ロブションのDNAを感じる、バタークリームが圧巻のロールケーキ【神戸・芦屋】
本日の一品 > Pâtisserie La Gare by Louis Robuchon の「ロールケーキ パンプリー」(神戸)
東京・六本木の「ラ ブティック ドゥ ジョエル・ロブション」でよくケーキやパンを買っているという東京在住のエディター、吉村セイラさん。そんなロブションの味をこよなく愛する吉村さんが、関西出張の際、足を延ばして訪れ、おすすめしてくれたのがここ。故ジョエル・ロブション氏の子息、ルイ・ロブションさんが兵庫・芦屋にオープンしたパティスリーです。
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「フランス産発酵バターを使ったクリームのおいしさにロブションのDNAを感じます」(吉村セイラさん)編集部の「これも食べたい!」
【水曜15時のあまいもん】とは?
関西の食に精通するライター、エディター、フォトグラファーなど“取材のプロ”たちが、ほんとは教えたくない関西の「推しおやつ」を、和洋問わずレコメンド。確かな目利きで選んだあまいもんは、どれもわざわざ足を運んで大正解の、ハズレなしのおいしさです。
「フランス産発酵バターを使ったクリームのおいしさにロブションのDNAを感じます」(吉村セイラさん)
Pâtisserie La Gare by Louis Robuchon の「ロールケーキ パンプリー」
バタークリームをアーモンド風味の生地で巻いています。最近アーモンドのトッピングがプラスされ、食感がより豊かになりました。「ロールケーキ パンプリー」1カット 980円。
「ロブションブランドのお菓子の好きなところは、シンプルで、素材を大切に作られているのが伝わってくるところ。ご子息であるルイ・ロブションさんのパティスリーにも同じ魅力を感じました。それがとてもよくわかるのが、フランスのパンプリー村で作られたバターを使ったロールケーキです。コクがあってミルキーなバターのおいしさが存分に堪能できるクリームに感動します」(吉村セイラさん)
フレンチの巨匠として知られる故ジョエル・ロブション氏を父に持ち、日本で生まれ育ったルイ・ロブションさん。彼が手がけるスイーツブランドの世界初となるパティスリーが2023年4月、兵庫・芦屋にオープンしました。素材をなにより大切にするところは父と同じ。ルイさんは、フランスと日本の良質な素材をセレクトし、シェフ・パティシエと試行錯誤を重ねながら、お菓子にしています。
プリン生地とシャンティクリームにもバニラビーンズで香りづけ。やさしい甘さのリッチな味わいです。「クレーム キャラメル ラ・ガール」544円。
その代表格がロールケーキ パンプリーです。バターの名産地として知られるフランス・エシレ村の隣、パンプリー村で作られる良質で希少なパンプリーバターをたっぷりと使用。これにパータ・ボンブ(卵黄のクリーム)のみを加えて仕上げているというクリームは、なめらかで、濃厚ながらしつこくなく、バターのおいしさが存分に伝わってきます。
そして、もうひとつの定番がクレーム キャラメル ラ・ガール(日本でいうところのプリン)。ロールケーキがフランス産の発酵バターなら、こちらは卵黄の風味が濃厚な日本のブランド鶏卵「龍のたまご」を使用。カラメルを程よい苦みに抑えていて、卵のコクがしっかり感じられます。そのほか、丹波の栗や黒糖など、ケーキには「和」素材も積極的に使っています。
編集部の「これも食べたい!」
サブレ プラリネ ノワゼット
クリームがサンドされたサブレながら常温で持ち歩きできるので、手みやげに格好です。「サブレ プラリネ ノワゼット」S 880円、L 1,700円。
オープン当初は焼き菓子専門店としてスタートしたというだけあって、焼き菓子の豊富さも特徴のひとつ。中でも目を引くのが、薄く、繊細に焼き上げたサブレ類。甘さを抑えたカカオ風味のほろ苦いサブレで、キャラメル風味のチョコレートとヘーゼルナッツのクリームをサンドしたサブレ プラリネ ノワゼットは、薄いのに満足度がとても高い逸品です。
サブレ、ブール ド ネージュ、ディアマンなど焼き菓子だけでも25種以上。焼きたてのフィナンシェやマドレーヌ、カヌレ、ショソン オ ポムなども並びます。
ほかにも、淡路島産タマネギを使い、アルザス地方の伝統料理をイメージして焼き上げた塩味のサブレ アルザス、パンプリーバターを使った焼きたてのフィナンシェなど、まさに、フランス人の父と日本人の母を持つルイさんならではのラインナップです。
白を基調に素焼きタイルでアクセントを施した店内では、お菓子に合わせてセレクトしたお酒の販売も。
ルイさんが、自身のブランド1号店に芦屋という街を選んだのは、かつてこの地が「精道村」と呼ばれていた歴史があるからだといいます。「精」という言葉の持つ「念入りに手を加える」「まじりけのない純粋なもの」という意味は、まさに故ロブション氏が食に携わるうえで大切にしてきた精神。それを自身の「道」にしたいという思いからだそうです。ずらりと並ぶお菓子からも、そんなストーリーを感じることができます。
教えてくれた人吉村セイラ/Seira Yoshimura
エディター&ライター。「ELLE ONLINE」「madameFIGARO.jp」「SPUR.JP」など、 ファッション誌のウェブ編集者を経て、フリーランスに。東京在住ながら、近年は関西の仕事が多く、お店開拓にはげむ日々。“あまいもん”はもとより、パン、ワインにも目がない。
DATA
Pâtisserie La Gare by Louis Robuchon(パティスリー ラ・ガール バイ ルイ ロブション)
兵庫県芦屋市船戸町1-6
TEL 0797-23-0233
営業時間 10:00~20:00 ※商品完売次第、閉店する場合有り
定休日 不定休
\from Editor/
お店は、JR芦屋駅の、ほんとうにすぐそばにありました。年配のご夫婦が「デザインが少し変わったね」と言いながら、たくさんのケーキを買っていく様子に、早くもこの街で愛されているのが見てとれます。もちろん、初めてでも、ルイ・ロブションのお菓子を愛してやまないポーランド出身のドロタさんが、笑顔で迎えていろいろ教えてくれますよ。
※最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。
写真/吉村規子 文/齋藤優子 企画・編集/吉村セイラ