ボランティア活動通して復興のあり方考える
昨年1月の能登半島地震に見舞われた被災地を支援しようと、関西福祉大学の学生たちが今月上旬、石川県珠洲市で災害ボランティア活動を実施した。
被災地での活動を通して災害からの復興のあり方を考える機会を若者に提供する「のと復興留学」。昨年も石川県内に災害ボランティアを派遣した萬代由希子ゼミの学生を中心に1回生から3回生まで計19人が参加した。
一行は8月6日にバスで赤穂を出発し、受け入れ先の珠洲ホースパークへ。引退した競走馬の繋養牧場で、地震で一部の施設が損壊するなどの被害を受けた。学生たちは馬小屋の清掃や牧草畑の世話などに2日間従事。ホースパークの代表者から体験談を聞く機会もあり、震災発生後に馬を避難させられなかった辛さや、情報網が寸断されたため支援物資がスムーズに行き渡らなかった話などに耳を傾けた。
県外へ避難した人が戻らず、過疎高齢化がさらに進みつつあることが将来の大きな不安となっているとも聞き、簡単には解決策を見出せない難しい課題にも直面した。社会人として働きながら学ぶ社会福祉学部1年の川崎宏規さん(33)は「幸せな日々は当たり前ではないと感じた」と、いつ襲ってくるかわからない自然災害の脅威に思いをはせ、同級生の澤田利久さん(19)は「もっと自分自身が成長して、ボランティア活動を展開する側になりたい」と話した。