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物流ドローン「DJI FlyCart 30」で6kmの輸送に国内初成功。ドローン用運航経路開発するクロステックフィールドジャパンが実施

DRONE

クロステックフィールドジャパンは、物流ドローン「DJI FlyCart 30」で6kmの距離をドローン輸送する実証実験を実施した

実証の背景

出発式の様子

今回、実証実験を実施したのは、クロステックフィールドジャパン株式会社だ。この会社は、2023年8月にドローンの空路開発などを目的に、岐阜県のドローン事業社など賛同する会社が集まって共同で設立された。

クロステックフィールドジャパンは2024年5月7日(火)に岐阜県関市、各務原市とともに、ドローンをはじめとする次世代高度技術を活用し、地域課題の解決に向けた事業や災害発生時の対応を強化するため、連携協定を締結。

関係者MTG

この連携協定に基づく事業の一つとして、災害時を想定した物流ドローンによる飛行実証実験が実施されることになった。今回の飛行ルートはクロステックフィールドジャパンとして初めて開拓した「空の航路」を活用して実施するものだ。

「DJI FlyCart 30」で6kmのドローン輸送

出発式での平野祐也社長

13:00から中日本航空専門学校の格納庫で出発式が催された。クロステックフィールドジャパンの平野祐也社長より、関係各所への感謝の言葉とともに、クロステックフィールドはドローンを日常に実装していく会社だと説明があった。その後、関市の山下清司市長、中日本航空専門学校の中村寿志校長が続いた。

出発式が終わり雨のなか関係者が500ml入りペットボトル24本(12L)を、DJIの物流ドローン「DJI FlyCart 30」に積み込んだ。

DJI FlyCart 30は、人・物から30m離れているのを確認後、雨のなか飛び立った。

今回の飛行は、DJI DeliveryHubを活用して、決められた航路を自動的に飛行する自動航行で運航した。このDJI DeliveryHubで、ドローンがどこを飛行しているのか、ドローンからの映像や機体情報をリアルタイムで把握できる。

中日本航空専門学校から飛び立って、約12分後にテクノプラザに到着した。同時に、会場から拍手と安堵の声が上がった。

ドローンがテクノプラザ第8駐車場に到着

平野祐也社長(クロステックフィールドジャパン株式会社)

到着式では、クロステックフィールドジャパンの平野社長から、関係各所への感謝の言葉とともに今回を機にドローン航路を開拓していきたいと語った。さらに各務原市の浅野健司市長からも今回の実証実験が非常に重要であったと意義について強く語り、期待が大きいと讃えた。

今回、あいにくの雨模様となり関係者はいろいろ気をもんだと思うが、実証実験自体は非常にスムーズに実施された。これは、関係機関および関係者のチームワークがとてもよく、さらに念入りに準備をしてきた結果だろう。

今後の展開

実証実験が成功して笑顔の関係者

実証実験の終了後、クロステックフィールドジャパンの設立メンバーのひとりである株式会社ROBOZの石田宏樹代表に、今回の実証実験について話を伺った。

――今回の実証実験を100点満点で評価すると、何点だと思われますか。

石田氏:今回の実証実験は100点です。予定していた運行計画通りに進行したこと、スタッフ連携がスムーズだったこと、想定していたリスクなどの排除もできたこと等々です。

――改善点は見つかりましたか。

石田氏:本ルートでは完璧な実証実験でしたので同じ運航であれば改善点はないですが、今後同じルートでレベル3飛行を予定していますので、その際に本実証を踏まえて再挑戦したいと思ってます。

――次のマイルストーンはいかがでしょうか。

石田氏:ROBOZとしては長距離のドローン輸送を実施します。山間部での災害物資輸送や、農作物のファーストワンマイル輸送、スーパーから過疎地への物資輸送など本年度予定してます。

――今後、ドローン用運航経路はどうやって拡げていく予定でしょうか。

石田氏:本実証実験で行ったルートからクロステックフィールドの飛行場のある富加町方面へ向けて徐々に拡大していく予定です。

実証実験の実施中は常に真剣な顔つきだった石田代表は、インタビュー時にはいつもの笑顔が戻っていた。今回、雨のなか予定されたプラン通りに飛行できたのは、ROBOZをはじめとする優秀なスタッフの存在と、関係各所とのスムーズな連携の賜物だろう。

今回の成功に続き今後、レベル3飛行、長距離ドローン輸送、ドローン用運行経路の拡張とドローン物流を強く推進していくと石田代表は強く語った。

岐阜県は、ドローン産業を将来の"中核産業"として育成・支援するため「岐阜県ドローンビジネス推進研究会」を立ち上げており、今回の実証実験でも県として後押している。さらに川崎重工業がヘリ型ドローン「K-RACER」を開発しているのも、岐阜県各務原市の拠点だ。

今後、岐阜県から新しいドローン利活用がどのように拡がっていくのかはとても興味深く、引き続き追いかけていきたい。

クロステックフィールドジャパン

ROBOZ

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