ちょうど「蕎麦」と「小麦粉」の中間でウマイです【家そば放浪記】第261束:ヨークベニマルで買った、白石興産『五割蕎麦 伊達な蕎麦』321円(1人前160円)
伊達政宗といえば仙台。そんな仙台を有する宮城県をはじめ、福島県、山形県、栃木県に茨城県で展開するスーパーマーケットこそが「ヨークベニマル」。
そして、そんなヨークベニマルに(お盆の時期だが)、思い切りド派手に平積みされていたのが白石興産『五割蕎麦 伊達な蕎麦』である。
創業明治19年「白石興産」も宮城県の製麺所。うどんもそばも扱っているが、最も得意なのは400年の歴史を持つ「白石温麺(しろいしうーめん)」であるもよう。
ちなみに白石温麺を超簡単に説明すると、病弱な父のために「消化が良く元気になる食べ物」を追い求めていた鈴木浅右衛門さんが、旅の僧に教えてもらった製麺方法。
結果として浅右衛門さんの父親の病状も回復。まさに “父に捧げる麺” だったのだ。そんな人を思いやる「温かい心」から温麺と名付けられたのだという。
なお、麺の分類上は「そうめん」類に属するのだという。勉強になった! さらに詳しくは白石興産のHPを参照のこと。
それではさっそく……
デカい鍋に湯を沸かし……
5分ほどゆでて……
ハイ完成。
して、そのお味は──
五割。まさに五割。
「伊達な蕎麦」の「伊達政宗」に意識を引っ張られていたが、この商品の本質は商品名の前半『五割蕎麦 伊達な蕎麦』、そう、五割蕎麦である。
なぜそう感じたのかというと、「蕎麦のうまさ」と「小麦粉のうまさ」が、ちょうどちょうどよくダブルで感じられたからである。
「蕎麦のうまさ」と「小麦粉のうまさ」の中間に位置しているといっても良いだろう。
まず口当たりが非常に良い。麺の太さに固さにコシ的な強さ。そして味。非常にわかりやすいウマさ。
決して十割の本格的な「蕎麦」ではないかもしれないが、実にわかりやすく「うまい」と言える蕎麦なのだ。
「家そば」か「外そば」かなら「外」であろう。
立ち食いそは屋さんやフードコートよりも上。しかし、本格的なお蕎麦屋さんよりは下。
でもうまいから、いろんな食べ方で食べたくなる蕎麦。冷でも温でもイケると思うけど、この味なら冷でいくのが良い気がする。
「伊達」と何かの駄洒落を考えて記事を終わらせようと思っていたが、うまさが先行してひらめかず。
137年の歴史を誇る製麺所の実力は伊達じゃない。
参考リンク:白石興産
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24