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美術家たちはいかに“色”と向き合ってきたのか?「カラーズ —色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」が2025年5月18日まで箱根『ポーラ美術館』で開催中

さんたつ

1_ベルナール・フリズ《Ijo》2020年 ポーラ美術館

名品コレクションを中心に、近年収蔵した初公開作品10点を加え、近現代美術における「色彩」の変遷にダイナミックにせまる「カラーズ —色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」が、2025年5月18日(日)まで、神奈川県箱根町の『ポーラ美術館』で開催されている。

“色”と向き合い続けた美術家たちの秘密が明かされる

アンリ・マティス《リュート》1943年 『ポーラ美術館』。

近代から現代までの美術家たちが獲得してきた「色彩」とその表現に注目。色彩論や色を表現する素材との関係にふれながら、その役割についてあらためて考察する本展。19世紀の印象派や新印象派から現代アートにいたる色彩の歴史を、絵画や彫刻、インスタレーション作品によって読み解いていく。

ベルナール・フリズ《Ijo》2020年 『ポーラ美術館』撮影=Ken Kato(C)Bernard Frize / ADAGP, Paris, 2024 Courtesy of the artist and Perrotin。

『ポーラ美術館』のコレクションには、モネ、ルノワールをはじめとした19世紀フランスの印象派や、スーラおよびシニャックに代表される新印象派、20世紀のフォーヴィスムや戦後の抽象表現主義など、近代から現代にかけての西洋美術の歴史をたどることのできる主要な画家の重要な作品が数多く含まれている。本展は『ポーラ美術館』の名品を中心に、近年新たに収蔵した10点の初公開作品を加え、近現代美術における「色彩」の変遷をダイナミックに紹介していく内容となっている。

研究を重ねて独自の表現方法を編み出し、時代を表してきた美術家たちの色彩に込められた秘密が明かされていく構成が興味深い。

クロード・モネ《サルーテ運河》1908年 『ポーラ美術館』[展示期間:2025年1月下旬~5月18日]。
ロベール・ドローネー《傘をさす女性、またはパリジェンヌ》1913年『ポーラ美術館』。

現代作家たちの新作からアートの可能性を探る

小泉智貴《Multicolored Ruffle Cape》2020年 作家蔵。

近代から戦後の美術家たちの絵画にインスピレーションを受け、色を表現する素材や色彩構成にこだわる現代の作家たちにも着目。伝統的な色材や新たに開発された材料を選び、それらを自由に組み合わせながら独自の芸術を具現化しようとする作家たち。一方、「用と美」の美意識にもとづく工芸あるいは色彩豊かな立体作品を手がけながら、素材の特性から立ち現れる伝統的な色合いをとどめた造形に美を求める作家も。彼らの色彩に向き合う姿勢や色彩を生かした創作活動から、現代アートの“これから”が見えてくる。

草間彌生《無限の鏡の間 ―求道の輝く宇宙の永遠の無限の光》 2020年 作家蔵 (C)YAYOI KUSAMA Courtesy of Ota Fine Arts。
山口歴《MÖBIUS No. 18》2021年 夢工房蔵(C)2021 MEGURU YAMAGUCHI (C) 2021 GOLD WOOD ART WORKS 撮影=浦野航気。
ヴォルフガング・ティルマンス《フライシュヴィマー 74》2004年 『ポーラ美術館』 (C)Wolfgang Tillmans, Courtesy Wako Works of Art。

開催概要

「カラーズ —色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」

開催期間:2024年12月14日(土)~2025年5月18日(日)
開催時間:9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:会期中無休
会場:ポーラ美術館(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285)
アクセス:箱根登山線強羅駅から無料送迎バス8分
入場料:一般2200円、高校生・大学生1700円、中学生以下無料
※身体障害者手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)1100円。

【問い合わせ先】
ポーラ美術館☏0460-84-2111
公式HP https://www.polamuseum.or.jp/sp/colors/

取材・文=前田真紀 画像提供=ポーラ美術館

前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。

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