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【東京散歩コース】目黒・白金〜個性的な寺を巡る目黒、名建築と自然に触れる白金〜

さんたつ

目黒 白金

目黒という地名の由来には諸説あるが、江戸の町にあった目黒、目白、目赤、目黄、目青の五色不動のうち、この地に「目黒不動尊」があったことに由来するというのが一般的。この「目黒不動尊」周辺は寺町となっており、たこ薬師に多幸を祈る「成就院」、禅僧が十数年の歳月をかけて彫りあげた羅漢像を安置する「五百羅漢寺」、おしろい地蔵の「蟠龍寺」、目黒駅近くには石仏群が圧巻の「大円寺」がある。白金まで足を延ばせば、アール・デコ様式の建物そのものが芸術品といえる『東京都庭園美術館』があり、都内とは思えないほど豊かな自然が残る『国立科学博物館附属自然教育園』が隣接する。白金の二大スポットは、美と自然に癒やされる。

利庵(としあん)

【散歩コース】

スタート:不動前駅は東急目黒線で目黒駅から1分・140円、武蔵小杉駅から16分・230円。

東急目黒線不動前駅→(8分/0.5㎞)→成就院→(3分/0.2㎞)→目黒不動尊→(3分/0.2㎞)→五百羅漢寺→(5分/0.3㎞)→蟠龍寺→(7分/0.5㎞)→目黒寄生虫館→(12分/0.8㎞)→大円寺→(11分/0.7㎞)→東京都庭園美術館→(1分/0.1㎞)→国立科学博物館附属自然教育園→(9分/0.6㎞)→JR・地下鉄・私鉄目黒駅

ゴール:目黒駅からJR山手線で新宿駅まで13分・180円、東京駅まで22分・210円。地下鉄南北線・三田線・東急目黒線の利用もできる。

今回のコース◆約3.9㎞/約1時間/約5200歩

天台宗の名僧・慈覚大師の開創「成就院」

天安2年(858)開創。本尊の薬師如来像は、タコが土台を支えていることからたこ薬師の異名がある。「ありがたや福をすいよせる たこ(多幸)薬師」と書かれた絵馬がユニーク。

「成就院」詳細

成就院(じょうじゅいん)
住所:東京都目黒区下目黒3-11-11/営業時間:9:00~16:30/定休日:無/アクセス:東急電鉄目黒線不動前駅から徒歩7分

約1200年前創建の不動霊場「目黒不動尊」

入り母屋造りに千鳥破風をもつ本堂は1981年の再建。

正式には瀧泉寺(りゅうせんじ)というが、慈覚大師が彫刻したという不動明王像を安置することから「目黒のお不動様」の名で親しまれる。日本三大不動・江戸五色不動のひとつ。毎月28日は縁日がある。

独鈷の滝と前不動堂を背に不動明王像が立つ。

「目黒不動尊」詳細

目黒不動尊(めぐろふどうそん)
住所:東京都目黒区下目黒3-20-26/営業時間:6:00~18:00/定休日:無/アクセス:東急電鉄目黒線不動前駅から徒歩12分

自分に似た羅漢像が見つかるかも「五百羅漢寺」

元禄8年(1695) 創建。明治41年(1908)に現在地に移転。現存305体の羅漢は、元禄時代(1688〜1704)に松雲元慶禅師が、十数年の歳月をかけて彫りあげたもの。都の有形文化財。

「五百羅漢寺」詳細

五百羅漢寺(ごひゃくらかんじ)
住所:東京都目黒区下目黒3-20-11/営業時間:9:00〜17:00/定休日:無/アクセス:東急電鉄目黒線不動前駅から徒歩8分

おしろい持参で地蔵に参詣「蟠龍寺」

岩屋には元祖山手七福神の辯才天(べんざいてん)が祀られ、弁天堂には辯才天の木像が祀られる。境内にはおしろい地蔵があり、地蔵の顔と自分の顔におしろいを塗ると、美人になれるという。

