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いまが買いドキ!? ちょい旧ハーレー調査隊が、今月は「XL883Rスポーツスター883R」を調査!

Dig-it[ディグ・イット]

絶版モデルとなった「空冷スポーツスター」は、やはり一度は所有してみたい存在だが中でも最近気になっているのが、レーシーな雰囲気がいま見るとむしろ新鮮な「XL883Rスポーツスター883R」だ。ローダウンモデルにはないシュッとしたフォルム、そして往年のスポーツスターらしさを残しつつ、スポーティな走りもできそうなムードはこのモデルならではの魅力だろう。というワケで「クラブハーレー調査隊」の諸君、スポーツスター883Rがいま実際にどうなのか調査してほしい。よろしく頼むぞ。

隊員A宮:の歴史やカスタム系のネタが得意分野だという真性のバイクオタ。愛車は69カマロとXR1000

隊員N尾:ハーレーそのものより、実は周辺の文化やファッション系のネタに通じる隠れミーハー。愛車はXL883改1200

XL883Rの平均価格の平均価格は? セールスポイントはいかに?

N尾:今月の調査は「スポーツスター883R」に決まりました!!

A宮:ほぉ~。久しぶりの“初めて調査するモデル”だな。

N尾:そうっスね。ボスはいまローダウンされていない、いわば“普通のスポーツスター”が気になっているようです。

A宮:ノーマルの状態でローダウンされていない“ベーシックなモデル”は2009年を最後にラインアップから姿を消し、車高の低いカスタムモデルがほとんどになってしまった。そのため、車高の高い883Rはスポーツスターのベーシックモデルとしての役割を担っていたのも事実だ。

N尾:なるほど~。いわゆるベーシックな883と何が違うんスか!?

A宮:1990年代ごろから日本でも「フラットトラックレース」、いわゆる「ダートラ」とか、「トラッカー」なんて呼ばれるスタイルが注目されるようになった。同時にスポーツスターによるレースも盛り上がっていて、パフォーマンスを追求するカスタムも人気が高かったんだ。その流れを受けて登場したモデルで、ハーレーのワークスマシンといえるフラットトラックレーサー「XR750」譲りのグラフィック、そしてダブルディスクブレーキといったパフォーマンスを匂わせる装備が奢られていたというワケ。では、今月もさっそく調査を始めよう!!

― 1週間経過

N尾:おなじみの「バイク王」さんによると、平均価格は【90万1750円】とのことでした。

A宮:なんと2ケタ万円台!?

N尾:そうなんですよ!! 実際に調べたところ、価格帯は最も安い個体で60万円台、高い個体で130万円台で、100万円台を超えるものと下回るもの、ちょうど半々といった感じだったので、いまのリアルな平均価格に近いと思います。人気の空冷スポーツスターの中では狙い目かもしれないッス!!

A宮:なるほど。私は程度やカスタムされているか否かなどを中心に調査したのだが、ギトギトにカスタムされた個体は少なく、イジっていたとしてもノーマルのスタイルを留めた車両が多い印象だった。さすがに安いプライスの個体は過走行や状態がよくないものもあるから注意は必要だが、総じてコンディションはよさそうなのが多かったので、ビギナーでも選びやすいモデルかもしれない。

N尾:やっぱり狙い目ですか!?

A宮:このスタイルが好きな人は、いまが買いどきかもしないね!!

調査協力SHOP
Beat&C世田谷店東京都世田谷区
等々力2-6-2
TEL03-6432-3480
https://www.8190.jp/wish/ds/beat
営業時間:10時30分~19時、10~19時(土、日、祝)
定休日:火曜

価格:110万円
年式:2010年モデル
走行:1万2942km

XL883Rの平均価格:90万1750円※「バイク王」が2023年11月~2024年10月末までに販売した車両本体価格の平均値

【セールスポイント①】ブラック仕上げのパーツを多用

ヘッドライト上部にあるバイザーをはじめ、このモデルの個性にもなっているワイドなXRバーハンドルにはブラック仕上げを採用。常にライダーの視界に入るハンドルまわりが、引き締まった精悍な印象に仕上げられている。

