実写『ヒックとドラゴン』、「アニメ版のモノマネはしない」 ─ ヒック役とアスティ役にインタビュー
実写映画版『ヒックとドラゴン』が公開中だ。2010年に公開され、今なおファンから絶大な支持を集める大人気アニメーション映画を初の実写化。アニメ版の魅力を、物語から構図に至るまで忠実に実写再現。脅威のドラゴンライド・アドベンチャーとして日本の劇場に羽ばたいた。
THE RIVERでは、この作品で主人公ヒックを演じたメイソン・テムズ、アスティ役を演じたニコ・パーカーにダブルインタビュー。テムズはのインタビュー登場となった。パーカーはタンディ・ニュートンとオル・パーカーを両親に持ち、ドラマ「THE LAST OF US」でも話題を集めた若手最注目株の1人だ。
インタビューの様子は、THE RIVER公式YouTubeチャンネルでも公開中。
『ヒックとドラゴン』ヒック役メイソン・テムズ、アスティ役ニコ・パーカー インタビュー
──本作を観たばかりですが、素晴らしかったです。評価をつけるならAプラス・プラス・プラス・プラス・プラスですね!完璧な実写化だと思います。オリジナルを無理に弄らず、忠実に映像化されていました。どうしてこのようなアプローチになったのだと思いますか?製作陣とは、どのようなビジョンを共有しましたか?
メイソン・テムズ:オリジナル版を作り上げたディーン監督が続投されたことが大きいです。彼ほどこの世界を理解している人は誰もいませんからね。
彼は15年間もの間、どうすれば違った形にできるかを考えてきたんです。そして、この世界を切り開くチャンスを僕達に与えてくれた。キャラクターをもっと掘り下げ、感情を込めたり、アクションを昇華させたり。オリジナル版に手を入れるつもりはありませんでした。あれは本当に素晴らしかったですから。ただ、新しい観客に届けたかったんです。
©2025 UNIVERSAL PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
──ファンは、アニメ版を思い出しながら本作を鑑賞すると思います。演技の面で、アニメ版に忠実でありつつ、どのようなバランスで独自の解釈を取り入れましたか?
ニコ・パーカー:愛されているキャラクターですから、モノマネをしようとは思いませんでした。それでは自分らしさが失われてしまうから。それに、ジェイとアメリカ(アニメ版の声優)と全く同じバージョンを演じるのは不可能です。なぜなら、ジェイとアメリカ、メイソンとニコでは違いますから。だからこそ、その違いを祝福するというのが、この映画の素晴らしいメッセージだと思います。
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この映画を先導してくれたディーンは、キャラクターに私たちならではの要素を正しく適切に取り入れる上を積極的に後押ししてくれました。さらに素晴らしいのは、身体表現や声のトーン、イントネーションなど、いろいろな点で自然と共通点がたくさんあること。キャラクターのことを理解して、その話し方を理解していれば、意識せずとも自然とアニメ映画版に近づいていくんです。
それに、私たちは2人とも、小さい頃からオリジナル版とキャラクターの大ファン。そんな彼女たちに自分たちの解釈を取り入れられるなんて、すごく特別なことです。一方で、みんなが大好きなアニメ版にも忠実であるように意識しました。
メイソン:僕が先に答えなきゃ!そんな答えされちゃったら、もう言うことがないじゃないか!(笑)
──ではメイソン、この人気キャラクターをどのように演じましたか?
メイソン:僕はヒックが大好きです。オリジナル版が好きなみなさんもそうですよね。彼には特別なものがある。よくある他のヒーローとは違う。彼が望んだのは、周りから浮かずに、みんなに溶け込むこと。彼はいつもよそ者だったけど、彼が自分は他とは違うんだということを受け入れたら、周囲も彼を受け入れるようになった。それはすごいことだと思います。
ええと、言葉が出てこない……。インタビューでこういう話になると、詰まっちゃうんだよな。とにかく、アニメ版は本当に素晴らしくて、ジェイが演じたものはあまりにも象徴的だった。彼が象徴的だったからこそ、それを汚すようなモノマネはしたくなかった。だからこそ新鮮な視点で取り組む必要が あったんです。でも、みんなが愛したヒックらしさはそのままに、新しい色を加えました。
ニコ:なかなか、うまくいってたよ。
メイソン:最後の方はうまく言えた。でも中盤はおかしくなっちゃって……
ニコ:いやいや、ヒック役の話。
メイソン:あ、そっち?ありがとう。
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──本作はお二人にとって、これまでで最大のセット撮影になったと思います。「うわぁ、こんなの初めて!」という瞬間はいつでしたか?
ニコ:毎日!
メイソン:訓練場!あれが最初だったから。
ニコ:そうだね、訓練場が撮影の1番最初だったんです。あの空間には度肝を抜かれました。視覚的に素晴らしいというのもあるんですけど、とにかくデカいから。
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巨大な空間に立つと、大きな責任を感じるだけでなく、その空間を埋めるんだという重圧も感じます。それが文字通りにも、比喩的にも感じられる要素でした。
でも、毎日セットを歩いていると、自分の環境や、一緒に仕事する皆さん、自分のセリフに畏怖の念を抱くようになります。「これは夢かな」って思う瞬間が、ずっとずっとありました。
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『ヒックとドラゴン』は大ヒット上映中。