「蟠龍寺」詳細

蟠龍寺(ばんりゅうじ)
住所:東京都目黒区下目黒3-4-4/営業時間:参拝自由/アクセス:東急電鉄目黒線不動前駅から徒歩10分

寄生虫グッズをおみやげに『目黒寄生虫館』

1953年に医学博士亀谷了(かめがいさとる)が開いた世界でも珍しい寄生虫の博物館。人や動物につく寄生虫の標本や関連資料約300点を展示。全長8.8mもあるサナダムシの標本に驚く。

『目黒寄生虫館』詳細

目黒寄生虫館(めぐろきせいちゅうかん)
住所:東京都目黒区下目黒4-1-1/営業時間:10:00〜17:00/定休日:月・火(祝の場合は翌平日)/アクセス: JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩12分

境内の斜面を埋め尽くす石仏群「大円寺」

元和元年(1615)頃、湯殿山の修験僧が大日一字金輪を本尊として開いた道場が始まりという。境内の石仏群は、明和9年(1772)に寺が出火元の行人坂火事の犠牲者を弔うためのもの。

「大円寺」詳細

大円寺(だいえんじ)
住所:東京都目黒区下目黒1-8-5/営業時間:8:00〜17:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩5分

日仏の思いが融合した建築『東京都庭園美術館』

写真提供=東京都庭園美術館。

1920〜30年代に流行したアール・デコ様式を取り入れた建物は、朝香宮がフランス人芸術家に主要部分の内装を依頼、建築家・権藤要吉が基本設計を担当。現在は美術館として公開。

『東京都庭園美術館』詳細

東京都庭園美術館(とうきょうとていえんびじゅつかん)
住所:東京都港区白金台5-21-9/営業時間:10:00〜17:30/定休日:月(祝の場合は翌平日)/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩7分

自然豊かな園内。ここが東京?『国立科学博物館附属自然教育園』

写真提供=国立科学博物館附属自然教育園。

豊かな森林緑地が広がる約20haの園内には、ススキやヨシの草はら、池や湿地、小川などがあり、都心とは思えないほど自然が豊か。国の天然記念物および史跡に指定されている。

『国立科学博物館附属自然教育園』詳細

国立科学博物館附属自然教育園(こくりつかがくはくぶつかんふぞくしぜんきょういくえん)
住所:東京都港区白金台5-21-5/営業時間:9:00〜16:00/定休日:月(祝の場合は翌)・祝の翌日(土・日の場合は開園)/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩9分

【目黒・白金のグルメを堪能!】

目黒を代表するとんかつの名店『とんかつ とんき』

国産豚肉を低温でじっくり揚げるので肉はジューシーで、衣は薄くカリッと香ばしい。ロースかつ定食2300円。ご飯、キャベツはお代わり自由、豚汁も1回お代わりできる。

『とんかつ とんき』店舗詳細

とんかつ とんき
住所:東京都目黒区下目黒1-1-2/営業時間:16:00~21:00LO/定休日:火・第3月/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩3分

古民家で味わう絶品そば『利庵』

木造家屋に格子戸とのれんが粋な景観をつくる。自家製粉し、手打ちしたそばは、コシとのど越し、香りの高さが際立つ。せいろう950円。酒肴も多いのでそば前を楽しみたい。

利庵(としあん)
住所:東京都港区白金台5-17-2/営業時間:11:30~19:00LO/定休日:月・火/アクセス:地下鉄南北線白金台駅から徒歩3分、JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩15分

【街探検】都会の真ん中に残された貴重な自然。『自然教育園』を深掘り!

水生植物園。

この地は、寛文4年(1664)に高松藩主松平頼重の下屋敷があったところ。明治時代には海軍省・陸軍省の火薬庫、大正6年(1917)には宮内省帝室林野局の所管となり、白金御料地と呼ばれた。その後、1949年に文部省の所管となり、天然記念物および史跡に指定された。都会のど真ん中にありながら開発の手が入らなかったので、広大な森林緑地が残されているのだ。園内にある「物語の松」などは、下屋敷時代の名残という。

園内にはイヌシデ、ケヤキなどの落葉樹、スダジイ、カシ類、マツ類などの常緑樹が広がり、ススキやヨシの草はら、池や小川などもあり、四季の自然を感じることができる。園内では、植物1473種、昆虫類約2130種、鳥類約130種が記録されている。

物語の松。

取材・文・撮影=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きたい人のための 東京散歩地図』より

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