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「トゥヴェール」買収効果でスキンケア事業が急拡大 I-neが株主優待を刷新し配当も増額

セブツー

ボタニカルブランド「ボタニスト(BOTANIST)」や「ヨル(YOLU)」などを展開するI-ne(アイエヌイー)は11月7日、2025年12月期第3四半期(1〜9月)の連結決算を発表した。売上高は343億6500万円で前年同期比9.8%増と引き続き堅調だった一方、営業利益は22億700万円(同25.4%減)、純利益は11億500万円(同29.8%減)と増収減益となった。

主力の国内事業は、売上高は335億7300万円(同10.6%増)と2桁の伸びを維持。営業利益は46億500万円(同16.0%減)だった。減益の主因は、2024年にスキンケアブランド「トゥヴェール(TOUT VERT)」を展開するトゥヴェール社を約101億円で買収した際に発生したのれん償却費などの一時的な負担によるものだ。

このM&Aの効果により、I-neのスキンケア事業は一気に拡大。「トゥヴェール」を中心に売上を伸ばし、スキンケアカテゴリーの売上高は前年同期比434.9%増の66億3000万円に達した。第3の柱として定着しつつある。

一方、海外事業の売上高は7億9200万円(同17.2%減)と苦戦。中国市場で展開していた連結子会社、艾恩伊(上海)化妆品有限公司(I-ne上海)を2024年12月に解散した影響が大きい。I-ne上海は2020年の設立以来、中国向けにボタニカル系ブランドを展開してきたが、累計赤字が14億円を超えたことから撤退を決断。売上は減少したものの、赤字幅は前年同期の6億円超から1億6900万円まで縮小しており、収益体質の改善につながった。

カテゴリー別では、主力のヘアケア部門がやや減速。売上高は前年同期比5.8%減の209億5000万円となった。4月に実施した「ヨル」のリニューアルでは、リブランディング効果の浸透が遅れたことが影響した。ただし、第3四半期にはオンラインを中心に販売が回復し、前期比で再びプラスに転じた。ECチャネルの売上は前年同期比19.5%増と好調で、同社のデジタル販売戦略が奏功している。

株主還元にも積極的だ。I-neは同日、株主優待制度の内容をリニューアルすると発表。12月末時点での株主を対象に、100〜499株保有で1万円分、500株以上保有で2万円分のデジタルギフト(自社サイト、楽天ポイント、Amazonギフトカードなど)を贈呈する。また、期末配当予想を13.5円から15.0円に引き上げ、株主への還元姿勢を強めた。

I-neは通期で、売上高520億円(前年比15.5%増)、営業利益50億4000万円(同11.1%増)、純利益27億円(同8.5%減)を見込む。ボタニカルを軸としたブランド戦略に加え、M&Aによるポートフォリオ拡大が寄与し、売上高は過去最高の更新ペースにある。

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