百貨店5社のインバウンド売上高が今期6000億円を突破か
JNTO(日本政府観光局)によると、8月末までに訪日した外国人の数が2400万人を突破した。月平均では300万人となり、このペースが続けば今年は3600万人の訪日客が見込まれる。10月には中国の大型連休である国慶節があり、中国からの観光客は昨年以上を記録したようだ。円安の追い風もあり、ラグジュアリーブランドのバッグや宝飾などの高額商品を中心に、化粧品や食料品が訪日外国人に売れている。
インバウンド景気は百貨店に多大な恩恵をもたらしており、三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、髙島屋、エイチ・ツー・オー リテイリング、松屋の百貨店5社が今期の通期業績予想を上方修正している。今期のインバウンド売上高は、三越伊勢丹は1783億円、大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ.フロントリテイリングは1330億円、髙島屋は1250億円、阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー リテイリングは1125億円を見込んでいる。松屋はインバウンド売上高の予想値を公表していないが、2024年2月期決算では337億円を計上しており、今期はすでに期初の想定を上回って推移している。
百貨店5社で今期は6000億円のインバウンド売上高が見えてくる。2025年2月には中国の新年にあたる春節があり、さらなる上振れも期待できる。