レジの新人女性に「頭の中はHしかないんか」クレーマー中年男が暴言 → 後日まさかの”下心”を見せてきて「鳥肌が立ちました…」 ある店員の回想
理不尽な要求や暴言、土下座の強要などはカスタマーハラスメントと呼ばれ、サービス業で働く人なら一度は直面したことがあるだろう。
柳沢さん(50代女性、仮名)も、かつてスーパーで働いていたとき、カスハラ客に遭遇した。レジ対応をしていたら、
「お前の頭の中は男とHすることしかないんか」
と怒鳴られたというのだ。柳沢さんに当時の状況を詳しく聞いた。(文:天音琴葉)
「一個ずつナイロン袋に入れろ」「お釣りは全部新札で返せ」
これは今から20年前、買い物袋が有料化する前の話だ。まだ新人だった柳沢さんのレジに、当時40〜50代とみられる男性客がレジにやってきた。
そのスーパーでは食品レジと衣料品レジが分かれていたが、食品レジに両方を持ってくる客も多く、その際は一緒に会計していたという。当該男性も食品のほかに3点の衣料品を持ってきたため、一緒に会計しようとしたら、突然、怒鳴り出した。
「誰が一緒に打っていいって言った? 全部最初から打ち直せ」
食料品の会計だけをするよう、言いつけたのだった。さらに、耳を疑うような暴言を吐き捨てた。
「お前の頭の中は男とHすることしかないんか」
あまりにも屈辱的な言葉だ。しかも、まったく脈絡がない。明らかに異常な人物だろう。その上、矢継ぎ早に「買ったものすべて一個ずつナイロン袋に入れろ。お釣りは全部新札で返せ」と、過剰な要求を突きつけてきた。
罵声を浴びながらも”ひたすら無視”で冷静に対応
柳沢さんは「むかついて言い返したかった」というが、ぐっとこらえた。
「『あ、そうですか、じゃあ打ち直します』と返し、衣料品だけ取り消して、『衣料品のお会計は入ってませんからご安心ください』と言って、あとは無視しました。周りの客や先輩たちが気の毒そうに見てるのもわかったので、なんとか冷静に対応できました」
「お釣りは全部新札で」という要求には、「すべてを新札で返すことはできませんが、なるべくキレイなので返します」と毅然と対応。そして、食品を一点ずつナイロン袋に入れる作業に取り掛かった。
「時間は見てなかったですが、周りのレジのお客様が2、3人帰られたので、かなり時間は経ったと思います」
その間も男性客はずっと文句を言っていたが、柳沢さんは「ひたすら無視しましたけどね」と、動じることはなかった。
「みんな泣いたよ」実は”新人泣かせ”の常習犯だった
先輩や客からの助けは一切なく、一人で格闘した柳沢さん。だが男性客が帰ると、数人の先輩が心配そうに駆け寄ってきた。
「『大丈夫だった?』『あんた、強いな。みんな泣いたよ』って言われました。『あの人は新人を見つけると泣かしに行く人よ』って教えてくれ、はじめて(常習犯だと)存在を知りました。泣かなかった私は『すごい』とも言われました」
この一件のあと、柳沢さんはほかの新人がいじめられているところを目撃したという。そのときは、ある先輩が「どうしたの? 何があったの?」と割って入ったため、男性客は「ほっとけ」と言い、すごすごと自分で袋詰めを始めたそうだ。
新人をいじめる一方で、「綺麗な先輩や愛想がいいレジに行っては、手を握ったり食事に誘ったり、セクハラまがいなこと」もしていたというから悪質だ。そもそも、なぜ店は出入り禁止にしなかったのか。
「よく上司が変わるスーパーだったので、把握してないんだと思います」
と柳沢さんは推測する。
まさかの後日談…「今度ご飯食べにいこう」に戦慄
この一件で心が折れ、辞めてしまってもおかしくないが、柳沢さんはその後も働き続けた。すると愛想の良い接客が評判になり、客からの人気も高まっていったという。
そんなある日、信じられない出来事が起こる。例の男性客が、また柳沢さんのレジにやってきたのだ。
「『あんたのレジに来たかったんだ。今度ご飯食べにいこう』って言われたときは、鳥肌が立ちました」
少し前に「頭の中はHしかないんか」と侮辱してきた相手に、今度は食事に誘われたのだ。あまりの豹変ぶりに、柳沢さんが恐怖心を覚えたのは無理もない。
「あんなことを言っといて、どの口がそんなこと言う? と、めちゃむかつきました」
柳沢さんの冷静さや不動心には驚かされるが、本来は店側がこのような客から従業員を守らなければならない。当時と違い、今は社会全体でカスタマーハラスメントを撲滅しようとしている。サービス業で人手不足が深刻な中、誰もが安心して働けるようにすることが急務だ。
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