『サイズが小さい犬種』5選 主な特徴や超小型犬を飼うときの注意点とは?
サイズが小さい犬種5選
一般的に、小型犬は大型犬に比べて運動量が少なく、医療費や食費など、飼育にかかる費用も少なく抑えられることが多いです。また、小型犬用のベッドやクレートなどはコンパクトで、あまり場所を取りません。
そのため「犬を飼うなら、サイズが小さい犬種がいい」と考える人は多いでしょう。
そこで今回は、「サイズが小さい犬種」を主な特徴とともにご紹介します。
1.チワワ
✔原産国:メキシコ
✔体高:15〜23cm
✔体重:1.5〜3kg
メキシコが原産のチワワは、世界最小の犬種として広く知られています。被毛の種類により、ロングコートとスムースコートの2タイプに分かれます。
チワワの成犬時の体重は1.5〜3kgほどですが、その小さな体からは想像できないほど活発で勇敢な性格を持っています。一方で、繊細で警戒心が強い面もあります。
祖先は、古くからメキシコにいた『テチチ』という犬であるという説が有力で、1850年にアメリカに渡った後、小型化が進められ、現在の姿になったとされています。
チワワは、通常は成長とともに閉じる泉門(頭頂部の柔らかい部分)が開いたまま(泉門開存)である個体が多いため、頭部へ衝撃を与えないように注意が必要です。
2.トイプードル
✔原産国:フランス
✔体高:24〜28cm
✔体重:3kg前後
プードルはフランスが原産で、祖先の犬は水鳥猟で獲物を回収する役割を担っていました。サイズによってスタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイの4タイプに分けられ、最も小さいのがトイプードルです。
トイプードルの性格は聡明で活発、そして飼い主に忠実です。人懐っこく甘えん坊な面もあります。
トイプードルの特徴であるカールした美しい被毛を保つためには、毎日のブラッシングと定期的なトリミングが必要です。トイプードルは被毛のお手入れに手間はかかるものの、抜け毛が少ないため、アレルギー体質の人でも比較的飼いやすいと言われています。
3.ポメラニアン
✔原産国:ドイツ
✔体高:18〜22cm
✔体重:1.8〜2.3kg
ふわふわの被毛と愛くるしい顔立ちが印象的なポメラニアンは、体重が2kg前後と小柄ですが、祖先はサモエドの血を引く大型犬だと考えられています。ドイツのポメラニア地方で小型に改良されたことから、ポメラニアンと名付けられました。
性格は勇敢で警戒心が強いですが、明るく活発で遊び好きな面も持ち合わせています。
ふわふわの被毛は細くて絡まりやすいので、毛玉を防ぐために、毎日のブラッシングが欠かせません。
4.ヨークシャーテリア
✔原産国:イギリス
✔体高:22.5〜23.5cm
✔体重:3.1kg以下
ヨークシャーテリアは、19世紀中頃にイギリスのヨークシャー地方の紡績工場の工員や炭鉱夫たちによって、ネズミ退治のために作出されました。
当時は現在よりも大きく、もっと黒っぽい毛色をしていましたが、その後、小型化と被毛の改良が進み、美しいシルクのような被毛を持つ現在の姿になりました。その被毛の美しさから『動く宝石』と呼ばれています。
テリアの中では最小ですが、大変活発で、勇敢で自信に満ちた性格をしています。一方で、警戒心が強い一面もあります。
美しい被毛は、ブラッシングを怠るとすぐに毛玉になってしまうため、毎日丁寧にブラッシングすることが大切です。
5.カニンヘンダックスフンド
✔原産国:ドイツ
✔胸囲:30cm以下
✔体重:3.2〜3.5kg
ダックスフンドはドイツが原産で、体のサイズが大きいほうからスタンダード、ミニチュア、カニンヘンの3タイプに分けられます。そしてさらに、被毛のタイプでロング、スムース、ワイアーの3タイプに分類されます。
元々は猟犬で、スタンダードダックスフンドはアナグマを、ミニチュアダックスフンドとカニンヘンダックスフンドはウサギなどの小動物を追うために作出されました。
カニンヘンダックスフンドの性格は、活発で好奇心旺盛。独立心が強く、頑固な一面もあります。
