全国高校剣道選抜県予選特集 女子(2)柳ケ浦 密度の濃い練習で積極的なスタイルへと進化 【大分県】
剣道の全国高校選抜大会県予選が26日に開催される。昨夏の全国高校総体で男子の明豊が準優勝、女子の明豊が3位となったことで、出場枠は男女ともに2枠に増える。全国切符獲得を目指す男女それぞれの有力チーム、注目選手を紹介する。
昨年11月に開催された県高校新人大会で、女子団体が準優勝、個人戦では鹿毛心鈴(1年)が5位タイという好成績を収め、2月の九州高校選抜大会への出場権を獲得した。高倉寛矢監督は「調子が良いわけではなかったが、気持ちで乗り切った。試合内容にはまだ改善の余地がある」と冷静に振り返る。この結果は、チームにとっては励みであると同時に、さらなる課題を突きつけられるものでもあった。
新チームは勢いに満ちている。昨夏の全国高校総体に出場したエース鹿毛を中心に、実力派の1年生が加わり、活気があふれている。すでにエースの風格を漂わせる鹿毛は「新人大会で負けた悔しさが倍増し、もっと厳しい稽古を積みたいと思った」と語り、その闘志に火がついた。速い展開に持ち込む得意の形をさらに磨くため、足さばきを重点的に鍛えた。「勝つための準備を徹底する」という信念で、鹿毛は自分を限界まで追い込んでいる。
オンとオフのメリハリを重視して稽古に励む
先鋒を務める岩本心優(1年)も、鹿毛の影響を受けている。稽古では鹿毛に負けじと追い込み、自身の打突力と決定力を着実に向上させた。高倉監督は「先鋒はチームの顔。試合の流れをつくり、勢いを与える役割を担う。明るくチームのムードメーカーである岩本にその役割はピッタリだ」と期待を寄せる。新たな力が加わり、チーム全体の士気も高まっている。
キャプテンを務める中尾美羽(2年)は、頼もしい1年生の加入によってさらに活気づいたチームを率いる。「県新人大会では準優勝だったが、全国選抜の県予選では優勝しか考えていない」と力強く語る。
このチームの特徴は、上下関係を超えた仲の良さだ。普段は和気あいあいとした雰囲気だが、稽古に入れば緊張感が走る。高倉監督の「オンとオフのメリハリを大切に」という指導が行き届いており、集中した練習がチーム全体の技術力向上につながっている。「一番稽古したところが勝つ」という監督の言葉を胸に、選手たちは密度の濃い練習を重ねる。その結果、打突力が向上し、チーム全体が積極的なスタイルへと進化した。
目標は「優勝」以外にない。「勝たなければ意味がない。どこも寄せ付けない強さで頂点に立つ」と鹿毛は決意を語る。仲間との絆と、ひたむきな努力が生む力を信じ、頂点を目指す。
全国選抜県予選では優勝を目指す
(柚野真也)