ひざにかかる負担は体重の3〜6倍!ひざ痛改善のための「適正体重」管理術
「ひざの痛み」に悩むあなたへ。書籍『となりの先輩患者 自分で改善する変形性膝関節症・ひざ痛』(KADOKAWA)は、つらいひざの痛みを乗り越え、「痛みなく歩けるようになった先輩患者さんの実践法」を集めた一冊です。理学療法士であり予防と治療のプロフェッショナルである川内 雅和氏が、実践しやすい生活の工夫や効果的な運動法を丁寧に紹介してします。膝の疲れをやわらげるマッサージ法や再発を防ぐ生活習慣など、生活全体を見直すトータルな改善方法がわかります。今回はこの本の中から、「痛みなく歩ける毎日」を取り戻すために知っておきたいことをご紹介します!
※本記事は川内 雅和(著)による書籍『となりの先輩患者 自分で改善する変形性膝関節症・ひざ痛』から一部抜粋・編集しました。
【夜のちょこっと習慣】1日1回体重を測って"ひざによい体重"を管理する
体重は、重すぎても軽すぎても、ひざにはよくないことを知っておきましょう。
歩行や階段の上り下りといった日常の動きでも、ひざに体重の3~6倍の重さがのしかかっています。体重50kgの人では、ひざにかかる負荷は150~300kgにもなります。すなわち、適正体重をオーバーしている人は、そうでない人に比べて、ひざに大きな負荷がかかり、痛みや変形が悪化しやすくなります。逆に体重が軽すぎる人は、ひざ周りの筋肉量が減っているためにひざを支えられず、骨や軟骨に負荷がかかります。
適正体重を保つようにしましょう。適正体重は、BMIから判断できます。体重を管理するためには、1日1回体重を測ることをおすすめします。毎日測ることで食事と体重の関係も自分でわかるようになり、食事内容の改善もしやすくなります。お風呂上がりなど、タイミングを決めて毎日体重を測るようにしてください。
【ワンポイント】70歳以上の人はやせすぎに注意
70歳以上ではBMIは25前後が、最も死亡リスクが低いとわかっています*。特に病気があると多くのエネルギーが消耗されます。エネルギー不足に要注意です。
* Matsuo T, et al. Obesity. 2008
やせすぎも太りすぎもひざに悪影響
BMIから判断しよう
BMIは肥満度の国際的な指標。 数字が大きいほど肥満度が高く、小さいほど肥満度が低い。18.5以上25.0 未満が健康的とされる。
計算式
体重(kg)÷身長(m)×身長(m)=BMI
身長が170cm で体重が70kg の人の場合
70(kg)÷ 1.7(m) ×1.7(m) =24.2
BMIが18.5未満の人
⇒筋力低下の危険がある
体重を増やそう
低体重で、筋肉量が少ない傾向にあり、ひざへの負担が大きくなっている。栄養不足や貧血、骨粗しょう症になるリスクも高い。タンパク質を十分にとって、体重を増やしてから運動をする。
BMIが25.0以上の人
⇒体重によるひざへの負担大
体重を減らそう
肥満とされ、体重によるひざへの負担が大きくなっている。また、糖尿病や高血圧など生活習慣病になるリスクも高い。食事を見直して体重を減らすことから始めよう。