<夫「つわりは甘え!」>モラハラのきっかけは……妊娠?苦しむ妻に「俺のメシは?」【まんが】
私はレイ。会社の同僚として知り合った彼氏のスバルは、もともと押しが強いタイプでした。ぐいぐいとリードしてくれるスバルのことを男らしいと思っていました。昔から優柔不断で自分の意見をあまり言えない私は、自分とは正反対の性格のスバルに気付いたら惹かれていました。
私の両親は他界しており、天涯孤独でした。スバルにプロポーズされたときは「もう1人ぼっちじゃないんだ」と、喜びでいっぱいでした。「嬉しくて泣きそう」と言う私でしたが、これが地獄のはじまりだったのです……。
念願の妊娠。スバルの希望で私は専業主婦になりました。幸せいっぱいの毎日が訪れるかと思いきや……なんと、私の妊娠を機にスバルのモラハラ気質が露呈しはじめたのです。最初に驚いたのは、私が重いつわりに苦しんでいるときでした。
結婚してからわかりましたが、スバルはややモラハラ気味……。その傾向は、私が妊娠してからより一層色濃く出始めました。妊娠中に私が体調の悪さを訴えても、まったく気にかけてくれません。それどころか私に対して暴言を吐くようになってしまったのです。どうしたらいいかわかりません。
もちろんスバルの態度が冷たかったのは、つわりのときだけではありません。お腹がかなり大きくなり、完全に妊婦の見た目になってもスバルの態度が戻ることはありませんでした。「どうしてこんなことを言われなければいけないんだろう」と悔しい気持ちが頭の中でぐるぐる回ります。
「ぐいぐいリードしてくれるところが男らしくてステキ」と思って結婚したスバル。
しかし私が妊娠してからは、「男らしい性格」が悪い方向に向かってしまい、典型的なモラハラ夫になってしまいました。
言い返したいのはやまやまなのですが、「もし今以上に暴言を吐かれることになったら……」と考えると何も言えなくなってしまいます。しかし実際に赤ちゃんが生まれたら、スバルも変わってくれるかもしれません。というか、今はそう信じることしかできないのです。
娘が生まれ「変わってくれるはず……」が、モラハラは加速!
「実際に赤ちゃんを見ればスバルも良いパパになってくれるはず」。そう信じて出産に挑みました。ありがたいことに母子ともに健康な状態で、無事、娘のカンナを産むことができました。
これからはすべてが良い方向に進む、そう信じて疑っていませんでした。しかし実際に生活を始めてみると、私の考えがいかに甘かったかを思い知らされることになりました。
私は「スバルだって親でしょ。ちゃんとカンナの面倒を見てあげて」と言いました。しかし、スバルの言い分はめちゃくちゃです。トンデモ理論を振りかざして、オムツもかえてくれません。スバルが言った「母親失格だな」という言葉に深く傷つきました。
無事に出産を終え、私たちは娘のカンナを新しい家族として迎え入れました。
「これでスバルも良いパパになってくれるはず」と信じていた私ですが、そんな淡い期待は見事に打ち砕かれました。
それどころかモラハラはより強くなってしまった気がします。
スバルはカンナのことをまったく可愛がってくれません。オムツやミルクなどはもちろん、抱っこですらほとんどしてくれません。しかも一線を越えた暴言まで吐かれて、私は絶望してしまったのです。
離婚届をチラつかせ……脅迫!?「役立たずのゴミが!」絶望
昼は部屋で泣きながらカンナのお世話をして、夜になるとスバルが私に向かって記入済みの離婚届をチラつかせながら罵詈雑言を吐くのを聞きながら泣いています。私にとってつらい日が何日も続きます。しかし私には頼れる人がいないのです。
そんなある日、カンナの1か月健診があって私は久しぶりにちゃんとした外出をしました。
病院のスタッフさんたちは、親身になって話を聞いてくれました。そして、まずは保健師さんに相談してみてはということになったのです。
さっそく、保健師さんがわが家を訪問してくれました。私は保健師さんにもスバルのモラハラがひどいうえにカンナの面倒を見てくれないこと、離婚届をチラつかせられていること、頼れる人がいないことなどすべてを話しました。
いろいろと説明をしてもらううちに、私は「行ってみたい」と思いました。しかしスバルに黙って行くわけにもいきません。
スバルのモラハラを受けて、毎日涙が止まらなくなってしまった私。
保健師さんからは宿泊型の産後ケアを勧められました。産後のママたちがゆったりと過ごすことのできる施設のようです。
興味を持った私はさっそくスバルに相談したところ、スバルは「無駄遣いだ」と大反対。挙句の果てには「離婚だ」と叫んで記入済みの離婚届を投げつけてきました。私は行くことすら許されないのでしょうか。今日も涙が止まりません。
【夫の気持ち】妻は怠けモノ「母さん、オレ離婚するかも~!」
俺はスバル。会社の同僚だったレイと結婚して、娘のカンナも最近生まれた。レイは付き合っていたときから優柔不断な女で、俺がいないと何も決めることができない。「こいつは俺がいないとダメかもしれない」と心配になって結婚した。しかし結婚生活が進むと、「妊婦なんだからもっと気遣え」「子どもの世話をしろ」とうるさい。育児は母親の仕事なのに、レイは何を勘違いしているんだろうか。出来の悪い妻を持つと本当に疲れる。
外で休憩がてら昼食をとっていると、母から電話がきた。
母は「そろそろカンナちゃんに会いにいきたいの。レイさんのご様子は?」と、聞いてきた。そんな母に「離婚するかも」と、打ち明けることにした。
母はひどく驚き、「何!? どうして?」と状況が全く飲み込めない様子だった。母は学歴はないが、レイよりは素養がある。きっと言いたいことは伝わるはずだ。
レイの悪口を言い始めたら止まらなくなってしまった。
レイは自分に甘いうえに、最近では俺への当てつけのように毎日泣いている。正直なところ、そんな姿を見るのももううんざりだ。
離婚届を用意しておけば、怠ける気持ちもなくなるだろうと思っていた。
もちろん本当に離婚するつもりはない。母から電話がきたときも、同じ母親としてレイにガツンと言ってもらうつもりで「離婚」の言葉を口にした。しかし母は激怒。一体何が母の逆鱗に触れたんだろう……俺にはよくわからない。
献身的な先輩にビックリ!妻を……いたわる!?
