【Pick Up】特殊な自然環境下でのウイスキー製造、マルス津貫蒸溜所
世界的ウイスキー需要の拡大を受け、本房酒造は、2016年に発祥の地である鹿児島県南さつま市の津貫に、マルス津貫蒸溜所を開設しました。本記事では、そんなマルス津貫蒸溜所の魅力をご紹介します。
マルス津貫蒸溜所
現在,マルス津貫蒸溜所を運営している本坊酒造は,戦後間も無く初めてのウイスキー製造を開始しました。1970年代には鹿児島でのウイスキー製造も行っていましたが、その後マルス信州蒸溜所の開設に伴い鹿児島でのモルト原酒蒸留を休止しました。
1992年にはウイスキー需要の低迷を受け全ての蒸留が休止となりましたが、蒸留が休止している期間も熟成が続けられました。
2000年代に入りウイスキー需要が拡大すると2016年にマルス津貫蒸溜所が竣工、32年ぶりに鹿児島でモルト原酒の蒸留が再開されました。
特徴的な自然環境
日本のウイスキー蒸留施設の中でも特別に南にあるマルス津貫蒸溜所では、非常に温暖な気候に囲まれています。また盆地に位置していて、夏は暖かいというだけではなく、冬は雪が降るほど寒くなります。
これらの特徴は、長野にある標高が高いマルス駒ヶ岳蒸溜所とは大きく異なっており、その冷涼な気候で熟成されたものとは全く異なる味わいを持つウイスキーが生産されます。
さらに、本坊酒造は屋久島にも樽貯蔵庫を保有しています。そのため、ジャパニーズウイスキーのメーカーとしては珍しく、気候風土が異なる三箇所でのウイスキー熟成を行っているんです!
多様な樽の数々
津貫蒸溜所で扱われる樽はそれぞれ異なった特徴を持っています。樽の濡れ留め一つとって注目してみても,それぞれが異なった特徴を持っており,樽の歴史や文化などを感じることができます。
また津貫蒸溜所では,バーボン樽やシェリー樽をはじめ様々な樽を扱っています。中にはワインや梅酒の熟成を行った樽や,鏡部分のみ桜を使用した樽など非常に珍しいものも扱っています。
まさに本坊酒造という多数の酒類を扱う総合酒類メーカーならではの知見が活かされているんです!