時を超える叡智:パテック フィリップ、グランド・コンプリケーションの世界
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}時を正確に示す。そのために人類は多くの叡智を集めて挑んだ。グランド・コンプリケーションは、人類の知的探求心の表れであり、パテック フィリップの歴史や伝統を語るものでもあるのだ。texttetsuo shinoda
photographypak oksun
still photographytatsuya ozawa
stylingakihiro shikata
groomingkaori sakihama
時計という機械はそもそも、太陽や月から導き出された時間という見えない概念を、可視化するために生まれた。天文学や物理学、冶金学や機械工学といったあらゆるジャンルの叡智を融合させて生まれた時計は、長い間人類が生み出した最高峰の機械だった。最初は針が一本だけだったが、徐々に機能が増えていったのは、時間の謎を解き明かしたいという思いがあったから。機械式時計の進化は、人類の知的探求心の歩みでもあるのだ。だからパテック フィリップは今でも、「グランド・コンプリケーション」の研究開発を続けているのだろう。
同社のグランド・コンプリケーションの歴史の中で欠かせないのが、20世紀初頭にアメリカのふたりのコレクターの注文から生まれた数多くのグランド・コンプリケーションウォッチだ。
アメリカの自動車王ジェームス・ウォード・パッカードは根っからのエンジニアで、懐中時計にも最高峰のエンジニアリングを求め、ミニット・リピーターとトゥールビヨンなど、複数の複雑機構を搭載することを好んだ。また、大きな置時計に用いられる機構を、小さな懐中時計に搭載することも求めたという。ひとつの機構だけでも高度な技術を求められるのに、それを複数搭載する。あるいは機構を小型化する。それは前例のないチャレンジだったが、それが同社の技術力を向上させることになった。
ショールカラーニット ¥96,800Mc George タートルネックニット ¥68,200Cruciani
もうひとりのコレクターは、マンハッタン生まれの銀行家ヘンリー・グレーブス・ジュニア。グレーブス家は代々の富裕層であり、彼も幼少期から名品に囲まれて生活してきた。さまざまな美術品を蒐集するに飽き足らず、彼は懐中時計にも興味を持ち始める。研ぎ澄まされた審美眼が選んだのは、パテック フィリップの時計だった。それは「蒐集する以上は最上のものを」という、祖父から受け継いだ哲学に従った結果である。彼が注文し1933年に完成した「グレーブス・ウォッチ(通称)」は、世界で最も複雑(当時)な時計であり、なんと20の複雑機構を搭載していた。その機構の複雑さも素晴らしいが、それ以上に時計の表面と裏面を巧みに利用してさまざまな機構を表現し、裏面にはニューヨークの夜空を表現した天空星座図を収めるという美しいデザインも高く評価された。
パテック フィリップは、こういった趣味人が求める高度なオーダーウォッチを通じて、機構と美的表現の両方で卓越した技巧を築き上げた。そしてそういった過去からの蓄積が、現代のグランド・コンプリケーションへと結実している。
「永久カレンダー」は、月の大小だけでなく、閏年の有無まで把握して動くカレンダー機構であり、宇宙の法則を身近に感じることができる。
「クロノグラフ」は計測機器として生まれたものだが、時を動かし、止め、再び動かすことができるロマンティックな機構でもある。なお、異なるふたつの対象を同時に計測する「スプリットセコンド式クロノグラフ」は、パテック フィリップが1902年に特許を取得している。
ブルゾン ¥363,000Paul Stuart
「アラーム」は、奏でる音で任意の時間の到来を知らせる機構。パテック フィリップでは、ローカルタイムとホームタイムを機能的に表示する「トラベルタイム」と組み合わせることで、便利な旅の時計に仕上げている。
すべての時計が、複雑機構を搭載しているだけでなく、美しい表現や技法も取り入れており、紳士たちを熱狂させてきたパテック フィリップの歴史や文化を濃密に感じることができるだろう。
ただし残念ながら、パテック フィリップのグランド・コンプリケーションは、生産数が少ない希少モデルばかりなので、もしも手に入れるチャンスが巡ってきたら、それを逃してはいけない。どれだけ後悔しても、時間を戻してくれる複雑機構は今のところ存在しないのだから。
スーツ ¥1,204,500~、シャツ、タイ ともに参考商品 all byBrioni
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
Tel.03-3255-8109
https://www.patek.com/
THE RAKE JAPAN EDITION issue 67$(function(){ var spcp = $(".series_posts").children("p").first().text(""); });