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夏休み終盤!親子のバトルを避けて「宿題を乗り越える」コツ

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夏休み終盤!親子のバトルを避けて「宿題を乗り越える」コツ

臨床心理士・公認心理師のyukoです。夏休み後半、家事、仕事、イベント、習い事などで慌ただしい毎日を送っている親御さんも多いのではないでしょうか。この時期に起こりがちなのは「宿題まだ?」の親子バトル。思春期・反抗期の難しい時期に突入する前に、親子バトルを減らし、残った宿題をスムーズに乗り越えるコツを考えてみましょう。

宿題やった?まだ終わってないの?

夏休みも終盤。「宿題やったの?」「まだ?」が口癖になる頃ではないでしょうか。
小学校中学年~高学年は、親の指示を素直に聞かなかったり、反発しやすくなる時期。YouTubeやSNS、ゲームなど魅力的なコンテンツに囲まれていると、やるべきことが後回しになってしまう子も少なくありません。

この時期、親が躍起になって「なんとかやらせよう」とすると、親子バトルが止まらなくなります。カギになる関わり方は、「どう進めるかを一緒に探す存在」になること。子どもが宿題を「やるべきミッション」として肯定的に捉えられるようにするのが重要です。

では、タイプ別に関わり方を見ていきましょう。

タイプ別!夏休み後半の宿題サポート法

気が散りやすいタイプ(集中力が続きにくい子)

机に向かっても数分で別のことを始めたり、休憩がやけに長い子には、こまめな声かけやリビングでの見守りが有効です。

・宿題を細切れに分け、「まず5分やってみる」から始める。

・終わらせるより「取り組んだ事実」を褒める。

・休憩の時間を明確に決め、キッチンタイマーを活用する。

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伴奏型のサポートがあると、子どもも取り組みやすくなります。「今の5分集中できてたね」「このページ終わったらおやつにしよう」「疲れた? じゃあ次にやる時間を決めて休もう」などの声かけがあるとよいでしょう。

注意力が不安定なタイプ(注意機能が未熟な子)

指示を出しても忘れる、順番を間違える、教材探しに時間がかかる子は、声かけの工夫が重要です。

・一度に複数の指示を出さない。

・「次は何だっけ?」と確認しながら進める。

・ホワイトボードや付箋でやることリストを見える化する。

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忘れやすさやケアレスミスが多い子は、声かけに配慮しないと自信を失いやすくなります。ミスに対しては「今は練習期間だからね」「次は同じミスをしないようにしよう」と前向きな声をかけると安心です。

締め切りギリギリタイプ(計画立案が苦手な子)

最後にまとめてやろうとする、進捗の見通しが立たない子には、大人が一緒に予定を立てて進捗を確認するのがコツです。

・残り日数を一緒に数え、1日の“最低限ライン”を決める。

・全部終える計画より、「これだけは今日やる」を設定。

・楽しみな予定と宿題をやる日をカレンダーで整理する。

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夏休み後半、バトルが多くなりやすいのはこのタイプ。「残り10日、今日これやれば安心だね」「これが少し遅れてるみたい。どうすればいいかな?」など、修正しながら進めていくとよいでしょう。

大事なのは「自分でやり切った」という感覚

夏休み後半は、親の焦りが子どもに伝わりやすい時期。イライラモードで関わると、子どもも応戦体制に入り、親子バトルになりがちです。また、「他の友達はもう終わっている」「これだけしかできていない」などマイナス面に目を向けると、長期休みのたびに宿題が苦痛になってしまいます。

大切なのは量や比較ではなく、「自分でやり切った」という達成感。
達成感が得られると、「自分はやればできる」という感覚が育ち、意欲ややる気につながります。今年の夏は、「最後の怒鳴り合い」よりも、「一緒に作戦を考えた時間」で終われるといいですよね。

yuko/臨床心理士・公認心理師

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