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【静岡県立美術館の「ピラネージとローマの景観」展】 抜けの良さを実感

アットエス

静岡新聞論説委員がお届けする“1分で読める”アート&カルチャーに関するコラム。今回は静岡市駿河区の静岡県立美術館で10月6日まで開催中の収蔵品展「ピラネージとローマの景観」から。企画展「カナレットとヴェネツィアの輝き」展の関連展示。
ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージは企画展の主役であるカナレットと同じ18世紀に活躍した、ベネチア出身の版画家、建築家、考古学者。県立美術館が誇るコレクションから古代ローマの景観を描いたエッチングなど50点が出品されている。

これほど大量に見られるのは2019年10~11月の「古代への情熱―18世紀イタリア・考古学と芸術の出会い」展以来ではないか。

企画展との見比べが楽しい。大運河「キャナルグランデ」をはじめとした大小の水路、船、ぎっしりと立ち並ぶ家々が印象的なベネチアの風景に比べ、ピネラージの作品は抜けがいい。

「サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ聖堂」は壮麗でがっしりした建築の奥に山並み、地平線が見られる。「フォロ・ロマーノの一角」はだまし絵のようなしつらえで、神殿の柱が背後の山に溶け込んでいるようだ。(は)

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■静岡県立美術館
住所:静岡市駿河区谷田53-2
開館:午前10時~午後5時半(月曜休館)
料金(当日):一般300円、70歳以上と大学生以下無料
会期:10月6日まで

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