カニンヘンダックスフンドは長い胴体と短い脚が特徴で、その愛らしい姿は多くの人を魅了します。しかし、長い胴体は背骨に負担がかかりやすく、特に肥満になると、椎間板ヘルニアを発症しやすくなります。適度な運動と食事管理で、適正体重を維持しましょう。
超小型犬を飼うときの注意点とは
上記でご紹介した5犬種は、いずれも「超小型犬」と呼ばれています。超小型犬とは、『成犬時の体重が4kg未満の犬種』を指します。
超小型犬は、その小ささゆえに、飼う上で注意すべき点がいくつかあります。
ここからは、超小型犬を飼うときの注意点をご紹介します。
骨折に注意する
超小型犬は骨が非常に細く、ちょっとした衝撃でも骨折してしまうことがあります。ソファから飛び降りた際に、前足を骨折してしまうケースが少なくありません。
小型犬を飼う際は、ソファに犬用のステップやスロープを設置するなど、高所からの飛び降りを防ぐ工夫をしましょう。階段にはゲートを設置すると安全です。また、犬を抱っこしているときは、落とさないように十分注意しましょう。
さらに、滑りやすい床には毛足の短いカーペットやコルクマットを敷いたり、ペット用の滑り止めワックスを塗布したりするなどして、犬が滑って転倒するのを防ぎましょう。
歯周病に注意する
犬の唾液は弱アルカリ性で、酸性の環境を好む虫歯菌は繁殖しにくいですが、アルカリ性の環境を好む歯周病菌は繁殖しやすいです。そのため、犬は虫歯になりにくい一方で、歯周病になりやすいです。
歯周病の原因は歯垢で、歯垢の中の歯周病菌が歯茎に炎症を起こします。そして、炎症が歯を支える骨まで広がると、歯が抜けてしまいます。また、歯周病菌が血液に入り込むと、心臓病や腎臓病など、全身の病気を引き起こす可能性があります。
超小型犬や小型犬は、顎が小さく歯が密集しているため、歯垢がたまりやすく、歯周病になりやすいです。子犬のうちから歯磨きの習慣をつけ、歯周病を予防しましょう。
歯磨きは毎日行うのが理想ですが、それが難しければ、3日に1回は行うようにしましょう。また、定期的に動物病院で歯と歯茎の健康チェックをしてもらうことも大切です。
寒さに注意する
犬は寒さに強いというイメージがあるかもしれませんが、犬種や個体差により寒さへの耐性は異なります。
超小型犬は、体重あたりの体表面積が大きいため体温が奪われやすく、寒さに弱いとされています。冬場は、風を通しにくい服を着せて散歩に行く、暖房で室内温度を適切に保つなど、寒さ対策が必要です。
犬が寒さを感じているときは、震える、丸まって寝る、いつもより元気がないなどのサインが見られます。これらのサインを見逃さないようにしましょう。
散歩は必要
超小型犬の多くは、1日に必要な運動量が少なめですが、散歩が不要というわけではありません。散歩は、運動不足解消だけではなく、ストレス発散や社交性の育成などの役割も果たしているからです。
超小型犬であっても、毎日散歩へ連れて行きましょう。ただし、犬の体力に合わせて、無理のない範囲で行うことが大切です。
甘やかしすぎない
超小型犬は小さくて可愛らしいので、飼い主はつい甘やかしてしまいがちです。しかし、甘やかしすぎると、犬がわがままになり、吠えや噛みつきといった問題行動を起こしやすくなります。
甘やかしたくなる気持ちは分かりますが、しつけはしっかりと行いましょう。『オスワリ』『フセ』『マテ』『オイデ』といった基本的なコマンドを教え、飼い主の指示に従えるようにしましょう。また、安易に犬のおねだりに応じないようにし、おねだりする習慣をつけさせないことも大切です。
適切にしつけを行うことで、犬は飼い主との信頼関係を築き、安心して幸せに暮らすことができます。
まとめ
今回は、「サイズが小さい犬種」について解説しました。
これらの犬種はいずれも体重4kg未満の超小型犬です。
超小型犬を飼うときは、「骨折に注意する」「歯周病に注意する」「寒さに注意する」「散歩は必要」「甘やかしすぎない」等のの点に注意しましょう。
超小型犬の体は小さいですが、その小さい体には大きな責任が伴います。超小型犬をお迎えすることを決めたら、これらの注意点を守りながらたっぷりの愛情を注いで、幸せにしてあげてください。