青森県立美術館で勅使川原三郎·佐東利穂子ダンス公演開催!
青森県立美術館で観られる、舞台背景画「アレコ」
青森県立美術館の中心には、縦・横21m、高さ19m、四層吹き抜けの大空間「アレコホール」があります。
こちらには、20世紀を代表する画家、マルク·シャガール(1887-1985)が、アメリカ亡命中に制作したバレエ「アレコ」の背景画4点が展示されています。ナチス・ドイツの迫害を逃れて渡米していたシャガールが、「バレエ・シアター(現アメリカン・バレエ・シアター)」からの依頼で制作したもので、「色彩の魔術師」と呼ばれる彼の本領が遺憾無く発揮された舞台美術の傑作です。
全4幕のこの背景画、実は全幕が揃っているのは期間限定なんです!
というのも、第1、第2、第4幕は1994年に青森県が収集していますが、残る第3幕はアメリカのフィラデルフィア美術館が収蔵しており、同館から長期借用しているものになります。
背景画全4作品が揃ったこの貴重な機会にぜひ、青森県立美術館へ!
勅使川原三郎·佐東利穂子ダンス公演開催!
そんな舞台背景画「アレコ」を展示するアレコホールでは、これまでクラシックコンサートやフラメンコ公演などを開催し、「アレコ」の世界観を音楽やダンスで表現してきました。なかでも皆さんの記憶に新しいのは、昨年開催の「青森県立美術館版バレエ『アレコ』」ではないでしょうか?青森市出身の世界的バレエダンサー、大川航矢さんを主演に迎え、「アレコ」の背景画に再び舞台芸術としての命が吹き込まれました。
そしてこの夏、アレコホールで開催されるのは「—文字のない手紙を読む-『青い森の絵手紙』」と題した、勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんによるダンス公演!
なんと今回のステージはアレコホールのど真ん中。客席もそれを囲むように設置されます。四方をぐるりと「アレコ」全幕に囲まれながら観るダンスは圧巻なこと間違いなし!
【公演名】-文字のない手紙を読む-「青い森の絵手紙」
【開催日時】2025年8月23日(土)、24日(日)各日19:00開演 ※アフタートークあり
【場所】青森県立美術館アレコホール(青森市安田字近野185 B2F)
【チケット】一般5,000円/高校生以下3,000円
【WEB予約】http://confetti-web.com/@/aoimorinoetegami
【電話予約】050-3092-0051(受付時間·平日10:00~17:00)
詳しくは青森県立美術館HPをチェックhttps://www.aomori-museum.jp/schedule/16101/
世界的ダンサー、勅使川原三郎さん
🄫Hiroshi Noguchi(Flower)
ここで、出演ダンサーの勅使川原三郎さんについてご紹介!ご存知の方も多いと思いますがこの方、めちゃくちゃ凄い方なんです。
1981年より独自の創作活動を開始し、以降、身体と空間を質的に変化させる唯一無二な身体表現で高い評価と支持を得ています。これまで受賞された賞を挙げると、ベッシ―賞、文化庁芸術選奨・文部科学大臣賞、紫綬褒章、フランス芸術文化勲章オフィシエ、金獅子功労賞などなど。
作品名:「Here to Here」 🄫Bengt Wanselius
特にベネチア・ビエンナーレのダンス部門で受賞された「金獅子功労賞」は、日本人初の受賞!幅広い世代のダンス関係者に刺激を与えてきたことが受賞の理由に挙げられ、「勇敢にして非凡、人間味あふれるスリリング」とたたえられています。
▼ベネチア・ビエンナーレ公式サイト
https://www.labiennale.org/it/news/i-leoni-della-biennale-danza-2022
さらに2022年度には、シンガーソングライターの松任谷由実さんや将棋士の加藤一二三さんらと並び、文化功労者にも選出されています。
▼文部科学省公式サイト「令和4年度 文化功労者」
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2022/attach/1422025_00001.htm
す、凄すぎます…。
各地の芸術祭や劇場から招聘を受けて世界中で活躍している勅使川原さん。最近もイタリア・ミラノやイギリス・ロンドンなどで公演をされていました。そんな方が今回、青森県立美術館で期間限定の「アレコ」全幕に囲まれながら踊る姿を観られるなんて信じられません…。
作品名:「トリスタンとイゾルデ」 🄫Mariko Mirura
しかも勅使川原さん、演出家・振付家でもあります。
なんと、ヨーロッパの一流バレエ団、パリ・オペラ座バレエ団からの依頼で作品を創作したことも!これは日本人振付家として初めての快挙。まさに世界的先駆者です。
ここでお気づきの方もいるかもしれませんが、今回のダンス公演も、実は照明・音楽構成・振付等の演出すべて、勅使川原さんが舞台背景画「アレコ」をイメージして作った完全新作公演になります!
勅使川原さんからのコメント
本番まで残り約1カ月となる中、勅使川原さんにお話を伺うことができました。
作品名:「Absolute Zero 絶対零度2017」 🄫Akihito Abe
〇青森県立美術館で観た、シャガール作舞台背景画「アレコ」について
― 巨大な4つのそれぞれ全く異なる趣の絵のシリーズは、一人の人間の心の有り様を表しているようです。孤独な内面の奥深くにある言葉にならない思いが、溢れて降って来るように感じました。色彩が投げかける光と温度、絵に囲まれた大きな空っぽの空間は、巨人の声が聞こえて来るような、どこか見知らぬところから届けられた手紙のような異国的な風を感じたのです。 (勅使川原三郎)
勅使川原さんからのコメント全文は公演当日パンフレットにて掲載!
青森県立美術館公式YouTubeにて、勅使川原さんからのメッセージ動画を公開中!
https://youtu.be/1_DyHQwcQR8
ぜひこの夏の思い出に、ダンスで表現する「アレコ」の世界観を体感してみませんか?
by じゅにあ