【セールスポイント②】ワークスカラー風のグラフィックを採用

タンクにはH-D社の由緒あるフラットトラックレーサー「XR750」によく似たデザインのデカールを採用。レーシーな雰囲気だが、スポーツスターのタンク形状にフィットするデザインで違和感はまったくない。

【セールスポイント③】精悍な印象を与える黒いエンジン

ブラック仕上げのエンジンは、プッシュロッドをクロム仕上げにするなど、ところどころ、コントラストがハッキリと際立った精悍な表情。これも883Rの人気が高い理由のひとつだ。

【調査報告①】フラットトラックをイメージした「883R」がルーツ

ミッショントラブルが多かった「4速スポーツスター」だったが1991年、ミッションの5速化に合わせてシリンダーとヘッド以外のすべてを刷新。これによって信頼性が向上し、ここ日本でもスポーツスターのワンメイクレースが開催されるようになったほか、エンジンまでチューニングを施すカスタムが一般ユーザーにまで浸透するなど、スポーツスターでスポーツ走行を楽しむことが人気に。

同時にストリートでは「フラットトラッカー」スタイルにカスタムするブームが起こり、それを反映して2002年にH-Dのレーシングカラーをまとった「XLH883Rスポーツスター883R」が登場。その精悍な雰囲気でたちまち人気となった。

【2002 ~ 2003】XLH883Rスポーツスター883R
・XR750を彷彿とさせるカラーリング
・厚みのあるダブルシート
・「XR バー」を標準装備
・バイザーはブラック仕上げ
・ダブルディスクブレーキを装備
・2in1マフラーを採用
・ブラック仕上げのエンジン

フラットトラックレースを走る「XR750」がモチーフ

フロントブレーキが付いていないマシンで、後輪を滑らせながら逆ハンを切って楕円のダートコースを駆け抜ける「フラットトラック」レース。その競技で圧倒的な強さを発揮していたのがH-DファクトリーチームのXR750。その雰囲気をスポーツスターに落とし込んだのだ。

【調査報告②】2004年以降の「ラバーマウント」モデルとは!?

スポーツスターは2004年から新型フレームを採用し、エンジンとフレームの間にゴムを介した構造に進化した。これによってエンジンの振動が直接ライダーに伝わらないようになり、長時間のライディングでも疲労しにくくなった。エンジンがシャシーの剛性メンバーでもあった2003年モデルまでの「リジッドマウント」に対し、ゴムを介した構造の「ラバーマウント」は、フレーム単体での剛性が求められる。そのためフレームは従来比26%の剛性アップを実現。このフルモデルチェンジにより、883Rはラインアップから消滅している。

長時間乗っても疲労しにくい!!

それまでスポーツスターといえば、ハーレーのラインアップの中ではスポーティな位置づけであったが、ラバーマウント化によってツアラー的な使い方にも十分耐えるようになり、さらに幅広いユーザー層に受け入れられるようになった。

エンジンとフレームの間にアイソレーターというゴム部品を挟むことで振動がライダーにダイレクトに伝わってしまうことを抑えた。

【調査報告③】新しいコンポーネンツで人気モデルが復活!!

ラバーマウントフレームを採用した2004年モデルに進化したことに伴い、ラインアップから姿を消していた883Rだったが、2005年モデルで装い新たに再登場。XR750を彷彿とさせるカラーリングはもちろん、暴れる車体を抑え込むためにワイドな形状とした「XRバー」と呼ばれるハンドル、そしてフロントには883シリーズで唯一となるダブルディスクブレーキを装備するなど、リジッドマウントとラバーマウントというフレームの違いはあれど、先代の883Rと変わらない雰囲気で多くのファンから注目を集めた。そのまま乗ってもサマになるうえ、当時の883シリーズで唯一ブラック仕上げのエンジンを採用していたことから、自分好みに仕上げたい人のカスタムベース車としても好評だったのだ。

