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ブリ、ホタルイカで仕込む富山の魚醤 和食はもちろん洋食にも【片口屋】天保創業で約200年の歴史ある射水の味噌醤油店 オススメの魚醤3選

nan-nan 富山の情報

ブリ、ホタルイカで仕込む富山の魚醤 和食はもちろん洋食にも【片口屋】天保創業で約200年の歴史ある射水の味噌醤油店 オススメの魚醤3選

味噌や醤油、みりん、酢…日本の食文化には欠かせない発酵調味料。

 

和食を下支えする重要な存在で、その豊かな風味に加えて、減塩や腸内環境の改善も期待できるなどの健康的なメリットから、世界的にも注目されています。

富山県にも長く地域の食文化を支えてきた醤油や味噌の醸造蔵が多くあります。

 

射水市小杉地域の「片口屋」もそのひとつ。

創業は江戸時代、第11代将軍の家斉が治めていた1830(天保元)年で、195年の歴史がある老舗の醸造メーカーです。

江戸時代から200年近く 地域の食を支える老舗醸造蔵

「片口屋」があるのは、射水市小杉エリアのまちなかを流れる下条川沿い。

春には千本桜が咲き乱れ、周辺には小杉展示館(旧・小杉貯金銀行)や竹内源造記念館(旧・小杉町役場)など、歴史的な建物も残る風情あるエリアです。

 

味噌や醤油の製造がメインですが、10年ほど前からブリを使った魚醤などの発酵調味料や加工品の製造・販売も手掛けています。

現在の店主は、7代目となる片口敏昭さん。

 

先代から店を引き継ぐときに「自分の代では新しい事業にも挑戦しなければ」と思い立ったことが、富山らしいブリの魚醤を開発するきっかけになったのだそう。

魚介を使った発酵調味料「魚醤」とは?

魚醤は近くだとお隣・能登の「いしる」が知られますが、そもそも魚醤ってどんなものか知っていますか?

 

醤油と違うの? クセが強いの?など、あまり親しみがない人もいるかもしれません。

 

魚醤とは、生の魚介類を塩漬けにして、発酵・熟成させた液体調味料のことで、発酵の過程で動物性たんぱく質が分解され、特有の風味と香りが生み出されます。

つまり、醤油や味噌のように大豆や米は使っていません。

ざっくり言えば、大豆から作るのが「醤油」、魚介から作るのが「魚醤」です。

 

能登の「いしる」はイワシやイカの内臓を原料するもので、このほか秋田のハタハタから作る「しょっつる」、イカナゴを原料とする香川の「いかなご醤油」を合わせて日本の代表的な魚醤とされています。

東南アジアでもポピュラーな調味料で、タイのナンプラー、ベトナムのニョクマムなどはエスニック料理に欠かせません。

「片口屋」が作る富山の魚醤オススメ 3選

長い老舗の歴史の中で、伝統を守りながらも新しいものに挑戦する「片口屋」。

今回はその新しい挑戦の中から、オススメの魚醤と調味料を3つ、紹介します。

オススメ① ブリを使った魚醤「鰤醤」

鰤醤 1200円(税込)

まずは、ブランド魚として有名な氷見の寒ブリを使った魚醤、その名も「鰤醤(ぶりしょう)」。ブリの旨味成分がぎゅっと凝縮された、「片口屋」の自信作です。

 

富山県の推奨とやまブランドにも認定され、射水市の学校給食にも使用されているのだとか。

これひとつでも味が決まるので、肉料理の下味に使用したり、鍋つゆのベースや炊き込みごはんに使用したりと、幅広く活躍します。

「鰤醤」のポイントは、魚醤に特有のくさみをカットしていること。

 

魚介類を原料とする魚醤は多くが独特の香りを持っていて好き/嫌いも分かれますが、「片口屋」では製造の過程でくさみの元になる油分を丁寧に取り除いています。

 

その分、濃いブリの旨みだけをしっかり感じることができ、「魚醤はちょっと苦手…」という人にとっても使いやすく仕上がっています。

オススメ② ホタルイカの旨味が詰まった魚醤「蛍烏賊醤油」

蛍烏賊醤油 1200円(税込)

ブリと並ぶ、富山湾を代表する海の幸・ホタルイカ。

 

そのホタルイカと塩のみで作る「蛍烏賊醤油」も、くさみの元となる油分を取り除き、ホタルイカの風味と旨味だけを凝縮した魚醤です。

オススメの使い方は海鮮類とあわせること。

 

イカやホタテなどを焼いて、さっとかけると旨味が倍増します。

オススメ③ 洋の味わい「ホタルイカバーニャカウダ」

ホタルイカバーニャカウダ 980円(税込)

こちらは、魚醤の発想をベースに少し変化を加えた「ホタルイカバーニャカウダ」。

発酵させたホタルイカと富山県産のニンニク、塩、オリーブオイルで作っています。

 

一般的なバーニャカウダソースはカタクチイワシを塩漬けにして発酵させたアンチョビで作りますが、こちらは富山県らしくホタルイカ。塩気に加えて、しっかりとホタルイカの風味豊かな存在感があります。

オススメの使い方は、パスタのソース。

1人前に瓶の半分ほどを和えると、簡単にぺペロンチーノのような味わいに。

 

ホタルイカの濃厚な風味が加わって、一気にリッチな1皿に変わります。

和食はもちろん、パスタやピザなどの洋食や中華のオイスターソースの代わりにも使えそうな「片口屋」の魚醤。

 

原料によって味や風味が全然違ったものになるのも面白さのひとつ。今後、他の魚介からバリエーションを増やす構想もあるそうなので、これからの展開が楽しみです。

出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
   2025年9月29日放送
記事編集:nan-nan編集部


【片口屋】
住所 富山県射水市戸破荒町6362
営業時間 9:00~16:00
定休日 水・土・日曜、祝日

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