<夫が慌てたワケ>突然の訃報!急ぐ様子に「モヤモヤ」近しい間柄でもないのになぜ?【まんが】
私はアカネ。夫のユウトと小学生の息子2人と暮らしています。義実家は車で1時間ほどの距離にあり、程よい親しさでお付き合いをしています。義実家のすぐ近くには義姉(ヒトミさん)家族も住んでいて、お互い助け合いながら暮らしているのだそう。ある金曜の夜、とつぜん義母からユウトあてに電話が入りました。するとユウトは私や子どもたちを置いて、バタバタと荷物をまとめて出て行ってしまったのです。いったいどういうことでしょう……?
たしか義姉のヒトミさんは旦那さんのご両親と同居しています。けれど私はそちらの家の方とは会ったこともなく……。どうリアクションすればいいか悩んでいると、ユウトはテキパキと喪服などを用意しはじめました。すぐに向かうといいます。
しばらくユウトの行動を呆然と見守っていましたが、私はふと我にかえります。明日の土曜参観はどうするの? 子どもたちもお父さんが来るからと、張り切って今日は早めに寝たのに。週末を実家で過ごすってことは、来ないつもり……?
金曜の夜、義母からユウトに突然かかってきた電話。それはユウトの姉ヒトミさんの義母が亡くなったことを知らせる内容でした。訃報を受けてバタバタと準備するユウトに、私はあっけにとられます。「私も行った方がいい?」「子どもたちはどうする?」と聞いてみましたが、ユウトの返事はどこか上の空。呆然としている間に、ユウトは出て行ってしまいました。 明日は子どもたちの土曜参観なのに……。たいして近くもない親戚の訃報に、ユウトが駆り出される必要はあるのでしょうか。家に取り残された私はモヤモヤするばかりです。
約束を破られて怒り!「行く必要あったの?」実家の母の意外な反応
私や子どもたちを気にかけることもなく出て行ってしまったユウト。その行動にモヤモヤしていた私は、ユウトからのメッセージを既読スルーしました。そして私も今夜は、子どもたちを連れて自分の実家へ泊まりにいくことにします。
リビングで母に「ユウトくん、大変だったわね」と声をかけられ、私の口からはつい愚痴がこぼれます。「なんか電話を受けたとたんに1人で用意して勝手に行っちゃってさ。意味わかんない」すると母が驚いた様子で私を見ました。「えっ?」
ヒトミさんの義母の訃報を受けて、慌てたように実家へ向かったユウト。けれど私はその行動が心に引っかかりモヤモヤしていました。ユウトが私や子どもたちをまったく気にかけてくれなかったこと、そもそもユウトが行く必要性など感じられないこと……。 そして子どもたちを連れて実家へ泊まりに行くことにした私。子どもたちが寝てから母に経緯を話しはじめましたが、かえって私が母からたしなめられてしまうことになります。家族を優先してほしい気持ちを素直に打ち明けただけなのに……。私はなにか間違えてしまったのでしょうか。
夫にとっては「姉の義母」じゃないのかも?浅はかな自分を反省……
母は私の言葉に「ありえない」という顔です。そういえばユウトは、ヒトミさんの義母のことを「ハタノのおばちゃん」と言っていました。ただの遠い親戚という間柄ではなかったのかもしれません。母から言われて自分の浅はかさに気付かされます。
「あちらのお義母さんだって、アカネが子どもを2人連れて葬儀に参列するのは大変だから気を遣ったんだと思うわよ」母に言われて気が付くとは、情けない……。想像力が働かず自分や子どもたちのことばかり考えてしまっていたのが恥ずかしいです。
たしかに母の言うとおり、私は突然の訃報を受けたユウトの気持ちに寄り添えていませんでした。ユウトが家族を置いていきなり実家に行ってしまったことや、子どもたちの参観に来る約束を破ったことしか見えていなかったのです。知っている人が亡くなるのは、多かれ少なかれショックなこと。逆の立場になって考えてみたら分かることだったのに……。 母からは「ユウトくんが戻ってきたらきちんと謝りなさい」と諭されてしまいました。自分がいかに浅はかだったのか、今は反省するばかりです。
涙を浮かべ……夫から語られた幼少期の思い出に「ごめんなさい!」
「実はハタノのおばちゃんは、子どもの頃から家族ぐるみで付き合ってきた友達のお母さんなんだ」「え、そうだったの……!」私はユウトの地元の親戚や友人にあまり会ったことがなく、そんな話は初耳でした。ユウトはぽつりぽつりと昔話を語りはじめます。
ふだんは寡黙で、あまり自分の感情を表に出すことのないユウト。こんなに長々と語るのは久しぶりです。ふと見ると目にはうっすらと涙がにじんでいました。ユウトにとってはこのたびの訃報は、何があっても駆けつけたいものだったのです。
帰宅したユウトの口から語られたのは、私がまったく聞いたことのなかった話でした。亡くなった「ハタノのおばちゃん」は小さいころにヒトミさんやユウトの面倒をよく見てくれた、いわば「第2の母親」とも言うべき人。ただの「姉の義母」という関係の人ではなかったのです。 私はあらためて自分の至らなさを恥じ、ユウトに謝罪をしました。次に義実家に行くときには、私も必ず「ハタノのおばちゃん」にお礼を伝えにいこうと思います。「小さいころのユウトがお世話になりました」という、心からの感謝の気持ちを込めて……。