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王子様役&現役高校生との共演は驚きばかり!『君に届け』時代が蘇った収録秘話ーー『太陽よりも眩しい星』神城光輝役・小野友樹さんインタビュー

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

『高校デビュー』『先生!』『俺物語!!』(作画:アルコ)などで知られる河原和音先生の最新作『太陽よりも眩しい星』がTVアニメ化! 2025年10月2日よりTBS系28局にて全国同時放送開始です。

平均より少し頑丈な女の子・岩田朔英は、小学生の頃に恋した男の子・神城光輝が爽やかイケメンに成長したことで徐々に遠い存在と感じてしまいますが、とある出来事をきっかけに初恋が動き出す。そして高校進学を機に、朔英は神城の距離は縮まっていき…。

今回、主人公・朔英が恋する神城光輝を演じる小野友樹さんにインタビュー! 作品の魅力はもちろん、驚きばかりだったという収録の様子についてもお話を伺いました。

【写真】秋アニメ『太陽よりも眩しい星』小野友樹インタビュー

神城は王子様に見えて……?

ーー原作をご覧になった印象をお聞かせください。

神城光輝役・小野友樹さん(以下、小野):今回、神城光輝というキラキラ男を任せていただくにあたって、今の小野友樹としてどう演じるのかを考えながら読んでいます。この作品は登場人物の魅力がそれぞれ違っているところが特徴で、そんな彼らの絆の深まり方が一歩一歩楽しく描かれていると感じました。

ーー演じる神城光輝はどんな人物ですか?

小野:神城は王子様に見られがちなんですけど、問題解決の仕方が不器用だったりと、意外と等身大なところがあります。でも、振る舞いや言い方がバシッとしているから「これはどんなつもりで言っているんだ?」と本心がわからないことが結構あるんですよね。現場ではそれに対して、ほかのキャストから突っ込まれたりするんですけど、僕はそのたびに「わかってやってくれよ!」とフォローしたりしました(笑)。

ーーそんな神城に恋する朔英の印象はいかがでしょうか?

小野:まず神城に対して真っ直ぐですよね。誤報に振り回されてすれ違ったりもしますが、そこは少女漫画の主人公としての魅力を備えているということなんだと思います。それでいて彼女はコンプレックスがありながらも、ちゃんと向き合える強さもあって、本当に素敵な女性です。

ーー高校進学を期に、ふたりの関係がどう動き出すのか注目ですね。

小野:やはり彼らの関係性はこの作品の根幹ですよね。原作を読んでいて、ふたりの関係が小さい頃から断片的に描かれていることで、キャラクターやストーリーの解像度が上がっているなと感じましたし、僕としては彼らに親近感が湧きました。

現役高校生との共演に驚き

ーー神城役はオーディションで決まったそうですね。

小野:そうですね。当時は「こんなキラキラしたキャラクターを受けさせてもらえるのか」と驚きました(笑)。僕は太めで強めの声が得意なので、恋愛作品の王子様タイプはそこまで経験がなかったんです。だけどオーディションを終えて、スタッフさんに「小野さん、こういうキャラクターもいけるんですね」と言っていただけて安心しました。

自分にとってのオーディションは役を勝ち取るための勝負の場であるとともに、今回のようにチャレンジして引き出しを増やす機会でもあるんです。だから合格して嬉しかったですし、より気合が入りました。でも、いざキャスト同士で顔合わせをしたら、まさかヒロインが現役高校生だったという(笑)。

ーー収録当時、(岩田朔英役)藤寺美徳さんは高校生だったと伺っています。

小野:僕の中で、こういう恋愛作品のメインキャラクターはキャリアが近い男女が演じるものだと思っていました。だけど今回、年齢が倍以上離れていて(笑)。そういった状況を含めて、最初は神城光輝というキャラクターを模索していました。

ーー小野さんのキャリアの中でも特殊な作品になったと。

小野:そうですね。お芝居を20年もやらせていただいていると、年代に応じて技術が増えるんですけど、逆に“等身大の高校生”とか捨てないといけないものもあります。だけど今回、なにも捨てずとも等身大の高校生であり、朔英ちゃんである藤寺さんとご一緒したことで学ぶことがたくさんありました。

ーー藤寺さんとは現場でどのようなお話を?

小野:モノローグとそれ以外の部分をどう演じわければいいのか、と相談されたことがあります。朔英ちゃんはモノローグが多く、表に出すセリフと別々で録っているわけではないので、切替を瞬時にしないといけないんです。だから聞いているみなさんに、今は心の声なのか、話し声なのか、どうすれば伝わるのか悩んでいるみたいでした。

そこで、表に出しているセリフは対象が明確にいるから距離感がハッキリするけど、モノローグは自分の内で喋り続けているから距離感がわかりづらくなる、みたいな話をした覚えがあります。だけど彼女は高校生の感性を持ち合わせていて、それをマイク前で発揮できている人なんです。だからお芝居に関するお話というのはそれくらいでした。

神城としてそこにいれば自然な演技になる

ーー演じるにあたって苦労はありましたか?

小野:朝イチの収録だったこともあって、若々しいキレイな声を出そうとするとちょっと詰まるんです。最初は一声一声をチューニングしながら神城を登場させていました。あ、そういえば、調整していたら藤寺さんが「私、咳払いしたことがないんですよね」と言っていて。全く煽りではないんですけど、それを聞いて若さを感じました(笑)。

あとは、たまに年齢感が上がりすぎて、スタッフから「もうちょっと神城に寄せましょうか」みたいにバランス調整することがありました。

ーー全体的に現場で演技を固めていく方向性だったのでしょうか?

小野:そうですね。オーディションから収録まで期間が空いたので、原作はちゃんと読みつつも変に固めすぎないようにしました。そこから現場でスタッフと確認し合いながら固めていったんですけど、録り終えてみて想像以上に演技を任せていただいたと感じています。

ーー神城は状況や相手によって様々な面を見せますが、演じるにあたって切り替えみたいなものは意識しているのでしょうか?

小野:僕個人としてはそこまで意識はしていないです。ストーリーに乗っかりながら神城としてそこにいれば自然な演技になるんじゃないかなって。そもそも学生時代って、そこまで器用に人によってリアクションをわけていたわけではないじゃないですか。あとはやっぱり朔英ちゃんが等身大の高校生だからこそ、逆に僕はやりすぎないように気を付けていたところもあります。

作品を通して、蘇る“あの頃”

ーー本作の舞台は北海道ですが、小野さんは小学生の頃に住んでいたそうですね。

小野:そうなんです。僕が住んでいた近所の公園が出ています。

ーーそれはすごい偶然ですね。

小野:あと、同じ『別冊マーガレット』で、北海道が舞台の『君に届け』のことを思い出しました。『君に届け』は新人の頃に参加させていただいた作品で、当時は浪川大輔さんと能登麻美子さんの背中を見てお芝居や人としてのあり方を学んだんです。そして今回、あの頃のおふたりに近しいポジションで『太陽よりも眩しい星』に参加できたことは温故知新とも言えるかもしれません。

ーー最後に、放送を楽しみにされている方々へメッセージをお願いします。

小野:この作品はほぼ等身大の高校生である藤寺さんが真っ直ぐで繊細な朔英ちゃんを演じています。僕としても彼女の第一声を聞いて、朔英ちゃんを演じてくれて嬉しいと思いました。そしてみなさんには、朔英ちゃんの恋模様や友情を堪能してもらいつつ、楽しい学生時代を思い出してもらえたら嬉しいです。

[インタビュー・撮影/MoA]

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