韓国「犬食禁止法」が成立 動物愛護の観点で高まる声にこたえて
100万匹が殺されている現実
韓国の国会で2024年1月、食用の犬肉を販売することを禁止する法案を可決した。
韓国では、昔から犬肉を食べる習慣があり、スタミナ料理として食されてきた。動物保護団体のヒューメイン・ソサエティー・インターナショナルによると、同国では年間約100万匹の犬が、食用の目的で工場で飼育され、殺されているという。
だが一方で、犬はペットとしても幅広く親しまれている。現在、韓国でペットとして暮らす犬は600万匹にものぼる。そのため、犬肉を食べる人は一部のみに減り、動物愛護の観点から犬食を禁止する声があがっていた。
ニールセンコリアの調査では、86%の韓国人が「将来的に犬肉を食べない」と答え、犬食禁止を支持した人は57%にのぼっている。
3年間の猶予期間を経て全面廃止へ
今回成立した法律は、6か月後から段階的に施行され、3年間の猶予期間を経て、2027年より人間の消費を目的とした犬の繁殖、屠殺、犬肉の販売が禁止される。違反すると、最高3年の懲役または罰金3000万ウォン(約328万円)が科される。
また、食用に犬を飼育している業者、屠殺業者、レストランのオーナーなどは、補償を求めることが可能で、すでに農業への移行支援などを行ってきている。
ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナルでは、残された犬たちをできる限り多く救出するよう国に働きかけると述べている。
※参考
South Korea bans the dog meat industry with historic vote at National Assembly as animal campaigners ‘overjoyed’|Humane Society International