「プーチンの戦争を支持する国民は多い」ロシアについて朝日新聞論説委員に聞く
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組、『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 10月4日の放送は、朝日新聞出版 朝日新書の『ロシアから見える世界 なぜプーチンを止められないのか』を著した、朝日新聞論説委員の駒木明義氏が出演。金曜パートナーの壇蜜とともに、本の内容やロシアについて伺った。
大竹「駒木さんは、何回もロシアに行ってらっしゃる」
壇蜜「青春時代はペレストロイカだったとか」
駒木「そうですね。90年に卒業旅行で、まだソ連という国があった時に、シベリア鉄道で旅行したのが最初の僕にとっての海外旅行でした」
壇蜜「本の最初から、ロシアとつながるべくしてつながったということが読み取れて、やっぱり運命ってあるのかなって思っちゃいました」
駒木「それが急にこの2年、あるいはそれ以前から、大きく変わってしまったので、本当に大きなショックを受けました」
大竹「都合、何年ぐらいロシアにいらしたんですか?」
駒木「住んでいたのは9年間ですね」
大竹「最も長かった時は何年?」
駒木「2013年から2017年までの4年半は、モスクワ支局の支局長として住んでいました」
大竹「直近の2017年は、向こうの大統領はどなたでしたか」
駒木「プーチン大統領ですね。2000年に大統領になるわけですからもう24年です」
大竹「その前の時代は汚職とか色んなものがまん延していたっておっしゃってますね」
駒木「ソ連が崩壊したあとですね。急激に無秩序な自由状態になってしまって、力とお金がものを言う世界になってしまうわけですよ。つまり、ソ連の法律がなくなって、でも、新しい法律はまだできていない。どの法律をどう適用していいのかも分からないという無秩序状態の中で、今までソ連の体制に守られて安定した生活を送っていた人たちが、突然、貧乏のどん底に陥る。尊敬されていたお医者さんとか先生とかも貧乏になって、その代わり、ゴロツキやマフィアみたいな人たちがものすごいお金を稼いで、高級車を乗り回して、力で街を支配する。本にも書きましたけど、当時、男性の平均寿命が50歳代に落ちるんですね、90年代半ばですけれども。本当に社会的、政治的な大混乱の中で、プーチン大統領が一定の秩序を取り戻したという受け止め方は、ロシアにおいては今もあります」
壇蜜「ということは、プーチン大統領が救った面は大きいという意識が国民にある?」
駒木「ありますね。本当に混乱した、落ちぶれた、三流の、周りから見下される国を、また胸を張れるような国にしたという思いは、一定程度以上の世代にはあると思います」
壇蜜「ところが今は?」
駒木「やはり、今のプーチンがやっている戦争を、形のうえでは支持している国民は多いです。田舎へ行くとまた違うんですけれど、特にモスクワとかサンクトペテルブルクとか、ロシアの大都市の人たちは、残念なことに戦争をほとんど感じずに暮らせてしまっているんですね。そういう人たちにとって、これは仕方がないことなんだと、ロシアが強大になって西側から恐れられる国になったことの証拠なんだというふうに受け止めている。もろ手を挙げて歓迎している人は少数派だと思いますが、プーチン大統領が言うように、欧米からロシアの安全を脅かされて、やむなくやっていることなんだという説明を受け入れる人は多いと思います」
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