【2005 ~ 2015】XL883Rスポーツスター883R
・黒いスプリングを採用したリアショック
・2 本出しのテーパードマフラーに変更
・デザインが洗練したXR750 風グラフィック
・ロッカーカバーの塗り分けを変更したエンジン
・着座位置の自由度を高めたダブルシート
・ダブルディスクブレーキを装備
・バイザーとアウターチューブをブラック仕上げに
・本物のフラットトラックレーサーにも使用される幅広なXR バーを装備

【調査報告④】登場以降、さまざまな仕様変更が行われた

スポーツスター883Rは2005年に登場して以降、大きく外観を変えることなく2015年まで販売されたのだが、その10年の間で目に見えない部分や細かい部分でさまざまな仕様変更を受けた。中でも大きな変更は2007年のエレクトリックフューエルインジェクション(EFI)化だろう。電装系の配線が増えたほか、ガソリンタンク内にフューエルポンプが組み込まれるなど、基本となる構造が大きく変わっているのだ。ほかにもリアショックの減衰力やブレーキまわりなど細かく仕様変更されているので購入の際にはぜひとも抑えておくべし!

2006年 クラッチが軽くなった

歯に斜めの角度をつけたヘリカルギヤを採用した新設計のトランスミッションを採用。さらに新型クラッチの採用によって、883モデルで約17%負荷を軽減。これらの変更でシフトチェンジが素早く、スムーズに行えるようになった。

2007年 EFI採用でパワフルに

燃料供給システムをキャブレターからフューエルインジェクションに変更。それに伴って、883モデルには高トルク型カムシャフトを採用。プライマリーギヤ比も見直して、あらゆる条件下でもスロットルレスポンスの向上を実現した。

2009年 フェンダーの取り付け位置を修正

フロントフェンダーの取り付け位置を見直し、フェンダーとタイヤのクリアランスを狭めたほか、シフターとブレーキペダルをブラック仕上げに変更。見た目を引き締めたほか、リアショックの減衰力を見直して操縦性も向上している。

2008年以前
2009年以降
2008年以前
2009年以降

2010年 ECMの位置を変更

2009年まではリアフェンダーの上にECM(電子制御モジュール)を設置していたが、これをエンジンの背面に移動。これに伴ってオイルタンクが仕様変更されたほか、ヒューズブロックを見直し、腐食しにくくする対策が行われた。

2009年以前
2010年以降

2011年 リアディスクを変更

ロッカーボックスのガスケットを変更してシーリング性能を向上させたほか、クラッチケーブルを延長。さらにサイドスタンドのマウントを変更して停車時の傾斜角を見直した。リアディスクローターも「XR1200」と共通になった。

※写真はXR1200のディスクローター

2014年 前後のブレーキを一新してBCMを採用

従来の径292mmから300mmにローターを大径化し、キャリパーもピストン径25mmから34mmに拡大するなどブレーキをすべて刷新。制動力が向上した。また、灯火類などの電装部品を制御するBCMの採用でイグニッションやほかのスイッチにかかる高電流負荷を緩和。メーターにエンジン回転数やギヤポジションを表示可能になった。

※メーターステー一体型のハンドルポストは2012年より採用
2013年以前
2014年以降

2015年 グラフィックを一新!!

一貫してXR750風のグラフィックを採用してきたスポーツスター883Rだが、ファイナルとなった2015年モデルでデザインを刷新。従来までのデザインを受け継ぎつつ新しいイメージに生まれ変わった。また、ガスキャップにはタンク専用のカギを使って開閉するロック機構が備えられた。

調査結果

価格帯は60~130万円台と幅広く、2ケタ万円台の個体は2010年以前のモデルがほとんどを占める。2010年以降のモデルは100万円台を超えるが、価格と比例して車体の状態もよくなる傾向。市場のタマ数も潤沢なので、ビギナーでも比較的選びやすいだろう。リジッドマウントのモデルは極端にタマ数が少ないものの、価格は120万円ほどで落ち着いている。

プレミア度:★★☆☆☆
お買い得度:★★★★☆
審美眼必要度:★★★☆☆

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