モンスターカップで証明する自分の強さ ボクシングライト級・田中敦己(鶴崎工業2年) 【大分県】
九州4県(宮崎、佐賀、長崎、大分)の高校ボクシング対抗戦「モンスターカップ」に出場するライト級・田中敦己(鶴崎工業2年)。1年時から県外の高校との練習試合で頭角を現し、県外の監督からは「1年生であのレベルはすごい」と驚かれるほどだった。飯田育夫監督も「ストレートが良くなった。器用さもあるので、自分の距離感や攻め方を確立できればさらに成長する」と期待を寄せている。
2月のモンスターカップ予選となる県選手権は見事に優勝。しかし、田中は「もっと練習でやってきたことを出せたはず」と反省する。相手は近距離で戦うタイプだったため、本来の長い距離での戦い方を生かせず、焦って相手の距離で戦ってしまった。田中のボクシングスタイルは、長い距離で相手をコントロールし、詰めてきたら打ち合うスタイル。得意技は左ボディアッパーだが、県選手権で勝てた要因は「ワンツーをしっかり真っすぐ打てるようになったこと」と自己分析している。
自分のボクシングスタイルを磨く
田中がボクシングを始めたのは中学3年の時。高校でボクシングを始めた兄の姿を見て、「自分もやってみたい」と思ったのがきっかけだ。小学4年からキックボクシングを続け、小学校の6年間は水泳にも取り組んでいた。キックボクシングで培った「気持ちの強さ」と、水泳で鍛えた「筋力」と「スタミナ」は、ボクシングにもしっかりと生かされている。
モンスターカップに向けて、田中は県外の学校との練習試合や大学との合同練習で実力を磨いている。「課題をしっかり修正して、自分の実力を最大限発揮して勝ちたい」と強い意志で挑む。飯田監督は「お調子者タイプで、褒められると一気に勢いが増す。調子に乗りすぎないように、普段の生活で謙虚さを意識させてコントロールすることが大事」と、田中の性格を生かしながら指導している。
最終目標は、高校卒業までに全国高校総体でベスト4に入ることだ。田中は「目標達成のためには、毎日基礎を忘れずに積み重ねていくこと。そして、人がやらない部分での努力を大切にしていきたい」と語る。気持ちの強さと努力を武器に、モンスターカップ、そしてその先にある全国大会への道を進んでいく。
「全国高校総体でベスト4を狙う」と語った田中敦己
(柚野真也)