【今週のアニメ『キングダム』の話題は?】第7話「陥落の武器」3軍に分かれての「鄴攻め」! 見逃せない戦いがはじまる
『キングダム』は、紀元前中国の戦国時代を舞台にした、原泰久先生の人気漫画作品。こちらのアニメの第6期が、この秋10月からスタートしています。
今期は、主人公 信(しん)が、「王騎(おうき)の矛(ほこ)」をどこまで使いこなせるようになるのか? また、秦(しん)が、本格的に中華統一に向けて動き出す、その一手はどうなる? と作品全体の中でも、ターニングポイントになるシーズンかと思います。
さて、こちらでは、11月16日(最速)に放送となった、第7話「陥落の武器」のあらすじを、振り返っていきたいと思います。
※第7話のあらすじを含みます。
第7話「陥落の武器」あらすじ
進軍を続ける信・蒙恬(もうてん)・王賁(おうほん)・桓騎(かんき)たち秦軍は、予想外の指令に納得がいかない様子を見せています。列尾(れつび、趙の国門)を捨てた秦軍が向かうのは、鄴(ぎょう)のはずだったのに、小都市 吾田(ごた)だからです。そんな行軍の中、総大将 王翦(おうせん)は、楊端和(ようたんわ)率いる山の民軍5万を、陽土(ようど)の公孫龍(こうそんりゅう)軍9万に差し向けます。
場面は変わって趙の東。趙は秦を相手にする一方で、燕とも戦っています。秦軍が吾田に向かっている間、趙の大将 司馬尚(しばしょう)が、燕のオルド軍を追い払うことに成功しました。
住民を追い出す作戦?
場面は秦軍に戻って吾田です。秦軍は、あっという間に吾田を落としたのです。
真っ先に入場した桓騎軍、住民から食糧や財産を略奪にかかります。信が止めに入ろうとすると、「待て 信」と蒙恬。王翦の命令によって「民を殺さずに食糧を奪ってる」とのことなのです。
王翦は住民たちに「お前達を傷つけることは、この軍の総大将王翦が一切許さぬ」とも宣言。王翦って、こんなに正義感のある人物でしたっけ? 感謝する住民たちに王翦は、“命は取らないが、戦である以上城都の占拠をしなければならない、民はすべて吾田から出て東へ向かうように”とも。実は王翦は、住民を鄴に難民として集めることで、鄴の食糧が尽きるように仕向けていたのです。
さらに7都市の難民を、すべて鄴に入城させるべく作戦が始動。実信・蒙恬・王賁にも命令が下ります。3軍に分かれて、鄴までの間にある小都市あと7個を落とせ!
暗い……あまりにも……
一方の趙、李牧が王都 邯鄲(かんたん)に到着。太行山脈(たいこうさんみゃく)の向こうから、急いで帰ってきたのです。李牧を慕う将が駆け寄る中、李牧が述べた作戦は次のようなものでした。
「ここ(王都圏)まで秦軍に入って来られたのなら、逆に秦軍を鄴に集め、それを趙軍で囲って動かず。“兵糧攻め”にします」。鄴の城内の食糧と、鄴を囲む秦軍の食糧の、どちらが先に尽きるのか? 地獄の持久戦です。
李牧は、邯鄲に帰還したからには、王の前にひざまずき拱手の姿勢を取ります。しかし、趙の悼襄(とうじょう)王は、政治や国民のことには関心がありません。軍事は李牧に任せてはくれますが、特に協力はせず。李牧が要請した邯鄲からの出兵にも不許可を出しており、今回の李牧の拱手に対しても「後のことなど知ったことか」と言う始末です。李牧は「暗い……あまりにも……」とつぶやくのでした。
8万8千で閼与(あつよ)へ
一方の秦軍。軍全体に王翦からの指令が飛びます。
・桓騎軍6万は鄴を包囲。
・壁(へき)将軍は桓騎軍2千とともに橑陽(りょうよう)の楊端和軍と合流。
・「李牧は必ず閼与軍に入って攻めて来る」ので、王翦軍7万と玉鳳隊5千・楽華隊5千・飛信隊8千の“合計8万8千”で閼与へ。
ここで、趙の王都圏にある城都を整理しておきましょう。まずは、王都 邯鄲、そして邯鄲の南に鄴、邯鄲の西 太行山脈のふもとに2大都市。これが、橑陽と閼与です。鄴で持久戦をやりながら、この2つを潰さなくてはならない、というわけです。
趙側も李牧がそれぞれに指示を出します。李牧の側近 舜水樹(しゅんすいじゅ)は、橑陽軍の大将に抜擢されましたが、その力はどれほどなのでしょうか? 趙の上層部の人間でさえ知らないようです。
橑陽で、楊端和vs.舜水樹。閼与で、王翦vs.李牧。鄴を囲む桓騎。3軍に分かれての「鄴攻め」が始まります!
「鄴攻め」の年、エレベーターが誕生!?
さて、ここで、作品と直接関係ない小話を。実際の世界史についてです。
歴史上、実際に秦が「鄴攻め」を行ったのは、紀元前236年なのですが、この年に世界ではどんなことが起こっていたのでしょうか?
世界初のエレベーターが誕生
中国で「鄴攻め」が行われている紀元前236年、世界で初めてのエレベーターがローマで誕生しています。アルキメデスによって作られたとされるのですが、ここでいうエレベーターは現代のような仕組みの装置ではなく、人力と滑車とロープを使って荷物を建物の上の階に上げる装置でした。
アルキメデス後、エレベーターは、荷物用の装置として改良が加えられながら、一部の人夫の間に存在し続けていました。そんな世界の一部分に存在していたエレベーターが、大衆のものになるまでには、アルキメデスから2千年以上の時間が掛かりました。19世紀の産業革命で、人力以外の動力が世の中に浸透するまで、待たねばならなかったのですね。
ちなみに、街で初めてのエレベーターはデパートへの設置だったという地域は多く、人々はエレベーター目当てにデパートに行った、という話は世界中に残っています。例えば、休日には家族でエレベーターに乗りにデパートに出掛け、上の階にあるジューススタンドの飲料や無料の水を一杯だけ飲んで帰ってくる、などという話です。
次回は、第8話「火蓋を切る」
次回は第8話「火蓋を切る」です。王翦と李牧の知恵比べのゆくえはいかに? 実際に軍がぶつかりあうと、この知恵比べの結果が表れてくるのではないでしょうか。実際の戦いの前から繰り広げられる頭脳戦は、まるでボードゲームのようです。
それにしても、戦いが始まる前から有利不利がある程度決まっているのに、現場の兵士たちにはそれが見えないとは……。兵士たちにとって、すごく恐ろしい状況ではないでしょうか。みんな頑張れ! 生き伸びるんだ!
SNSの反応
視聴後のSNSには、王翦と李牧の頭脳戦に見入る声が続々。「直接武力で衝突してなくても熱い」「李牧と王翦どっちが上をいくかな?」などの声が。
また、李牧と暗王との関係を見て、「上司と合わないとほんと辛い」と実感のこもった声も多かった気がします。
その他、「壁が楊端和でやる気になる!(笑)」と壁役の遊佐浩二さんの演技に湧く声、「司馬尚は速水奨さんだ」と今話からご出演の速水奨さんに、喜びの声が上がるなど、たくさんの感想が寄せられていました。