母が怒ったことが少し気にかかってはいたが、仕事をしないわけにはいかない。午後の仕事をこなし、ひと息つくためにコーヒーを飲んでいた。ちょうど先輩もその場にやって来た。レイのことを愚痴ろうとしたら、先輩は不思議なことを言った。
俺は先輩の献身的な働きにビックリしてしまった。
何も言えなくなってしまった。そしてようやく、「ひょっとして自分はやらかしてしまっていたんじゃないか」と気付いた。その日は妙に胸騒ぎがして、急いで家に帰ったが……。
先輩の話を聞いて違和感を覚えたところだったのに……。
先輩には「妊娠してから今まで、レイが何もしない」という愚痴を話したかったのだが、先輩は「なるべく産前産後の負担を減らして労わってあげないとね」と言い出した。
そこでようやく、「レイはかなり頑張ってくれたのでは」と気付いたんだ。なんだか胸騒ぎがして、仕事を終えてから慌てて家に帰った。
しかし家はもぬけの殻。リビングにへたり込んでしまった。レイとカンナはどこに行ったんだろう……。
【私の気持ち】地獄のような生活!私を救ってくれた「意外な人物」とは!?
夫であるスバルからのモラハラによって心身ともにボロボロの日々を送っていました。保健師さんから勧められた宿泊型の産後ケアに行こうとしたところ、スバルからはひどい暴言を吐かれ、離婚届を投げつけられたのです。どうして私はスバルに意見することも、自分の心身をケアすることも許されないのでしょうか。両親は他界しており、頼れる人もいません。またもや1人でさめざめと泣いていたら、なんと私に1本の電話が。その意外な相手とは……。
絶望して打ちひしがれていると、お昼を過ぎたころにスマホが鳴りました。
私はもうこの地獄から出ることができない。一生スバルからの罵詈雑言を受け止めなければならない。そう打ちひしがれていた私のもとに来てくれたのは、義両親だったのです。
私とカンナは、そのまま義両親の家に連れて行ってもらいました。車の中で状況を共有し合いました。
義実家に着くと、義両親は布団を敷いて私に横になるよう言ってくれました。義両親はカンナのことを「かわいいかわいい」と言って、優しく触れ合ってくれています。こんなに安心したのは、妊娠をしてから初めてかもしれません。
私はいつのまにか眠ってしまいました。
絶望の中でさめざめと泣いていた私の元にかかってきた電話。なんと電話の相手は義母でした。
どうやら義母は直前にスバルと話をしていたらしく、最近の私たち夫婦の関係について聞いたのだとか。そして私の状況に危機感を覚え、私をスバルから引き離そうと義実家に身を寄せることを提案してくれたのでした。
義両親の厚意に甘え、私たち母子は義実家に連れて行ってもらうことに。安心感からか、私は眠りに落ちてしまいました。
義両親の優しさに涙!モラハラ夫を捨て「ツヨい母になる!」
義父の力強い言葉に、私は思わず涙ぐんでしまいました。義母は私の味方であるようにずっと寄り添ってくれていました。
義父はスバルにハッキリと強い口調で「他人なんかじゃない! 大切なお嫁さんと孫を優先するのは当たり前だ!」と、言い放ちました。
その後、離婚に向け話し合いがはじまりました。スバルは「そんなつもりじゃなかった」「本気じゃなかった」と必死に弁解。しばらく見苦しい言い訳を繰り返していたスバルでしたが、暴言の録音や動画を提示すると観念したようです。
義両親が「生活の基盤が整うまで一緒に暮らそう」と言ってくれたので、しばらくはお世話になるつもりです。そのうちいろいろと落ち着いたら仕事を探そうと思います。なんだか不思議な同居ですが、ありがたい気持ちでいっぱいです。これからは義両親が私のことを守ってくれたように、私がカンナのことを守っていきたいです。
私とカンナを探して義実家まで押しかけてきたスバル。
私は内心戦々恐々としていましたが、義両親は私のことを守ってくれました。「了承なしに会わせたりしない」という事前の約束をきちんと守ってくれたのです。
私はその優しさに涙が止まりませんでした。結局その後、直接顔を合わせることなく離婚を成立させた私たち。
暴言のデータがあったことも後押しとなったようです。今後どうなるかはわかりませんが、義両親に見守られながら生活の基盤を整えたいと思います。