野池でのブラックバス釣りはスズメバチに注意? 釣り場には想像を超える危険も存在
子どもの頃に怖い思いをしたことは誰にでもあるはずだが、釣り少年だった私は、なおさらのことだった。当時は野池でブラックバス釣りをしていて、足元を滑らせて落水したこともあれば、使っていたルアーが膝の裏を完全にフッキングしたこともある。何より忘れられないのが、「スズメバチ事件」だ。
ブラックバス釣りの帰り
その「スズメバチ事件」が起きたのは、私が小学校高学年の頃だったと記憶している。当時の私はもはや友達と一緒に行くのでもなく、一人でブラックバスを釣りに行っていた。
2000年台初頭の故郷・神戸には野池がたくさんあり、立ち入り禁止のところもそんなに多くなかった。要するに、まあ釣りをしても安全であろうとそんなふうに認識されていたのだと思う。
しかし、足場はよくても、釣り場ではその他にもいろんな危険がある。そしてそのような危険は突然人を襲うものである。そのとき私を襲ったのは、世にも獰猛なハチとして知られる、スズメバチだった。
スズメバチ襲来
私は釣りを終え、自宅に帰ろうとしていたのだった。釣り場の出入り口まで、ちょっとした藪をくぐらなければならない。そのとき、視界の隅に、スズメバチの姿を見つけた。「目が合った」とその瞬間に思ったものだ。
それは、きっと相手も同じことだったのだろう。スズメバチはやにわに飛び立つと、こちらを目がけて一直線に飛んできた。
手で払いながらなんとか避けて藪の中をくぐったが、なんとそのスズメバチ、自分のテリトリーを離れてもまだ、私の周りをブンブンとついて回ってきたのである。こうなるとさすがにやりすぎの感があるが、何か私に気に入らないところがあったのかもしれない。
調べたところによると、スズメバチやその他の警戒色を持つハチというのは、元来そこまで攻撃性が高いものではないらしい。だが、人間の気配を察知すると、自分が攻撃されると思って襲い掛かる習性があるようだ。
だから、殺虫スプレーなんかをまくと、余計に興奮してよってたかって攻撃してくる。実に取扱注意の昆虫なのである。
走って逃げろ!
私は後年釣り場でヘビにかまれ、マムシに遭遇したこともあるが、そこまで怖いものではなかった。要はこちらから攻撃の意思を見せない限り何ということもないもので、大体は逃げれば大丈夫みたいだ。
スズメバチには一撃必殺級の毒があり、あるいは二回喰らうとアナフィラキシーショックで死に至るという話も聞かれる。しかも相手は上空飛行タイプの人間にはない特性を持つもので、こういう敵からは逃げるしかない。決してその場で戦おうとしてはいけない(当たり前のことだが)。
走って逃げると興奮して余計にたかってくるかもしれないが、実際、その場で遭遇してみると、歩いてゆっくり立ち去るなどということはできないものだ。みなさんもどうか走って逃げ切ってほしい。
野池や渓流は危険が多い
それから私はスズメバチを結構怖がって、田舎の僻地で働いていたときには結構姿を見たので「イヤだな…」と内心思っていたものだが、幼少時に一度怖い目にあわされたおかげか、こちらにも身構えというものができているので今のところそれ以外の被害にあったことはない。
予防策として――どの程度の効果があるかわからないが、防虫スプレーなどは効くかもしれないので、ぜひ活用してほしい。
最近はクマ出没のニュースが相次いでいる。ネイティブトラウトのアングラーなどは、戦慄の話ではないだろうか?私はこれまで街中で出会うものであれば野犬が一番危険だという認識だったが、今はクマに他あるまい。
クマ出没の情報を共有するアプリも出ていると聞くので、郊外のアングラーは他人事と思わずチェックしておきたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>