極的にやっていきたいと思っています。すごくやりがいがあります。
川上選手
MF川上エドオジョン智慧選手はプロキャリアのスタートが徳島。通算4年間を過ごした相手との対決に燃えています。
―徳島はプロキャリアで一番長く滞在した。
はい、4年間いました。そんなに出られなかったので悔しい思い出の方が多かったのですが、いろんな選手とトレーニングをして、多くのことを学べました。
―富山戦では古巣弾。今回も古巣への恩返し弾に期待がかかる。
個人としてはそうなったらうれしいのですが、チームが勝つことが一番なので、そこに集中したいです。
―今治戦は決定機がある中で無得点だった。
チャンスはつくれているのですが、やはり課題は最後の部分。入らないのであればもっと回数を増やし、質も上げるべき。良いところをもっと増やしていけば自然と入っていくと思います。個人としてもどんどんチャレンジしていきたいです。
―この暑さの中、意識していることは。
練習で出し切ることを意識しています。試合で何かをコントロールするのはあまり自分は好きではなくて、やれるところまでやりたいです。先発以外にも良い選手がたくさんいますので、セーブしてやるのではなく練習から出し切った中でもやれるような状況にしていきたいです。
―DFの久富良輔選手とはよくコミュニケーションを取っている。
ドミくんはいろんなアドバイスをしてくれるし、逆に話も聞いてくれます。お互いに主張し合ってすごく良い関係でやれているので、ドミくんの人柄に助けられている部分があります。
―徳島で、当時一緒にプレーした選手は。
児玉駿斗は同い年で、あと渡(大生)くんは良くしてくれました。それと杉本太郎選手とはずっと一緒にいました。
―今の徳島のイメージは。
個人がうまくて、守備的という感じではないが失点が少ないイメージが強いです。あと、相手を見てサッカーができると感じます。
松木選手
FW松木駿之介選手は今治戦で、惜しいシュートやオフサイド判定に泣いたプレーがありました。
―初ゴールの予感が漂ってきている。
ネガティブに考えても何も良いことがないので、ゴールが近づいているとポジティブに捉えてやり続けたいです。
―今治戦は多くのチャンスをつくれていた。
僕がプレーした中では今季で一番楽しかったですし、ハーフタイムも良い雰囲気でした。取り切れなかったのが悔しくて申し訳ない気持ちでしたが、次につながる再現性の高い形をつくることはできたと思います。
―ポストプレーで良い形が多かった。
ずっとフリックに関われないのがチームとしてありましたので、FWとしてずっと意識していました。(中川)風希くんからのフリックに反応できたり、(浅倉)廉がつぶされた後にすぐに拾える距離にいられたり、2人との距離感はつくれてきていると思います。
―自分で受けてつなぐこともできている。
間で良いポジションが取れて良いボールも来ました。あのような受け方ができればチームが前進しやすいと思うので、助けになれるように精度を高めていきたいです。
―今季はサイドをやることもある。
自分としてはどちらも本職だと思いますし、ポジションにこだわりはないので、須藤さんが決めてくれたところで結果を残す準備を常にしていきたいです。
―今治戦はゴールネットを揺らしたがオフサイドという惜しいシーンがあった。
オフサイドになってしまいましたが、(世瀬)啓人がシュートを打つ瞬間にこぼれ球を狙う意識でアクションをしていましたので、次につながるプレーだったと思います。
―徳島戦に向けて。
開幕戦で0-2で負けた相手ですし、僕としては藤枝のユニホームを着て初めて公式戦を戦った相手です。その試合はチャンスがたくさんあった中で点が取れなかったので、今回は決めきって成長していると感じてもらえるように頑張りたいです。
浅倉選手
MF浅倉廉選手は現在、チーム最多の4ゴールをマークしています。徳島戦も得点への期待がかかります。
―今治戦を振り返って。
前半の左足のシュートがありましたが、あのような場面を決めていきたいです。丁寧に枠を狙いすぎてしまったので、外しても良いからもっと隅を狙っても良かったと思います。かわすまでのイメージは完璧でした。
―アタッキングサードで前を向くことは意識しているか。
それが自分の特長なので、自分のところから前進できるように意識していました。前半は積極的に前に行けていました。
―松木選手が今季一番楽しかったと言っていた。
自分もここ最近で一番楽しかったです。あの試合はサポーターも良い雰囲気をつくってくれました。シュートが外れてもワーッと歓声を上げてくれて、チームとしてもいけるという雰囲気になったので、本当にサポーターの皆さんのおかげで楽しいプレーができたのだと思います。
―悔しさもあった中で、次に向けては。
徳島は失点が少ないチームですので、チャンスも多くはないかもしれません。まずはチャンスを多くつくることですが、多くないかもしれないチャンスで決めきることが一番大事だと思います。徳島相手に点が取れればチームとしても個人としても価値が上がると思うので、逆にチャンスだと思ってこの一戦で結果を残してやろうという気持ちが強いです。
―崩しのバリエーションが増えているのでは。
この前も全員が良くて、いろんなパターンで攻撃ができたので相手からしたら嫌だったと思います。みんなが調子が良くなるとポジション争いも激しくなるので、より結果を残さないとという危機感も出てきます。その部分も楽しみながらできているのでチームとしても良い状態だと思います。
―中川風希選手に合わせた左からのクロスは大きなチャンスになった。
あのようなボールを狙っている中で、あの場面のようにぴったり合わせられるシーンが多くはなかったので、ああいったボールを通すことを続けていければアシストの部分も増えていくと思います。あれは狙い通りでした。